ホリエモン、収監

ぼくが堀江さんを応援する理由(前編)

ぼくが堀江さんを応援する理由(後編)



堀江さんが収監されましたね。この件に関する、非常に大人の、共感出来るエントリーだと思います。事情が分かっている人なら皆が思う、「何故この事件で執行猶予も付かない実刑判断なのか」「どうしてここまで大ごとになってしまったのか」「正しい判断だったのか」「本件が与える影響は」などの疑問に答えるヒントが沢山あります。正直私もライブドアが破竹の勢いでメディアに取り上げられている時、こんなの張りぼてだよな、と苦々しく思っていました。あのスピード感は認めますが、やっていることは他社の流行ったサービスのパクリ。どこにも独創性なんて見出せず、新興株式市場の仕組みを上手く使って派手に金儲けしている嫌なヤツ、という認識でした。多分この部分の言及が的を射た表現だと思います。
たんに目立つ人間に対するやっかみ以上に、堀江さんの存在を問題だと思わせた大きな要因は株の時価総額をあげて会社を買収するという手法だろう。日本を代表する大企業のひとつであるフジテレビを買収しようとしたのだ。タブーにふれたどうのこうのいう説もあるが、そんなこと以前に、冷静に考えて、ライブドアというポータルサイトとフジテレビの価値が釣り合うわけがない。それが、時価総額だか、MSCBだがしらないが、よくわからない理屈で歴史ある大企業が簡単に買収されそうになってしまったのは、どう考えても公平ではない。こういうのが許されるのであれば、株価をあげるテクニックがうまいだけの経営者が日本経済をいずれのっとってしまうことが可能だろうし、別に日本の経営者じゃなくても外資が日本経済をのっとることも同様に可能だということだ。だから、日本という社会が、もしくは国家権力が堀江さんを叩きつぶすという判断をするのはすごくまっとうで自然なことだと、ぼくはいまでも思う。歴史なんてそういうものじゃないか。
元々SONYやホンダのような”ホンモノ”のための限られたステージだった株式市場が、テクニックだけ達者な若造のおもちゃにされている、そんな反感がありました。資本市場への適切な介入が当然とされる今では、正しい判断だったと思いますが、それでもあのままライブドアや村上ファンドが暴れ回っていた方が日本経済の膿が出されて色んな分野が活性化していただろうな、という残念な気持ちもあります。日本は結局秩序を重んじる社会なんですよね。



技術革新という面では、日本のベンチャーの状況は寂しい限りです。ただこれも誤解しない方が良いのは、世界中のどこの国だってアメリカのように活気のあるベンチャー群を生み出す事は出来ていないという事実です。もっと言えば、アメリカの中だって成功しているのは西海岸のシリコンバレー近辺だけで、中西部も東海岸にもそんな生態系はありません。あそこだけが世界の特異点なんですよね。だから、日本を含めた各国のプレイヤーは悲観せず、卑下せず、自分達のマーケットの特性に合ったサービスを開発して、例えそれがアメリカ発の焼き直しであったとしても独自の付加価値を加えて磨いて行くことに注力すれば良いのだと思います。世界は小さくなりましたが、全部がアメリカ化する訳ではありませんから。



本人が「生き急いだ」と口にしたように、少し間を空けて、今度は誰にも後ろ指を指されない真っ当なビジネスを展開して世を驚かせて欲しいです。堀江さんを応援している人は確実に増えています。

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