人・モノ・カネ

昔から経営の三大リソースでしたが、今や全ての産業が頭脳集約型に移行しつつある現代では課題が優秀な人の確保に集約されている気がします。モノを作るプロセスは分業化されてアウトソーシング出来てしまうし、カネは余っていますからね。その意味では採用を支援するHR系の会社やサービスがもてはやされるのは当然と思えます。



関西はずっとエンジニア層が薄くてどこも採用に苦労していましたが、最近は関西に拠点を作るIT企業が増えてきており活気付いています。



IT大手、関西で増員 サイボウズは倍増



(Yahoo! JAPANは)大阪に新たな開発拠点を開設、 東京本社に続きコラボレーションスペースの設置とフリーアドレス制を導入



「LINE」が京都に研究開発拠点設立へ…来春めど、AIなど最新技術の研究加速



多分今まで関西出身のエンジニアは、関西に戻っても東京と同等の仕事があるかどうか不安だったと思います。それがこういった知名度の高い企業が関西に拠点を作ってくれれば安心してUターンを検討できますから、関西に人材を引き戻すという意味では全てのIT企業にとって朗報だと思うのです。大手と取り合いになって勝てるかという懸念もありますが、まずは人がいなければそもそも採用できないわけですからね。関西のパイがデカくなるのは歓迎です。



その中でどうやって自分の会社に人を呼び込むか。一番は将来性ですかね。その会社に入って将来を夢や明るい展望をもって働けるか。自分の人生を、例え一時期にせよ託すわけですから、これが最も大切なポイントだと思います。だからその会社にどんな人がいるのか、どんな人と一緒に働けるのか、顔が見える経営をしている会社は強い。次善策としては外から見える仕事で判断するしかないのですが、キーマンを知っているというのは強力な吸引力になります。



二番目は何だろう。カルチャーですかね。一番目のどんな人がいるかに大きな影響を受けますが、どんな雰囲気で、どんな体質で、どんな文化で動いている会社なのかも気になりますよね。これは本人との相性もあるし、実際に入ってみないと分からないところも多いのでマッチングがなかなか難しいポイントでもあると思います。発信力のある会社は強い。



だから一般的に募集側が気にする給与や待遇って、企業側が思っているほど影響ないんじゃないかなと思いますね。どうでもいいという意味ではなくて、ちゃんとしてるのが当たり前。その前提で、上記の一番と二番がどうか、そういう選ばれる意識が薄いといつまでもミスマッチが解消できないと思います。昔みたいに企業側が強くて労働者が弱いなんて構図は、ことIT業界においては過去の遺物です。ウチも良い人材の確保がこれからを左右する大事な経営要素だと思っていますので、何か工夫をしないといけません。智恵を出さねば。

Yahoo!の爆速経営に学ぶ

ヤフー新体制へ——副社長の川邊氏が代表取締役社長CEOに内定、宮坂氏は会長に



”爆速経営”を標榜しているYahoo!が社長交代だそうです。経営体制の変更も爆速ということなのでしょうね。正直、宮坂さんの打つ手は脅威でした。Yahoo!ショッピングの手数料無料化は大きなインパクトで、これで採算が取れるのかと疑問でしたがきっちり収益化の見通しをつけましたね。(参照) このスピード感は見習わないといけないと思っています。



では何を見習うのか。実務作業の速度を会社に求めると、労働強化でスタッフが疲弊する方向に行くと思います。大切なのは判断の速さなのでしょうね。正しい判断にいかに迅速に到達するか、これが肝。しかし往々にして我々は自信のある答えになかなか辿り着かず、迷い、逡巡してしまいます。どうすべきか。最近見かけた大前研一さんの言葉をご紹介します。
自分の感覚で「この結論で絶対に間違いはない」という信念を持つまでは、足を棒にして歩かなければならない。実際に私は、企画室の中で数字を見ながら結論を出したことは一度もない。
机の前で考えてないで、情報を求めて歩け、と。確かにそうです。恐らく正しい答えだと確信が持てないのは、まだ情報が足りていないからなのだと思います。だから自信を持てるだけの情報を求めて現場を歩き、人に意見を聞き、インプットを増やさなければならない。



もう一つ大事なのは、こうやって一旦決めたら実行してみる、ということでしょうね。間違っていることに気付いたら修正すればいい。徒に時間を掛けすぎて機を逸するのが一番怖い。「変化しないことが最大のリスク」を肝に銘じたいと思います。

経営に関するセオリーG

プロフェッショナルマネジャー



この本はユニクロの柳井さんが薦めてたので読んだのですが、冒頭から衝撃を受けました。
本を読む時は、初めから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをする
一番の私の弱点をズバリ指摘された気がしました。そう、私は目標設定というものを避けてきたのです。自分の行動を数値評価されるのが怖かったのかもしれません。実際昔読んだ「ビジョナリーカンパニー」に
成功企業は、「だれを選ぶか」をまず決めて、その後に「何をすべきか」決める
なんて書いてあったこともあり、目標については厳密に決めずに、その時その時の成り行きで最適解を見つけていけばそれでいいんじゃないかと思っていました。しかしこの本は一刀両断に切り捨てます。経営は逆算だと。



「いつも心は折れそうだけど」 柳井正氏の自分論



随分前に読んだこの本の事を思い出したのは、上記の記事を見かけたからです。(ちなみに日経の本紙よりもネットの記事の方が詳しくて省略されていないのでオススメです。) ここで柳井さんは改めてこう語っています。
経営は、最終ページから本を読むのと同じです。つまり、結論が先というか、何をするのか決めて実行することなんです。非常に単純ですが、実際に自分がやっていなかったと気がついた。というのはね、日本人はほとんどそうだろうけど、毎日努力してたらある程度成功する、と思うでしょう。でもね、努力してても、努力の方向性が違ったらダメ。成功しないの(笑)。同じところを回っているだけ。結局、あなたは何がしたいのか、人生をかけて何がしたいのかが決まらない限り、ビジネスはうまくいかないと気付いた。それからです。ちょっと経営が分かってきたのは
やはり逆算が大事だと言っていますね。人生の目標を先に決めるべき、と。私がこれに気付いたのは最近のことです。遅ればせながら人生の目標設定をしてみて、確かに必要なことだったなと実感しています。



私が思うに、「月に行こう」とケネディが言わなければ、アポロ計画もなく、人類の月到達は大幅に遅れていたはずです。宇宙航空開発の現状路線踏襲でも、いつかは月に行っていたかもしれない。でもそれはこんなに早い時期ではなかっただろうなと。チャレンジングな目標を設定して、メンバーを巻き込んで達成に向けてチームをドライブする。それがリーダーの役割です。調整型のリーダー像というのもあるだろうけど、私は強力なリーダーシップがあってこそのリーダーだと思うので、ハロルド・ジェニーンのセオリーG(GeneenのGです)が心に響きました。



達成した時にこころからの満足が得られる、考えるだけで心が震える、そんな目標を立てることはとても意味があることだと思います。日常に何となくマンネリ感を覚えている方、試してみては如何でしょうか。

本の効用

時間があるはずなのに、本のストックがどんどん溜まっていきます。自分の日常を振り返るとやはりスマホに無駄に時間を使っている。ニュースやSNSのチェックをしないわけにもいかないんだけど、どこかで歯止めを掛けないと際限なく小さなスクリーンに向かって時間を浪費してしまう。



紙の本が売れなくなってるけれども、依然として本の効用は失われていないと思います。やはり始めと終わりが明確で、まとまったパッケージの形で一つの知識を整理してくれているのは、体系的な知識の獲得と整理に有用だと思います。これがWebだとどこからどこまでがひとかたまりなのかはなはだ分かり難く、終わりがない。だから頭の中にはっきりとした知識の地図が出来にくいと感じます。やはり優れた著者と編集者が頭を捻ってコンテンツを吟味、編集してくれたまとまりに意味があるのだと思う。それが技術解説であっても、経営書でも、歴史や哲学などのリベラルアーツ系の読み物であっても。



多分意識して読書の時間を確保しないと本は読めないと思うので、少し時間の使い方を変えようと思います。まずはFacebook見る時間を減らすところからかな。

2018年の抱負

皆さま、明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。年始にあたり、2018年の抱負を記しておきます。「百聞は一見に如かず」と言います。これには続きがあるそうですね。
百聞は一見に如かず

百見は一考に如かず

百考は一行に如かず

百行は一果に如かず
聞くより自分の目で見よ。そして考え、行え。大事なのは成果である。結果が何より雄弁に語る。そう解釈しています。



今年は成果を出す年です。言い訳の無いよう、自分を追い込んでみます。