「フューチャリスト宣言」

フューチャリスト宣言」を読みました。

この本の一番の良さは、未来に対する明るいポジティブな態度です。

他人のやることにシニカルに批評を加えることは誰にでも出来ます。

一件賢そうにも見えるでしょう。

でも、何かを褒める、スゴイと人に勧めることは勇気が要ります。

そこに自分の価値観やポリシーが出るからです。

その意味で、注目度も高い二人がこれだけネット社会の未来について前向きな展望を語ってくれることは、すごく勇気づけられる行為です。



以下に印象的なメッセージを引用。

・未来は予想するものではなく、創り出すものである

・ネットはSerendipity(偶然の出会い)を促進するエンジンでもある

・インターネットは、人類史上、おそらくは「言語」が獲得されて以来最大の地殻変動



・結局教育って、ポジティブなものを与えるということ以外に何の意味もない

・リアルで満足度の高い人ほどネットに関心を持たない

・人間の成長を分ける大きな分水嶺は、偶有性をどう受け入れるかということだと思う。成長する能力のある人というのは、自分にとって痛いこと、つらいこともきちんと受け入れて、それを乗り越えていける人だと思うんですよ。

・要するに、オープンにして偶有的なプロセスでやっていかなければ、生命体の成長ということはありえない

・インターネットって、生命というものがどう進化してきたか、という生命原理に近い事象を、人間の脳とか情報の領域におこすツールという感じがしている

・生命原理に沿うということが間違いであるはずがありません


最近、ネットに関する新しいネタが少なくて、ネガティブな面が多いなあと感じています。

それは今が、Googleが出現して、ブロードバンドインフラが整い、CGMメディアが普及するという技術の進展が小休止して、ネットという新しいメディアとの付き合い方、法的整備、価値観の再編成、といったアジャストが進行しているフェーズなのでしょうね。

一段落すれば、また新しい技術の登場と見たことのない局面が現れることでしょう。



だって、まだネットが登場して12年しか経っていないのですから!