「想い 三茶の焼肉、世界をめざす」

・「想い 三茶の焼肉、世界をめざす

ウチのアルバイト君が泣けた、と薦めてくれたので読んでみました。

39歳(私と同い年ですね!)にして年商3,900億円を誇る牛角でおなじみのレックス・ホールディングス西山社長の半生記です。



確かに冒頭の妻への想いの部分は、私も家族が最も大切な絆だと考えていますので泣けます。

が、後のビジネスに関する部分は冷静に読めました。



家庭環境(特に父親の事業)の影響と、創業の経緯、そして飲食業への進出動機など赤裸々に綴られています。

マクドナルドをお手本に、初期の段階からFC展開を視野に入れた標準フォーマット作りの戦略は見事にヒットしました。

安くて、旨くて、サービスが良いお店を作る。

誰もが考える事ですが、殆どのお店が失敗する中どうして牛角は大きくなれたのか、飲食に携わる方でなくともご一読を私もオススメします。



ただですね、事業の展開については幾つか疑問も感じました。



・どうして上場ありきなのか?:個人的には、上場が目的であってはダメで、必要な目標達成のための手段であるべき、と思います。



・どうしてコンビニ(ampm)・高級スーパー(成城石井)のM&Aが必要だったのか?:ampmと成城石井が同社グループに買収されていたのも驚きでしたが、その意味が分からない。牛角は、客単価3,000円をターゲットにいわゆる中の下層向けに展開していました。コンビニは業態が離れすぎだし、成城石井ではターゲット層がぶれていると思います。お手本のマクドナルドはコンビニなど手掛けずに、単一事業のみで世界展開をしています。



私は、上場する事による成長プレッシャーによって、事業計画を外部からコントロールされるようになる事が非常にマイナスだと思っています。

無理な売り上げ目標を達成するために、安易なM&Aに手を出すケースが多いのでは?

そして現場のサービスレベルが低下して、堤防が決壊するのです。

回顧録を書くには少し早すぎたのでは?

(西山さんファンの方にはスミマセンね。)



実は私、牛角に行った事が無いのです。

この本と同社の最終的な評価は、お店の実態が本当に社長のイメージ通りに運営されているかどうかで判断すべきでしょうから、それは後日の楽しみにしたいと思います。(^^)

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