「メルカリはなぜうまくいっているのか?」

QREATOR INTERVIEW! by MEGUMI 「メルカリはなぜうまくいっているのか?」

CARZYのビジネスモデルを考える上ではメルカリに多大な影響を受けているので、ずっと気になっています。少し古い記事ですが、参考になるポイントが沢山あります。私が気になったところをご紹介します。
スマートフォンを誰でも使うようになって、誰でもインターネットが手の中に入ってきたというところで、それらを見ると、より今までパソコンベースでプロしかやれなかったものが、個人の方でもできるのではないかという、大きなパラダイムシフトが起きる予見から始まりました。

インターネットはやっぱり個人をエンパワーメントするもの、個人が強くなる、個人がなにかアクションをするときにインターネットのパワーでレバレッジが利くというのが価値だと思っているので。

僕らでいうと「別にヤフオクあるじゃん」と言われるのですよ、当時。「別にヤフオクで売れるじゃん」と。ミクシィのときも「誰が日記書くの?」と言われました。だから、そうしたコメントはかなりあるわけですよ。
それはもう半分は信じるしかない。エゴでなんとか押し通せるというか、やり続けられるのです。

意外と大企業と戦うときには、僕自身はそんなに難しく考えてないです。
大企業には2つ理由があって、1つは新規事業に大きな予算をかけられないんですよ。要は大企業の論理としては、成長している既存サービスにお金をぶっこんだほうがより成長するので、「新規事業にお金を使います」と言っても、実際はそんなに使わないのですよね。プラス、そこにエースなんて入らないんですよ。結局エースは一番儲かっている事業にしか張らない。
そうすると、大企業の新規事業がどうして失敗するかというと、エースもお金も張らないからなのですよ。しかも上場していたら、急に「10億円使います」なんて絶対できませんから。

みなさんが使っているサービス、全員が使っているサービスというのは、本当にそのWinner Takes Allのwinnerなサービスですね。ここになれるかどうかというのが極めて大事です。ですから僕らは、最初の1年半ぐらいは売上が0なんですよ(笑)。一方でどんどんたまっていくと、どこかで自分たちだけが伸びるような、2次曲線のようなカーブに入っていくんですよね。急に。勝手に人や情報が回り始めるんです。最初は僕らが無理してトラクションを高めていかないといけないのですが、どこからか急に自走し始める。
でもそこまで僕ら、会社は10億円以上の赤字なんですよ。

僕らは先ほど言ったように、売上が立つのがちょうど1年半頃です。それまではもう本当に赤字でしたね。最終的に僕らは手数料10パーセントで売上を取るモデルになるのですが、最初は手数料ももらっていないのですよ。だから、ずっと赤字なのですね。売上0でずっと赤字、さらにテレビCMもやっていた。テレビCMは1回数億円なので。手数料を有料化し始めるときに、「ユーザーが『10パーセントなんて高い』と言って使わなくなったらどうしよう?」というのは、一番ヒリヒリしたタイミングでした。

MEGUMI それはどうしたんですか? そこで変える決断をしたときにお客さんが離れていったというのはなかったのですか?

小泉 幸いそれはなくて。さっき言った自走するタイミングでなにが起きているかというと「メルカリが一番売れる」、これですね。これがあれば、ユーザーさんはたとえ10パーセントの手数料でもなにも言わない。それは、「売れるのならここで出そう」と言ってもらえるところまで持っていけるかどうかなんです。

基本的な考え方は「誰でも簡単に利用できるサービス」なのですが、初期のマーケティングの考え方はやっぱり20代女性ですね。これはミクシィの時もある程度同じなのですが、やっぱりトレンドを作るのは若い女性ですよね。ネットサービスをやっているとつい男性にいっちゃいますが。

しかし、男性からではメジャーサービスは出にくいと思っています。なぜかというと、男性はそんなにクチコミをしないからです。

自分が納得すれば、まあいいという。極論、別に友達なんかに共感してもらわなくてもいい。

女性というのは共感の生き物なので、共感されたい、自分も共感したい。

テレビ局からよくあるのが「メルカリで売れた一番高い品物をフィーチャーしたいです」「メルカリで100万円以上売った人をフィーチャーしたいです」といった、いわゆる“メルカリ長者”みたいなことを言われますが、うちではそれを全部断っているのですよ。
どうしてかというと、先ほどの共感の話もそうですが、今の消費者を見ていると、やっぱり自分事(じぶんごと)化していないものに対してはまったく反応しないのです。
では今の若い子たちの共感度合いはどのぐらいかというと、ちょっと売れて、自分の承認欲求がちょっと満たされる。そして翌日のランチがちょっと豪華になるくらいの、いわゆる「日常の延長線上にあるちょっとした楽しさ」なのです。
それをまたインスタなどのソーシャルメディアにあげたりすることで、いろんなところで自分が少しハッピーになれればいいのです。「それをみんなに共感してほしい」といった流れなので、100万円稼いでいる人を見ても「別に私関係ない」という感じなのですよ。

最初は車などはやめていたのですが、今だと出品できますし。
しかも売れているんですよ。写真4枚で車が売れているんですよ。

これまでの社会というのは、先ほど言った資本主義がかなり社会を保証していたと思うのですよ。なんとなく「イトーヨーカドーで売っているものは間違いなくいいものだ」といった、そうした資本主義がある程度そこの社会の信用を担保していたと思いますが。
これからはどんどん、個人がインターネット上の活動で自分の評価がたまっていく。そうするとどんどん個人で社会に出ていって活躍できる人や、そうやってものを売れるであるとか、個人の信用がためやすい世の中になっていっているのではないかと思っています。

立ち上げの頃の重要性でいうと、1つはプロダクトの完成度の高さがあると思うのですよ。使い勝手が悪いもの……例えばレストランで言うと味が悪い店です。こういうのはやっぱり長続きしないので、当たり前なのですが、使い勝手のいいサービスを作る。
そのときに、先ほど言った男性目線で作っちゃうと意外と「これぐらいみんな使うでしょ?」といった感じなのですが、けっこう使わないんですよ。
僕はいつも女子高生や女子大生が不自由なく使えるかどうかはすごく大事だと思っています。なるべく難しくせずに、そういう方々が使えるかどうか。いわゆる大衆層が本当に使えるかどうか。
もう1つは、それに対していいものを作ったら、やっぱりいいプロモーションをするというところだと思っています。

SNSなどを見ていても半分は読めていないのですよ、みなさん。もう脳の処理量を超えているので。
そうなると「いいね!」ボタンはなにかというと、「MEGUMIさんがあげてるから『いいね!』ボタンを押しておこう」など、書いてある内容よりも誰が書いているかのほうが大事になってきて、どんどんそっち側にみんな反応していっているのですね。
それで徐々に文字が辛くなっていって、今はインスタのように映像や画像になっていっているわけですよ。どんどんそのように軽いほう軽いほうへ人間というのはいくわけですね。軽くて情報量が多いほうに。
そうした中でいうと、手で打って文字というのは、たぶん遅いとなってきていて。

僕らでいうとやっぱりモノを売るので、物を売る系は音声というよりはどちらかというと映像です。いわゆる動画コマースっぽい方向は、一部、今メルカリチャンネルというタブをひとつ作ってテスト的に始めたのですが、動画などはそっち側にいくだろうと思っています。
ただ、一般的な検索などのもろもろは、音声のほうにサポートしていくのではないかと思っていますね。

小泉 ネットとリアルの境目がなくなってきているのですよ。今まで「インターネットはインターネットの中のもの。リアルとは交わりません」といった感じだったと思うのですが、これからはどんどんその境目がなくなってきていて。
いわゆる物の買い物でいうと、ショールーミングと言われている、物を買いに行くのだけど、その場で見てネットで注文するといった感じです。むしろ今、中国はその店舗ばかりなのですよ。ほとんど。中国は最近在庫がない店がすごく多くて。もう在庫を置いておくのは無駄だから、ショールーミングしちゃう。
MEGUMI サンプルだけ?
小泉 うん。その場で頼んでもらって、あとは配送するといった。
MEGUMI へえ、すごい。
小泉 たぶんどんどんその境目はなくなっていくのですね。あと5年、10年のスパンでいうと、「えっ、そのネットやリアルといったその議論はなんですか?」という議論になっていくと思うんですよね。「前時代的な議論をしてます」みたいな。

アメリカやヨーロッパに行くと、圧倒的に日本の食材のクオリティの低さ、オーガニックスーパーやホールフーズ・マーケットもないし、やっぱりそのあたりが意外とまだまだだなという感じはしますよね。

その一方でコミュニケーション系はちょっと難しい。物というのはループしやすいのですが、人はループしにくいのですよ。

SNSはなにが起きるかというと、人間関係じゃないですか。縮図としては。これはループしにくいというのは、入れ替わりしにくいのですね。なぜかというと、友達としてもう5年会わないけど、この人を切るのはちょっとやだなという。

そうなってくると、古い……最近よくSNSが若い子に使われなくなったなどいろいろありますが、SNSの初期の頃は自分が本当に仲の良い人たちが友達だったのに、最近は仕事関係の人など、なんだかいろいろ入ってきたからどんどんつながっちゃったのだけど居づらくなってきている。

そうした中で、若者が最近インスタでもう1回とか、Twitterのほうで鍵をつけて自分が本当に仲が良い人だけでやるなど、どんどん人間関係は再構築したがっている。プラットフォームを変えたがる。大きくなってしまうと面倒くさいから。

ということが起きるので、僕は5年10年スパンでいうと、どこかでコミュニケーションサービスは変わる可能性はあるんじゃないかと思っています。

もしくはFacebookはもっと社会性のあるプラットフォームになっていって、本当のトレンドを作るようなSNSはまた別で生まれてくるというのは普通にあるのではないかと思っていますね。とくに若い人からすると、たぶんあの構造は「ちょっとめんどくさいな」となってきていると思いますね。
というわけで引用だらけになっちゃいましたがw、いいこと一杯書いてありますね。後発の人間はこうやって先人の経験と智恵に学べるのがいいところ。勿論個別に状況もビジネスモデルも異なりますけど、本質的な議論のポイントは共通のことも多いと思います。CARZYにはCARZYの最適解があるはずなので、そこを見極めたい。乞うご期待、です。

https対応

最新閲覧ソフト、官庁HPに警告=通信暗号化へ順次対応―総務省など

随分前から騒がれていた問題なのに、官庁は対応してなかったんですね。驚きました。おちゃのこネットでは、2017年12月にhttpsでの表示に対応し、しかも従来のhttpサイトからの以降ツールも併せてご提供しています。どうしてこんなツールが必要になるかと言いますと、おちゃのこネット以外の外部のサーバーにあるコンテンツをHTMLで読み込む記述をしているケースが多々あるからです。膨大なコンテンツの中から該当箇所を目視で発見して修正するのは困難なので、自動的にツールで修正箇所の検知と置き換えをする仕組みをお作りしました。

全体HTTPS設定について



ある事柄に対応出来ているかいないか、ただ○×で示しただけではこういうところまでは分かりません。でも実際に使う人の身になれば、手で作業を強いられるサービスとツールが提供されるサービスの差は大きいはず。おちゃのこネットは使う人の気持ちに寄り添ったサービスでありたいと思ってきたし、これからもそれは変わりません。使いやすい、親切、気が利いてる。そんな評価を大事にしていきたいと思っています。

Instagramマーケティング

おちゃのこネットでトップクラスの売上を誇る某ショップの社長さんにお話しをお伺いする機会がありました。今一番力を入れているマーケティングチャネルは、Instagram。やはりイマドキはそうなんですね。昔は対象顧客が読んでいそうな雑誌への広告出稿が主体だったのですが、紙媒体の実売がどんどん落ちている昨今では10万部発行のメディアはごくわずか。対して、故人でフォロワーが10万人単位でいるモデルやタレントさんは結構いるので、いまはメディアと個人のパワーバランスが逆転していて発信力のある個人を軸にした方が効くのだそう。

K・ジェンナーがインスタの女王、1投稿1億円稼ぐ

これはさすがにケタが違いますが、世界ではこんなことになっています。勿論Instagramに向いている向いていないという特性はお店と商材によって異なるでしょうが、最新のメディア動向にうまくキャッチアップすることは大事だということですね。

ZOZOSUITの脅威

剛力ちゃんとお騒がせな前澤さんですがw、やっている施策は的確です。注文していたZOZOSUITが届いたので早速着用してデータの計測をしてみました。手順もインストラクションもよく練られていて、アプリの指示に従えば誰でも自分の体型データがサーバーに登録できるようになっています。非常にカンタン。

で、その後にZOZOTOWNでアイテムの検索をすると、サイズ一覧に「あなたのサイズ」表示が! これはいいですね。私は概ね既成の服でサイズが合うので今まであまり不便を感じたことはなかったのですが、ウチの息子なんかは身長が高くて細いので合う服を探すのに苦労していました。彼のような人は重宝すると思います。

この取り組みはユニクロはもちろんAmazonにも先行していますから、ファッションカテゴリーにおいてはトップランナーなわけです。正確な体系データという武器を手に、あらゆるファッションアイテムの販売ポータルを取れる可能性がありますから、この先どこまでいけるか非常に見ものです。できればこれで世界を制覇してほしい。世界に通用するIT企業として、ZOZOとメルカリは応援しています。IT業界におけるSONY・ホンダを作るんだ!

Uber Eatsって流行ります?

Uber Eatsが京都と神戸にやってくる、7月下旬よりスタート

前から試してみたかったUber Eats、大阪から神戸には配達エリア外だったので試せなかったんですよね。実は以前にこの手の宅配サービスを試そうと思って出前館を使ってみたことがありました。その時の経験が最悪だった(めちゃマズw)ので、私の感想は「やっぱりこういうサービスを使うお店は流行ってないお店で、既存のリソースが余ってるからできるんだろうな。流行ってるお店は目の前のお客さんに良い料理を提供する事に集中するよな」と思ったんです。なので、このUber Eatsが成功するのかどうか、見てみたいんですよね。

一つお断りしておくと、私はデリバリーサービスそのものを否定しているわけではありません。実店舗があって、お客さんが入らないから少しでも穴埋めに宅配を、なんて考えているお店のクオリティが低いというのは先の通りです。しかし、最初からデリバリーありきでビジネスモデルを考え、それに最適化したお店の業態はアリだと思っています。実際にアメリカでは初期の高い開業資金ハードルを下げることで新規参入が起きやすくなり(特にサンフランシスコあたりは賃貸料が異常に高騰してる)、また既存レストランもキッチンをそういう若い料理人さんに貸し出すモデルに転換する成功例も出てきたりして、イノベーティブな面も多々ありますからね。

日本は人口密度の高い国家なわけですから、本来はロジスティクス効率が高い国。ならばもっともっと宅配型のモデルが成功してもいいはずなのです。それを拒んでいるのは、大手三社(ヤマト・佐川・日本郵便)の寡占と怠慢にあるのではと思っているので、それを突き崩すAmazonやUberのチャレンジは応援したいのです。日本を改革しよう!

実はメルマガが効く!

メルマガ回帰の始まり? 注目の欧米メルマガサービス9選 ── キーワードは「質の高いコミュニティ」

メールは死んだ、とよく言われます。メッセージングは完全にLINEとFacebookメッセンジャーに移行した感があります。しかしそれでも、まだメールは死んでいませんし、実は見直されつつある気がします。冒頭のサイトは堀江貴文さんのメルマガで紹介されている記事で見つけました。

皆さんはどれくらいのメルマガを購読されていますか? 私は有料メルマガだけでも、先の堀江貴文さん、isologueさん、決算が読めるようになるノートさん、があり、他に無料のものを含めると結構な数のメルマガをずっと長く購読しています。海外のものもあります。

一時は確かにメルマガを整理して、やたら来るのを減らしていたんですが、結局全部をやめることはせず、質の高いものだけ残しています。ネットの世界ではオールドメディアの部類なのですが、これが意外と面白いのですね。その理由を冒頭のサイトはこう分析しています。
米国において、メルマガの価値が再認識されつつある。

SNSで情報を入手する手段が確立されたが、いつまでも見続けてしまう中毒性を持ち、 FacebookやTwitterでは効率的に必要な情報が集まらないと感じる人は少なくないはずだ。

友人のプライベートな情報発信と、 メディアが発信するニュースが混在してしまっているためだ。

一方、隙間時間に効率よく情報収集をおこなう人にとって、メルマガは有効な手段だ。

メール受信ボックスを見続けることはないだろうし、 題名で一瞬にしてどのような主旨の内容かを判断できる。

なにより古くから使われてきたコミュニケーションチャネルであることから使い勝手がよい。

大学生から社会人まで、ほとんどの人が利用する「メール」という媒体に 読者もメディアも注目し始めている。
本当にそうなんですよね。SNSはあまりに情報が散漫で、コンテンツの質がバラバラなんです。それに対して特に有料メルマガは、おカネを取るだけの自信のある高品質なコンテンツが多くて読ませます。これは今後も生き残るし、ひょっとすると今よりも購読者は増えていくのかもしれません。売れているお店は必ずメルマガに力を入れていますからね。

CARZYでも有料会員向けに発行することにしましょう!

ZOZOSUITの延長に

ZOZOのラインナップにビジネススーツが追加、体型データに合わせた完全オーダーメイド

今でこそファッションアイテムをネットで購入することも当たり前になりましたが、ECが始まった当初はもっとも親和性の低い領域と言われたものでした。その理由は、風合いなどの微妙な情報を得られないことと、サイズ合わせの問題でした。ここを様々な工夫で乗り越えてきたから今日のファッションECの隆盛があるのですが、ZOZOはそこに新しいソリューションを持ち込んできましたね。

本当に自分の不見識を恥じるのですが、ZOZOTOWNの凄さが私には分かりませんでした。メジャーなファッションブランドが自前でECをやり出したら存在意義はないよね、としか思っていなかったのです。ZOZOの当事者感覚溢れるECビジネスセンスはホンモノでした。在庫を持ち、自分たちで写真撮影をし、決してメーカーの情報に頼らずに、自分たちで必要なコンテンツとリソースを提供する姿勢は見習うべきです。そして彼らはついにサイズの問題を解決しようとしています。自社で(外部調達したとはいえ)サイズ測定を内製化し、個人の体にぴったりフィッティングしたアイテムを選択出来るというのは画期的ですよね。そしてついに、彼らはメーカーへの道を歩もうとしています。まずビジネススーツから参入というのがまた的確なチョイスですね。

これはユニクロにも通じるところがあるのですが、ZARAのようにファッション性を追わずに、機能性で勝負しています。流行廃りが少なく、ある意味消耗品的な機能と価格で勝負できる領域。ひょっとしたらZOZOはユニクロと競合していくのかもしれませんね。いや、前澤さんならファッション性を追求するかな。どちらにしろ、このビジネスモデルは世界に通用するはず。ぜひ、驚かせてやって欲しいものです。21世紀の日本発世界企業が見てみたいのです!

ShopifyとAmazon

日本という恵まれた素晴らしい国に生まれ、活動をしていると、どうしても目が国内に向いてしまいます。ウチの場合は、カラーミーショップ、楽天市場と競争していると思っていますが、実はそうではなく、本当の競争相手はShopifyでありAmazonなのですね。地理的な要因を超えるITの世界においても、日本語という言語の壁は生きています。どんなに世界で使われているワールドサービスでもこの日本語のカベを超えるのはなかなか大変で、すぐには入って来ません。しかしそれは時間の問題で、いずれは来る未来なのです。

paperboyさんが社員250名で凄いなと思っていましたが、shopifyは3,000人です。ここと戦うのかと考えると溜息が出ますが、それでも私たちも生き残らなければなりません。ウチにはウチにしか無い強みがあるはず。ウチの良さを一番分かっていないのは私たち自身なのかも知れません。その意味でユーザーさんの生の声に触れるのはとてもよい気付きの機会です。ご期待を頂くその声にお応えしたい。誰よりもその想いは強いのです。勝ち残れる戦略を見出さねば。これが今の私の一番大事な課題です。

Y Combinatorへの応募

シリコンバレーというメジャーリーグ

こちらで宣言したY Combinatorへの応募ですが、ちゃんと実行しました。Summer 2018へのApplyボタンが生きていたので信用したのですが、実は締め切りは3月でとっくに過ぎていたので実際の応募はWeb上からはできませんでした。それならそうと書いておけよ、と毒づいたのですが、ここであきらめては起業家の名がすたります。YCのトップであるPaul Grahamの連絡先を探して、直接連絡を取ってみました。正直、毎日一杯訳分からんヤツから連絡あるんだろうし無視だろうな、と期待していなかったのですが、なんとPaul本人から返事がありました! この時点で既に感動。だって、あのPaul Grahamですよ。シリコンバレーの良心、レジェンドですから、IT業界で知らない人はいない雲の上の存在。忙しい中を手間を割いてくれたのは、それなりにCARZYのビジネスモデルに関心を持ってくれた証拠なのかなと勝手な想像をしています。

その返事の文面は、Taroに相談しろ、というもの。私にはどの”Taro”さんかすぐにピンときました。そう、日本人としてただ一人YCを卒業したあの福山太郎さんのことです。そして返事のメールにはご丁寧に太郎さんのメールアドレスがccで付いていました! これでもう福山さんも無視するわけにはいきませんよね。だって、あのPaul Grahamの紹介ですもの。というわけでやり取りが繋がり、アドバイスも頂きました。内容はシンプル。
Batchに入るかどうかはYC次第なので、私はなんともですが、何社か現バッチの会社に会うと、すでにサービスローンチは前提のもと、顧客や売上がついている会社がほとんどのようです。ですので、今はβ版のローンチに専念され、最初のトラクションがでた際に再度ご応募されるのを個人的にはおすすめします。
サービスがローンチされる前にYCに行ったとしても、早く開発をすすめる、こと以外の助言がYCも出来ないからです。
至極ごもっともですね。確かにそうなので、まずはサービスのトラクションを上げることに専念します。

一つ気になっていることは、YCのスキームがアメリカ在住ベンチャーの育成に限定されていること。彼らの考えるベストプラクティスが、シリコンバレーでチームを編成して、シリコンバレーのエコシステムの中で成長を目指すこと、にある以上は仕方ないのですが、CARZYのようにまずは日本でトラクションを作ってから世界展開を目指すビジネスには都合が悪いところがあります。仮にBatchに受かったとして、本当にチームをシリコンバレーに移すのか? 我々の強みは日本国内のコレクタブルカー人脈にあるのですから、今すぐアメリカに行ってもビジネスのローンチは難しい。しかし、本気で世界を狙うなら、どのタイミングであれ、ビジネスのHeadquartersをアメリカに移すことは必要かも知れない。何だか日本企業としてのアイデンティティを問われているようで悩ましいですね。SONYもホンダも日本にありながら世界企業に成長したしな。でもIT業界で日本出身でホンモノの世界企業になった例はまだないんですよね。メルカリはその突破口になるのかどうか。

しかしながら考えることのレベルが数段階上がった気がして、凄い高揚感があります。この楽しみを一人でも多くの日本人起業家に味わって頂きたいなと思っています。

メッセンジャーの翻訳機能

Facebook 自動翻訳 MessengerーFBのMessenger、自動翻訳機能で米国/メキシコ間の言葉の壁を取り払う

いいですね。メッセンジャーの翻訳機能。最近Airbnbを使ってみて関心したのは、これでした。アメリカの物件を予約したのですが、ホストと予約期間や追加料金の発生など一定のやり取りは必要でした。いつもならGoogleなどで毎回テキストを翻訳してからメッセージを送るのですが、Airbnbでは画面にそのまま日本語で打ち込むだけで自動的に相手側の言語に翻訳してくれる機能が実装されています。ただのGoogle翻訳なのですが、これを意識させずに自然に使えるところがさすがです。技術の正しい使い方ってこうだよなと思わせられました。昔からあるのになかなか発展しないのが、この翻訳技術。精度を上げるのは難しいのでしょうが、一番分かりやすい技術の恩恵のカタチです。LINEもこういうところを頑張って欲しい。各社の日本語対応が進む事を願っています。

メルカリ上場の意味

週刊isologue(第480号)上場前後の資本政策(メルカリ特別編その5)

経営者の方には是非有料でもこのコンテンツをお読み頂きたいと思います。メルカリが東証マザーズに上場しました。売り出し価格3,000円に対し、初日の終値は5,300円、これで時価総額7,100億円の企業が出現したわけで、日本にもユニコーンが姿を現したぞという世界に向けてのアピールができたと思います。このメルカリ上場の意味は大きい。
メルカリは一種の奇跡であって、必ずああいった成長ができるとは限らない
というのは事実として認識しておかなければなりませんが、それでも
今どき、イケてる人材が起業すれば10億円超の資金が集められるのも当たり前
になっているのもまた事実。アメリカのベンチャー市場に対して羨む声をよく聞きますが、実は10〜20億円規模のおカネを集めるなら日本の方が集めやすい、という声もあるのです。(渡辺千賀さんの記事を参照) 私たちは日本という守られたマーケットでビジネスが出来ているラッキーさをもっと自覚すべきなのです。

その上で、山田進太郎さんは日本国内での成功に飽き足らず、さらに10倍、100倍の成長を志向して海外に展開しようとしています。その野心が素晴らしい。この人もホンモノです。
特に、シード、アーリー期のスタートアップは「予言の自己成就」が起こりうるところが特徴です。

つまり、「うちはユニコーンになるくらいの大成功をするかも」というのを投資家が信じて、高いvaluationで多額の金額を調達すれば、実際にその調達した多額の資金で優秀な人材を獲得したり、マーケティングを始めいろんな施策に先行投資ができたり、すごいオフィスを作ったり、ができるので、本当にイケてる企業になってしまう(予言が成就する)ことにもなり得ます。
全ての出発点は、志、です。目線を高く持って参りましょう。

WYSIWYG編集の呪縛

実家の農業のウェブサイトを作ろうと、おちゃのこさいさいを使っています。いわゆるCMSツールなのですが、競合サービスとしてはJimdoWixWordPress、国産サービスだとグーペペライチなんてサービスもあります。

サービスの特色は大きく二つに分かれるのですが、一つはWYSIWYG編集タイプのサービス、もう一つは独立編集タイプのサービスです。触って頂くとすぐに分かるのですが、先の例だとJimdo、Wix、ペライチはWYSIWYG編集タイプのサービスです。編集モードに切り替えると、表に見えるサイトの状態から必要箇所をそのまま編集できる作りになっています。これは直感的に対象を触れるので、分かりやすいですね。ただ、少し使い込んでみるとたちまち袋小路に嵌まる感じが出てきます。それはWYSIWYG編集の罠と呼びたくなるところなのですが、用意されている編集機能を超えてカスタマイズしたいと思った時に途端にハードルが上がるのです。WYSIWYG編集も万能ではなく限界がありますから、画面上の編集で対応しきれない領域が必ず出てくるのです。その時にどこから触ったらいいのか途方に暮れる、というのはよくあるパターンだと思います。

おちゃのこさいさいやグーペのような独立編集タイプのサービスは、最初は表示箇所と編集領域との紐付けを理解するのに時間がかかりますが、いったんそこをクリアしてしまうとそこさえ触っていればできるというメリットがあります。どちらがいいのかは難しいところですね。

ビジネスとして評価してみると、この手のCMSツールはマネタイズのカベが高いという難点があります。つまり、ショッピングカートのように商売に必ずしも直結していないために、お金を出して有料のサービスを使おうというモチベーションが高くないのです。現状は無料のサービスがこれだけ沢山出回ってしまっていますので、ユーザーとしてはまずはお金を掛けずにサイトを作ろうと思ってしまいますよね。これはビジネスの落としどころとしてはよくよく考えてサービス設計しないとツラいです。

ショッピングカートとモールのビジネスモデルの違いと同様の構図がCMSの世界にもあると思います。サービス提供型ビジネスの世界における、単体CMSとモール、つまりマーケットプレイスの構図ですね。マーケットプレイス型の代表例がEPARKなのでしょう。飲食はそれだけで大きなカテゴリーなので、食べログやぐるなびが鎬を削っていますね。ここに面白いビジネスモデルの提案余地があるのか、レッドオーシャン化していて幸せになれない領域なのか、見極めが大事です。

CMSツールの世界も奥が深いですね。

Microsoft、やりますね

Microsoft、Officeをメジャーアップデートへ――Fluentデザイン言語を全面的に採用

サティア・ナデラ氏がCEOに就任してからMicrosoftの評判が随分よくなったように思えます。昔は、儲かってはいるけど尊敬されない会社の代表みたいなもので、古くはNetscapeのブラウザー、ジャストシステムの一太郎、と邪魔者を見境なく潰して帝国を築いた悪の帝王みたいな印象でした。多分、ビル・ゲイツは最後までSteve Jobsを羨ましく思っていたはず。IT業界内でのポジションは高くはなく、特にクラウドの時代に以降してからは時代遅れの大企業感がありました。

それが、2014年のCEO交代から雰囲気が変わってきたと思います。Minecraftの買収、Linux Foundationへのコミット、 GitHubの買収、など打つ手がツボに入っている感があります。Ballmerなら絶対にやってないでしょうね。そしてコミュニティの反発も相当だったはず。でも今のMicrosoftならおかしなことはしないだろうという安心感があります。今回のOfficeのデザインアップデートも好印象です。シンプルに、慎重に、というところが好印象で、押しつけがましさがありません。これから新しい世代の製品・サービス群にも大いに期待できそうです。

企業は経営者で大きく変わる。ダメな会社はすぐに淘汰されるので、その会社が存続しているということは、創業者の理念が社会に支持されているということなのでしょう。大切なところは残しつつも、時代に合わせて柔軟にアジャストする姿勢が大事。その意味では事業承継で経営者が交代するというのは、文字通り企業の趨勢を左右します。Microsoftはそれに成功したということですね。中小企業は人材層が手薄なので身内に頼ることが多いのですが、これから日本中で事業承継の機会が増えていきますから上手く乗りきりたいものです。ある意味、飛躍するチャンスでもあるのですから。

シリコンバレーというメジャーリーグ

昔、そうあれは2003年あたりでしたか、おちゃのこネットの準備中にビジネスモデルへの意見を求めて東京のキノトロープの生田さんを訪ねたことがありました。値付け、つまりマーケット内でのポジショニングについてダメ出しされて落ち込んで帰ったのをまだ昨日のことのように思い出しますが、その時に言われたのが「東京って日本中からエースで四番が集まるメジャーリーグなんだよね」というセリフでした。そうか、神戸や地方でやってるのとは次元が違うんだな、なんて東京への憧れと畏怖の念を抱いたものでしたが、それは大きな間違いでした。

北米ベンチャー探索・評価 応用編セミナー@大手町

こちらに参加したのは、渡辺千賀さんに会ってみたかったからw 奥本直子さん共々、とてもチャーミングな方でした。

そもそもこのセミナーはアメリカのベンチャーマーケットに投資をするVC向けの内容なので私が参加するのは場違いなのですが、北米ベンチャーマーケットの空気感と実際に投資をしているVC各社の担当者さんの雰囲気が知れて面白かったです。

そこで千賀さんに言われて印象的だったことを幾つかご紹介。
アメリカと日本ではベンチャーマーケットの規模感が全然違う。例えるなら、日本が小川でアメリカはナイアガラの滝。どんどん目の前を凄い勢いで沢山のベンチャーが流れて行くから、個別に品定めをしているヒマがない。効率的にフィルタリングする仕組みが必要。
そしてアドバイスを頂きました。
Y Combinatorに応募してみたら? 日本人で受かったのは過去一人だけだけど、もし入れればそれだけで五段抜きの効果があるよ
なかなかのハードル上げっぷりですねーw

勿論Y Combinatorの存在は知っていましたし、Airbnbが成功したのもYCの指導があったからなのですが、私には縁遠い存在でした。その唯一の日本人がこの方。

「お前、おもしろいからウチに来い」 ホームレスから日本人初のY Combinatorへと転身した起業家の壮絶人生

福利厚生提供サービスか。全然考えませんでしたね。日本とヨーロッパで成功しているのにアメリカにイケてるサービスがなかったのだとか。そんなパターンもあるんですね。もう一人日本語のできる外国人さんがYC出身らしいのですが、そちらはSEO会社だと聞きました。

YCのパッケージはこちらに紹介があります。

Yコンビネーターの合格から最終プレゼンまで

これも珍しいネタでもなんでもなくて、色んな本に書いてあります。YCの基本パッケージは、

 ・概ね2万ドル前後の投資で株式の6%程度を取得
 ・創業メンバーが三カ月シリコンバレーで直接指導を受けること

というものです。半年に一度のペースでピッチが開催されていて、今は2018年夏(7・8月)の開催待ちですね。さてどうしましょうか。ダメ元で申し込みだけしてみましょうか。受かったらシリコンバレーに行かないといけませんが、既に締め切り過ぎてるし、受かりませんよねー(逃げ道用意w)

Y Combinator : Apply

ホンモノの世界のメジャーリーグは、アメリカ・シリコンバレーだったのだというお話でした。(to be continued...)

ブロックチェーンの未来

ブロックチェーンによる新規事業開発

知人が主催してくれたセミナーに参加してきました。国内のブロックチェーンに対する最新の知見が得られてとても有意義でした。国内有数の規模でICOしたALISの安さん、中部電力、富士通、Amazon、という登壇者の顔触れは今の日本で一番詳しい方たちなのですから、これが日本の最前線です。しかしながら正直申し上げて、アプリケーションはまだ全然ダメです。「それ、ブロックチェーンを使う意味がありますか?」と尋ねたくなるものが多かったです。

この先のビジョンはまだ誰にも見えていないのかも知れなません。インターネットの世界における下位レイヤーが実装されつつある段階で、ブロックチェーンの価値を体現するアプリケーションはまだこれからなのだとAmazonの塚田さんが語っていましたから、そうなのかも知れない。実は皆の期待通りには立ち上がらないかも知れない。それでも登壇者はディスラプションの可能性をポジティブに信じていました。(セミナーの最後に私が質問しましたw) 私が考えるビジョンは、芝麻信用のモデルです。

「信用」が中国人を変えるスマホ時代の中国版信用情報システムの「凄み」

個人を中心にした社会モデルの実現。その基盤がブロックチェーンなのなら、確かにインターネット以上のディスラプションなのかも知れない。少し気持ち悪いところもありますが、それでも組織から個人へのパワーシフトは止まらないと思いますし、最終的に個人ベースに価値が収斂していくのは正しい流れに思えます。

今は仮想通貨で手っ取り早く儲ける怪しい輩が跋扈していますが、こんな状態が続くわけがありません。私はまともなブロックチェーンの使い方を探っていきたいと思っています。