老害

下記は少し前にFacebookに投稿したものです。
私は常に新しいものを評価するようにしています。単純に新しいものが好きということもありますが、自分が毎年歳を重ねるにつれ、老害と言われる年代に差し掛かりつつある自覚があるからでもあります。誰しもがいつの間にか自分の体験の枠から出ることを避け、価値観が固定化されていきます。それは致し方ないことではあるのですが、周囲の環境、時代背景は必ず変化します。進取の気性を失った時、人も会社も老いるのだと思います。私は常に瑞々しさを失わない活力に満ちた会社であり続けたいと思うのです。



新しいモノやサービスは使ってみる、提案に耳を傾ける、人の話はまず聞いてみる。そういうことを大事にしていきたい。それが誕生日を迎えるにあたっての抱負です。来週、51歳になります。目標の期限まで、あと19年。
若い社会人やスタッフ、思春期の息子とぶつかる度に、これがジェネレーションギャップというやつかも知れないなと感じます。怖くなります。自分が忌み嫌っていた頭の固い老害に自分が陥っているのかと思うと、自分の判断に自信が持てなくなります。だからこそ、人の話に耳を傾ける姿勢は絶対になくしてはならないと自分に言い聞かせています。



しかし、ものごとは誰かが責任を取らねばなりません。多数決で会社を運営していくことは出来ないと思っています。どんなに大きな組織でも、最後は個人が主体的に判断して決断する。それが当然だと思います。私に出来るのは、可能な限り衆知を集めて最善の決定を下すこと。それしかありません。本当に自信が持てなくなった時が、引退の時です。
"Here lies one who knew how to get around him men who were cleverer than himself."(Andrew Carnegie)

大企業の倒し方

ヤフー川邊氏があえて教える「大企業の倒し方」 ベンチャー企業が取るべき3つの戦略を説く



要約すると下記の三点がポイントになります。



1.リソースを局地戦に集中投下

2.情報を隠しながら成長せよ

3.尖った人材を集める



全てごもっとも。自分達が勝てるように領域を設定するのは戦略の基本です。実は一番重要で、かつ難しいのは三番目の尖った人材を集めることかも知れません。実績もお金もない初期のベンチャーは、結局のところ創業者の人間的な魅力で人を惹き付けるしか手段がないのです。だから実は初期の創業メンバーが大事になるのですね。



世界がフラット化している、というのもその通りで、以前はトヨタ・ホンダ・松下・SONYといった大企業に成長するのには数十年単位の時間が必要でしたが、今は数年で上場が可能になりました。小資本で短期間に成果が出るとてもチャンスに恵まれた時代に生きれて我々は幸せです。智恵とスピードで勝負。一丁、やってやりましょう!

喜怒哀楽

人間の感情の喜怒哀楽のうち、一番強い感情は怒りだと思います。怒りは上手くコントロール出来れば強いモチベーションをもたらしてくれるドライバーになるのですが、往々にしてトラブルの元となります。私自身、この怒りの感情に振り回されて随分周囲に迷惑を掛けてきました。なかなか厄介なこの怒りの感情をなんとかてなずけるための手助けになるかもしれないのがこの本です。



ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?



人の思考には二種類あり、システム1が直感的な反応、システム2が理性による論理的思考。人は往々にしてシステム1に支配されて、感情的に不合理な判断をしてしまう。確かにその通りで、目の前のできごとに感情的に”反射”してしまうから理性的に振る舞えずに失敗してしまうわけですね。感情の波に襲われたら、そこで一旦踏み止まってその感情を飲み込む。で、一拍おいて、自分の中の冷静な思考を引き出す。システム2の発動を促すわけです。この仕組みを理解出来ると、自分の感情の動きを俯瞰で見れるようになり、コントロールする余裕が生まれます。



と言いながら、まだまだ感情的になる場面は多々あるわけですが、少しでも理性的で温厚な対応ができるよう努力していきたいと思っています。懐の深さってそういうところから生まれるものなんじゃないかな。

再出発

こちらは四年ぶりの更新になります。詳細は控えさせて頂きますが、この間多くの皆さまにご迷惑とご心配をお掛けしましたこと深くお詫び申し上げます。



この四年、沢山の事を考えました。責任の取り方、償いの道、生きる意味、今後の身の振り方、人生の目的。そして、家族のこと、会社のこと、友人・知人のこと。持て余すほどの時間を前に、ひとつひとつに向き合い、自分なりに答えを出してきました。難しい問い掛けもあり自分で答えを出しかねるものも多かったのですが、それでも問題から逃げずに向き合おう、前に進もう、建設的な答えを出そう、そう考えて日々を送って参りました。見えていなかったものが段々見えて来たような気がしています。



どうしてこうなってしまったのか、私に足りなかったものは何なのか、随分考えました。結局のところ、”志が足りなかった”、ということではないのかなと考えています。目指すべき山を見失っていた、いえ、目指す山を設定していなかったことが自分の中途半端さを招き、謙虚さをなくし、道を誤った。全ての根本がそこに集約するような、そんな気がしています。



そして今、再出発にあたり、今後の目標設定をしました。「70歳の誕生日までに一兆円評価の企業をつくる」 数字の意味も簡単な目標でないことも重々承知です。それでも登る山の高さをイメージしビジョンを共有するために明確なターゲットを設定して、ゴールから逆算して組み立てることが大事だと考えました。それだけの大きなインパクトを周囲に与えたいのです。私に残された時間は多くはありませんから、背水の陣を敷いて有言実行で臨みます。



人が頑張るモチベーションって自分の損得勘定だけではたかが知れてると思います。周囲の人を幸せにする。家族、スタッフ、友人、お客さまを笑顔にする。そんな熱意が周りに伝わり、人々を巻き込んで大きなうねりを生み出していく。大きな仕事はそんな風にして形になっていくものなんじゃないでしょうか。



誠意は口先ではなく行動で示すもの。どうぞこれからの私の振る舞いをご覧頂きまして、叱咤激励頂ければ幸いです。