理想の国の姿

「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」

「If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.」
フィリップ・マーロウのセリフだったんですね。丸大ハムのCMを思い出しました(古っ!)。最近のシャープやPanasonicの苦境を伝えるニュースや、IT業界の買収&合併の動きなんかを見ていると色々考えてしまいます。何が企業にとって正しい振る舞いなのか?



アメリカの経営者は、シンプルに答えるのでしょう。利益を出すことこそが正義だ、と。一見正しく思えますし、正面から反論しにくい意見なのですが、それがもたらすものを想像してみると果たしてそれが良い事なのかと。四半期単位で成果を求め、結果が出なければ事業撤退・レイオフ。強い者はより強くなり、弱者はどこまでも救われない。行き着く先は格差社会と治安の悪化です。要するに世界のアメリカ化ですよね。皆さんは日本をそうしたいと思ってますか?



片や、行き過ぎた左巻思想も危険です。競争を排除して互助社会みたいなものを志向してしまうと、環境の変化に対応出来ない脆弱なコミュニティが出来てしまいます。世界が完全に平和で悪人のいない天国になっていれば良いんですが、現実的には悪人に簡単に蹂躙されるでしょう。一定の競争環境がないと水は淀み、腐ってしまいます。今の日本の先の見え無さは、古いシステムがいつまでも修正されずに不合理なまま残っているところに起因していると思います。



常に着地点は、極端と極端の間にあります。タフさと優しさを兼ね備えた社会。そんな世界が実現出来ると良いですね。私は日本がそこに一番近いポジションにいると思っているのですが。

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倭人 日時 :

ドラッカーは処女作『「経済人」の終わり-全体主義はなぜ生まれたか』(1939年)で

「ファシズム全体主義が生まれた理由はブルジョア資本主義とマルクス社会主義に大衆が絶望したからである」

「資本主義の失敗の原因は経済人を社会の中心に置いたからである」

「経済のために生き経済のために死ぬという経済至上主義から脱却しなければいけない」

と述べました。



資本主義が、それ以前の身分的安定の放棄を迫るものであったにもかかわらず、信条として広く受け入れられたのは、それが「自由と平等を実現する」と約束したからでした。

ところが、実際には資本主義は(そしてマルクス主義も)その「自由と平等をもたらす」という約束を裏切るものでした。

そのため、大衆は資本主義社会の経済的自由の過酷さに直面し絶望の淵に追い込まれました。その絶望の末に信じられるにいたったのがファシズムだったわけです。



現在の日本の古いシステムは、経済的自由を制限する代わりに国民に身分的安定を保証するシステムのような気が私はします。

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