後継問題

皆さんは相続に興味がありますか?

若い方はご両親がご健在の事が多いでしょうからピンと来ないでしょうが、一定の年代以上の方には身近な話題だと思います。

これだけ少子化が進むと、両家の資産がいくばくかはあるケースが多くなり、どう次の世代に受け渡していくかという問題が発生します。

私にも田舎の実家がありますしね。

田畑や山、資産価値は大したことないんですが、あれどうやってメンテして行くんでしょうか…。



この話は家庭セクターに限った事ではなく、企業セクターでも同様です。

両親が何らかの事業を営んでいた場合、事業継承というのが頭の痛い問題になるのです。

恐らく今の税理士さんの一番の仕事がこの分野なのではないでしょうか。

ま、お金の話は置いておきましょう。

私が言いたいのは、先代が体を張って作り上げた事業を、現場をロクに知らない二代目・三代目に果たして上手く引き継ぐなんて事が出来るのか、という事です。

結論としては、非常〜に難しいと言わざるを得ません。

先代は、ある意味幸せです。

自分の成長と会社の成長がリンクしており、その時々で壁にぶつかる度に試行錯誤しながら自身のステージアップを繰り返す事が出来ます。



これが二代目になるとどうなるか?

不幸ですね。

既に一定の土台が出来上がっています。

しかしそれは先代が作った他人の座布団です。

当然継承の段階では二代目の器が追いついていない。

つまりいきなり背伸びを強いられるわけです。

先代の教育がしっかりしていれば、帝王学を授けて成長を加速させる事が出来るかも知れませんが、三代目の場合とかは悲惨です。

二代名である親が教えるべき基礎を把握していない場合、地位を守る事自体が目的化して新規の事業創造なんて遠い夢、資産を減らさない事に汲々とする毎日です。

幸せな人生とは言えませんよね。



どんなに成功した大企業でも、偉大な創業者の後をスムーズに受け継いだ例は希有です。

松下電器は? トヨタは? ホンダは? SONYは? ユニクロは?

皆、大変な苦労をして事業を継続していますよね。

あれだけの人的リソースを抱えて、絶対的な規模な事業基盤があっても継承は大難題なのです。

いわんや、中小零細をや、です。



私は、無理に子供に事業継承を求めるのは反対です。

引き継ぐなら、社内に適切な後継者が居る場合。

無理に社外から連れてきてもなかなかフィットしませんし。

その意味で会社の寿命が30年と言われるのは、創業者のライフサイクルとまさしくリンクしているのでしょう。



誰かが残してくれた財産をあてにするのではなく、自分の人生は自分で切り拓く。

大事なのはその気概ではないでしょうか。

それにその方がずっと幸せな人生を送れると思いますよ。

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