先進国で成長していないのは日本だけ?

メルトダウン寸前の日本経済――自分の将来をどう守るか

久し振りにびっくりしたんですが、この図を見てどう思われますか?

我々日本人は漠然と「成長著しい新興国に比べれば伸び率は低いだろう」「成熟国なら、どこでも同じようなもの」と考えているが、その認識は間違っている。日本は明らかに「一人負けの状態」なのだ。


私もまさにそう思っていました。「いくら日本が低成長だと言っても、シリコンバレー等の特異点を抱えるアメリカが特別なだけで他の先進国も軒並み低成長なのだろう」「だから低成長を前提にした新しい生活・産業スタイルを模索しないと」と。全然違うじゃないですか!



基本的に所得は硬直的ですから、普通は物価の上昇を後追いしない限りなかなか目に見えて家庭所得は上昇しません。日本のこの20年がデフレ状態に置かれていることは誰の目にも明らかなので、所得が向上しなくてもそれほど生活への逼迫感はありませんでした。問題は雇用状況の悪化で、正規職に就業出来ない若者の救済と、後は将来の年金財政の改善さえ何とか出来れば大きな問題は解決すると思っていました。しかし、今やグローバル化の進展で一つに繋がっているはずの他の先進国がこれだけ家庭所得を伸ばしているとなると、それは日本固有の構造問題です。明らかに日本のやり方がおかしいのです。今の現実をしょうがないと受け入れるのではなく、もっと良いやり方を積極的に模索すべきだったのでは、と考えざるを得ません。



何が問題なのでしょうか? 私は、基本的に一つの政策しか試せない選択の幅の狭さにあると思います。日本という国は充分大きく、世界経済への影響も大きいです。失敗したくないのは国民も政治家も官僚も皆同じ。で、前例踏襲の無難な選択ばかりで、リスクを取って試せないのです。こういう時、会社ならどうしますか? そう、予算管理を別にした小規模プロジェクトを発足させて、与えた予算の範囲でトライさせますよね。社内がやりにくければ子会社を作っても良い。これが国レベルだと出来ません。大前さんが主張する道州制の意味は、日本を幾つかの地域に分けることでそれぞれのエリアで独自の政策にトライ&エラー出来る機会を作ろうというものです。日本でいきなり実施するのが躊躇われる政策を、北海道で、九州だけで、沖縄特区だけなら、試せます。上手くいけば他に拡げればいいし、ダメでも国全体にはダメージが及ばない。そうやってアイデアを出し合って有効な施策を試す。これが有効だろう事は皆理解出来ますよね。



既に20年使ってしまいました。世界第三位の経済規模があるうちに、仕組みを変えましょうよ。今ならまだ間に合う。私は大阪・愛知で始まっている地域主導型の新しい政治活動に大いに期待しています。国と地域が権益の取り合いをするんじゃなく、政策を競う土台を作りましょう。それならはっきりと日本の未来は明るくなると確信が持てると思います。

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