フランスvs.クロアチア

ワールドカップの決勝戦は、フランス対クロアチアという組み合わせになりました。これ、なかなか対照的で面白いカードですね。フランス代表は70%が移民の出自、対するクロアチアは歴史的に純血集団。グローバリズムとローカルの戦いみたいな側面もあって、どちらが勝つのか興味津々です。

今は多様性とかダイバーシティの重要性が喧伝されていて、移民の導入で活力を取り戻せという論調をよく見かけます。しかし天の邪鬼な私は、本当にそうだろうか、と疑ってしまいます。確かに、偏った価値観しか持ち合わせない集団と多様性を備えた集団が戦えば、多様性集団の方が強いでしょうね。しかしながら多様性は質のバラつきというマイナス要素がついてきます。アメリカが典型で、圧倒的に質の高い人材がいる代わりに、社会は荒れるんですね。日本はこれを真似すべきではないと思っています。

女性が深夜に独り歩きできるのは日本くらい、とよく言われます。海外旅行をすれば誰もが日本の治安の良さを再確認しますよね。この良さは、一度失われると二度と戻らないのです。安易な移民受け入れは日本社会の良さを壊してしまうという危惧を抱いている人は多いのだと思います。

では、どうするのか? 私は、多様性とクオリティの両立は追求できるんじゃないかと考えます。日本社会の質を落とさずに、活力を取り戻す。それをもたらしてくれるのが、情報化なんじゃないでしょうか。つまり、物理的な国境を越えて人が移動しなくても、ネットワークでグローバルに繋がるチームの編成。これができれば、いいとこ取りができると思うのです。これが働き方改革の真の理想形で、日本が国をあげて目指すべき方向性だと思います。

場所に縛られずにITを賢く使う、組織よりも個人を尊重し多様な価値観を認める、食べるために嫌々働く仕事から楽しい自己実現への転換、国境を越えて繋がる個人の時代。なんだか新しい時代の風を感じませんか? この21世紀型の働き方を、進んでいる会社は先取りしつつあります。サイボウズ、ZOZO、リクルートなんかがそうですね。これは経営者に決定的な価値観の転換を求めますから、対応は簡単ではありません。でも未来はこの先にしかない気がしています。先んずればすなわち制す。前に進む勇気を持ちたいですね。