硬直した組織の怖さ

自衛隊員も知らなかった自衛隊



メルマガでお世話になっている悠々社の山崎さんが手掛けられた本なのですが、著者の中部方面総監であった松島悠佐氏の話として、阪神淡路大震災時のエピソードを紹介してらっしゃいました。

自衛隊が設営したお風呂に「循環式でない浴槽は公衆浴場として認められない」と神戸市が難癖をつけた話や、同じく神戸市の役人が「温かい炊き出しは冷たいご飯を食べている人から苦情が出るからやめてほしい」と言ってきた話、神戸市の消防が「空中消火は実績がないから認められない」と、燃えている長田区への空中消火を差し止めた話などが載っている。
何とも愕然としますね。

どうやら当時の首長に革新派が多く、自衛隊の活動にまだあまり理解がなかった背景故の出来事という面があるそうですが、それにしてもルール・法令を守ることが優先で現実に柔軟に対応出来ない組織の怖さが表れていると思います。

確かに組織側の理屈に立てば、例外を認めることで収拾が付かなくなる、判断基準を属人的にするとバラツキが出る、例外対応したが故の失敗に誰が責任を取るのか、など理解出来る面もあります。

しかし、組織人である前に一人の人間として事に当たれば、自分なりの価値判断で融通を利かせて良い範囲が分かろうというものです。

すべからく問題の根っこは、自分の頭で考える事をしなくなった顔の見えない組織の恐ろしさにあると思います。

どんな組織も、長期間リフレッシュしないとこうなってしまうんですね。

一定の競争とリセットを仕組みとして組み込むことが大事なのでしょうが、そんなことをしている組織がどれだけあるかな…。

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