大阪都構想、前進

大阪に特別区を設置する「大阪都」関連法案が可決されました。これで大阪市と大阪府の二重行政の解消を目指し、新しい地方行政の在り方を模索する橋下市長の改革が前進する事になります。原発対応とか、エキセントリックなリアクションとか、橋下さんには心配したくなる点も多々ありますが、これだけの突破力のある政治家は中央にも見当たりません。ここは彼の手腕に期待して任せてみるしかないでしょう。一番気になるのは、経済政策の手腕が未知数である事です。どうみても橋本さんの経済関連の知識は薄く、それを補うべきブレーンにも問題が多い。まともな右腕を確保して、地方経済に未来が見えるよう地盤改良をしてもらいたいものです。



神戸はなかなか次の展望が見えませんね。樫野さんに期待しているのですが、神戸市長選挙は2013年の11月。まだ少し先です。地元経済の活性化策についていつも考えているのですが、神戸の売り物ってつまるところ”イメージ”なんですよね。お洒落、港町、スイーツ、などなど実態があるようなないような微妙なものが神戸の武器なんです。一番手っ取り早いのは観光客の誘致なんですが、実は改めて見てみるとそれほど観光客に訴えかけるだけの観光リソースがありません。友達を観光に案内するとして、連れて行く先結構困りますでしょ? となると、観光名所を作るのが先なんですよね。そんなの後から無理矢理出来るのか? 出来ます。それが樫野さんが押す「フィルムコミッション」です。皆さんも、映画やドラマで使われた有名な場所や施設を見に立ち寄ったりしますよね。多分過去最大級の成功例は「ローマの休日」だと思うんですが、スペイン広場とか実際に行ってみるとどうってことない場所なんですよね。でも大勢の人が目を輝かせながらあの階段で記念写真を撮っている姿を見ると、映画の持つソフトパワーは凄いと実感します。今さら工場を誘致して経済を底上げする時代ではないので、こういうお金を使わない活性化策というのが大事なんだと思います。



東京に偏った発展は決して日本の為になりません。地方がバランス良く、それぞれの良さを出せるように、というのがEC事業に携わる私の想いでもあります。大阪都が、その契機になりますように。

振り返る勇気

前澤です。



ZOZOTOWNで買い物したことはないんですが、ECの有名サイトとして成功されていますよね。直近の決算で数字が思わしくなかったことも聞き及んではいましたが、上場企業のトップとしてこうやって赤裸々に反省を表明するのは勇気が要ることだと思います。会社が大きくなって、従業員が増えて、トップがどんどん現場を離れると色んな事が悪化していきます。規模の大小に拘わらず、トップが常に自戒すべきポイントだと思います。



いつも自分に言い聞かせている言葉。「オヤジさんが自分で焼いている焼き鳥屋は潰れない」

成果に理由あり

ジョブズの数々の驚異のプレゼンをプロデュースしてきた幹部が解雇を不当としてAppleを訴える



ほー、Jobsにはプレゼン担当幹部なんてスタッフが居たんですね〜。あの驚異のプレゼンはやっぱりこういう影の努力と仕込みあってこその賜だった訳です。何だか納得。しかし、あれだけ成果を上げた仕組みを解消してしまうとはAppleは何を考えてるんでしょうか。まあ誰もJobsの代わりは出来ませんから、割り切っちゃったのかな。楽しみが一つ減った気がします。思い出して何度も見直してしまう、あのiPhone発表キーノートはこちら(Macworld San Francisco 2007 Keynote : 07/1/9)。

国際化 = ローカル化、なのでは?

こちらで、こんなやり取りを見掛けました。
ちなみに、うちの冷蔵庫には「扉を開けても庫内電気が点灯しない」というsabbath modeがある。ユダヤ人でも週末使えるように工夫されてるそう。Panasonicにできるかなw
ほ? 冷蔵庫のドアとユダヤ人に何の関係が? と思って調べたら、安息日に関する話なんですね。
イスラエルでは、シェバト(シャバット)には機械の操作や火を扱うことができない(『出エジプト記』35章3節)とされている。このため、厳格なユダヤ教徒は金曜日の日没前までに食事の支度をし、安息日である土曜日は調理を行わない。また、国内ではユダヤ・アラブ間における「共存」を目指しているとされているハイファ、ならびにアラブ系イスラエル人の都市や村落などを除きバスや鉄道など公共交通機関はすべて運休するうえ、国営航空会社もすべての航空便の運航を停止する(ただし、「シェルート」という乗り合いタクシーは、上述のハイファだけではなく、テルアビブやベングリオン国際空港などにおいても運行されている)。スポーツ界では、国際大会に出場予定だった選手が、競技の日程が安息日と重なったとして欠場したケースもある。シャバトになるとエレベーターが各階停止の全自動運転になるところがある。これは「ボタンを押す」ことによって電気スイッチ内に火花が飛び「火を灯火する」ことを避けるためである。また同じ理由から電話番号を音声認識する「コーシェル・フォン(シャバットフォン)」なる電話機も存在する。
う〜ん、全然知らんかった…。
「何もしてはならない」の範囲は宗派によりかなり差異があり、ユダヤ教では基本的に厳格であり、家事を含め日中は一切の労働を行わない。人命の救助など緊急の場合には安息日でも労働を行ってよいとされているが、教義に厳格な人々からは非難され救急車に投石されることもある。
とかはちょっと極端な気がしますが、かくも国によって常識というのは異なるのですね。確かにPanasonicにここまでの対応が出来るとは思えないw



で、考えるのは、グローバル化とは何か、という事です。何となく単一のシステム・仕組みがそのまま世界中で使われる事、みたいに理解しがちですが、事実は全くの逆なのではないでしょうか。つまり、限りなく存在する各国・各文化へのローカライズ対応を細かく拾って行ったもののみがそのマーケットでシェアを取り、定着する。結果的にそのサービスが世界で広まることをグローバル化と認識しているのではないでしょうか。



これ、現実的にはかなり困難な事であることは皆さんお分かりですよね。凄いリソースのある大企業でない限り、そんな労力を掛けているわけにはいかない。いや、大企業であっても手間を掛けすぎてはスピードでローカルサービスに負けてしまう。ではどうするか。そういう細かいカスタマイズを吸収するような柔軟性をもった仕組みを最初から設計しておく事なんでしょうね。つまり、プラグインや外部アプリ等にAPI的なものを提供する事で、末端の細かい仕様をユーザーサイドで付け足せるようにしておく。Facebookなんかはそうなっています。



自分達の仕様に胡座をかいて、受け入れられないのをマーケットのせいにしていては永遠に市場を取る事は出来ません。アメリカの自動車産業とかが典型でしょうか。ウチのサービスに取り入れるには根本的な設計変更が必要なので、ちょっと難しいですが…。ある程度利用シーンを想定して、仕様を制限しながら必要な機能はオフィシャルに提供するメソッドで行こうと思っています。

スペイン雑感

例によって長い夏休みを頂いていましたが、通常業務復帰です。



スペインに行っておりました。これでヨーロッパの主要先進国は大体廻ったことになります。感じたことを適当に羅列。



・思ったほど治安は悪くなかった。それでも不審な男にぴったり後ろに付かれたり、白昼堂々の泥棒(帽子を落とした振りして足下のバッグを奪う)を見掛けたり。観光客の多い有名スポットでは要注意。



・思ったよりよく働くスペイン人。偏見かもですが、もっとラテン気質でサボってるのかと思いきや、割とテキバキ。しかもフレンドリーで融通利かせてくれたり、好印象。一度だけあまりに遅いレストランで注文キャンセルしたくらい。



・物価は安い。ホテル代も食事もタクシー代も、体感では他のヨーロッパ先進国の半値近い。バカンス先として人気なのは、イスラムカルチャーの混じった異文化ムードとこの物価安が原因と感じました。



・食事が思ったほど美味しくない。私見では大いなる田舎料理。フランス・イタリアの方が遙かにレベル高い。イベリコ豚は美味しいけど、ビーフがまずくて驚いた。基本的に味が濃いので、口に合わない人は苦労すると思う。



・通信環境はあまり良くない。けれどこれはヨーロッパの他国もアメリカも同じ。日本(と恐らく韓国)が異常にブロードバンド大国。どこのホテルも頑張っても数百kbpsしか出ない。



・高速は概ね空いてました。巡航速度は140km/hくらい。(制限速度は120km) レーダーもスピードカメラも少ないので飛ばせるんですが、割とマナー良かったですね。経験では一番飛ばすのはドイツ、次いでイタリア。スペインとイギリスが同レベルで、フランスは遅い。アメリカは取り締まりが厳しいので、制限速度に近い流れ方。ETCは殆ど普及していない。街中の停め方がハードなのはヨーロッパはどこも同じ。小型車とワゴンが目に付く。タクシーはプリウス率高し。これも他国同様の傾向。



・どこでもFacebookが使われているのかと思ったら、スペイン語圏ではtuentiってのがメジャーなんですね。Yelpのレビュー数も少なくて、やはり英語圏とはサービスの普及に大きな違いがあります。ワールドワイド=英語、って思っちゃいますけど、世界は思った以上に多様なんですよね。言語と習慣のカベは大きい。市場の攻略は一筋縄では行かず、先にシェアを取ったものが勝つんですね。



脈絡ありませんが、こんなところで。モントレーにはスタッフさんに代わりに行ってもらいました。こちらはCARZYの次号でご紹介出来ると思いますので、お楽しみに。