テレビCMが本当に崩壊している

テレビCM崩壊」という著作がマスメディア界で非常に注目されているのは以前に紹介しましたが、その著作の主張を裏付けるエントリーが現れています。



マス・マーケティング崩壊の足音が聞こえる



↑によれば、新聞広告は前年比1割以上の率で減少しているとか。

で、事は既存のマスメディア対検索キーワード広告という見えにくい水面下の争いだけではなく、もっとはっきり目に見える形で進展している様です。



TVCM枠販売の新興企業Spot Runner、4000万ドルの追加融資を獲得



↑こちらによれば、多チャンネル化の進んだアメリカでは、既にCATVのスポット広告が場合によっては30秒をたった18ドルで購入できるとか!

2,000円でCMが出せるんですよ!!



限られた電波を免許で保護し、更に大手広告代理店というフィルターを通してしか流通しなかったCM枠が一気にネットの世界に流れ込んでいるのです。

マス・マーケティングが崩壊している、というのは決して誇張でも何でも無いですね。



逆に言うと、皆に手の届く距離に落ちてきた分、活用の仕方には知恵が要求される訳です。

規模の大小ではなく、アイデアと行動力で勝負できる世の中にどんどんなってきているのは、持たざる者にとってこの上無いチャンスです。

何てやり甲斐のある時代なんでしょうか!(^^)

GoogleのYouTube買収に見る日米比較

今日は、YouTubeがGoogleに16億5千万ドル(邦貨換算で約2,000億円)で買収された日として、語り継がれる日になるでしょう。

恐らく日米共にITに携わる者の最注目ニュースです。

本件を、ただスゴい金額の買収だとか、著作権のグレーゾーンをどう処理するのか、といったネガティブな見方だけで捉えるとその重要性を見失います。

背後にあるのは、



GoogleがYouTube買収!!! 圧倒的に正しい戦略が迅速に執行されたのだと評価する



十二年間の最大の変化 それは「強靭な胃袋」の定着



上記の梅田望夫さんの二本のコラムにあるように、GoogleというWeb業界の怪獣の思考回路の進歩、及びシリコンバレー企業の持つ”異なる遺伝子の企業を取り込んで自社の強みとする”多様性に注目すべきです。



どうしてアメリカでばかりこういう企業や出来事ばかりが起こるのか。

どうして日本ではいつまでもホンモノのベンチャーが育ってこないのか。



日本の問題は、ベンチャーマインドの貧困さに起因するところが大きいですが、現状の株式市場の制度に欠陥があるのも皆さんお分かりでしょう。

これも既に梅田さんが指摘済みです。



制度設計側が是正すべき一般投資家のリスク過重



 では日本のこの現状の何が問題なのか。

 この仕組み全体の関係者が取るリスクと得るリターンのバランスが、株式公開前の関係者にやさしく、株式公開後の関係者に厳しくデザインされ過ぎていることなのである。そしてこれは、起業家のモラルによる解決を期待すべき問題ではなく、制度設計側の責任で是正すべき問題だと私は考える。

 ところで「売上高を数億円規模から数十億円規模へと伸ばす」期間とは、ベンチャーが「まだどうなるかわからない危なっかしい存在」から「真の公開企業」へと脱皮するための「最大の難所」である。

 今の日本の仕組みの最大の問題は、株式公開前の関係者が「早すぎる公開」によって先にハイリターンを確定してしまい、「最大の難所」を乗り切るリスクを、公開以降に投資した一般投資家に負わせているところにある。




これが今の日本の新興市場上場企業に感じるうさんくささの元凶ですよね。

どうなる分からない段階の企業なのに、当事者達だけ良い思いをして投資家は馬鹿を見るだけ、という不健全な状態は正さなければいけません。

話しは簡単で、上場に際して売上を数十億円規模要求すれば良いんですよ。

これだけで随分選別が進み、その時点である程度社会的に認知されている必要な企業だけが残ると思います。



健全なルールが出来ないと、プレーヤーも育ちませんからね。

Napsterが定額制音楽配信スタート

Napsterが月間固定料金による定額制の音楽配信サービスを本日より開始しましたね。



一度はWinMXやWinnyに始まる無料ファイル交換ソフトのブームを引き起こしたNapsterが、著作権保護の壁を乗り越えられずに破綻したのはご存じの通り。

それが、音楽業界とオフィシャルに手を組んで復活してきたのが面白いところです。



ネット接続にしてもそうですが、従量制のダイアルアップが定額制のブロードバンドに変わり、ネットの使い方の質そのものも変えてしまいました。

Napsterも音楽の流通へのインパクトは実はiTunes Storeよりも大きいかも知れません。



音楽コンテンツについては、新しいデジタル流通のプレイヤーがほぼ出揃った感があります。

次はYouTubeやGyaoに代表される動画コンテンツの流通がどうなるかですね。

2006年はデジタルコンテンツ配信の転換期として記憶されるべき年なのかも知れません。