株式市場の役割

「ウェブ進化論」でお馴染みの梅田さんが、株式市場(特に新興市場)の果たす役割について分かりやすく開設してくれています。



「日本へのメッセージ——グーグル、若者、メディア、ベンチャー精神について」(後編)



文中で、「ベンチャーがうさん臭いのは当たり前」、として、その理由を確率の低い新しい企業を発掘するための市場の持つ宿命だとしています。

企業家主導型経済とか、無から有を生み出すことを奨励したいと日本はみんな言っている一方で、新興市場はうさん臭いと言っている。これは間違いなの。この2つ(企業家主導型経済とうさん臭さ)はセットだから、こっち(企業型主導型経済)やりたいなら、これ(うさん臭さ)は飲み込む


そして、新興市場が内包している問題点として、



 ・モラルハザード:未知の技術やサービスの将来価値を計る時に、どうしても恣意性が混入する余地がある。これは経営者の責任。

 ・バブル:周囲が勝手に事業の価値を実態以上に過大評価する。これは周囲の責任。



という二つを挙げています。

で、バブルが発生した企業の経営者の立場に立った時、それが当事者にとって大きなプレッシャーになる事を次のように表現しています。

不当に株価が高くなった会社を経営するというのも、大変なことで、選択肢って2つぐらいしかなくて。中から出てくる技術とか事業をどんどんアクセラレートして、その時価総額に追いつく会社になりましょう、と一生懸命やるっていうのが、オーソドックスなんだけど、おいそれとそんなもの生み出せるわけがないから、当然、今度は株価交換だったりで、実体のある会社を買うっていう選択肢しかなくなってくる。


まさにその通り。

ライブドアしかり、他のネット企業の多くも、自社の株価の説明をするために実体のある企業をどんどん買収して目に見える価値に置き換えて行っていますよね。



多分私がずっと感じている生理的な違和感は、従来からある日本伝統の製造業的価値観の世界から抜けれていないせいなのでしょう。

アメリカで上手く機能しているこの新興市場システムに信を置けないと感じている理由は、日本の新興企業に置けるホンモノ出現確率のあまりの低さにあきれているからでもあります。

個人的には、ソフトバンク位しか新興日本企業で新しい価値を世に定着させた実績が無いと思うのです。



まず、日本の新興企業は15年掛けて自分たちの価値を証明してみせるプロセスが必要だと思います。

世間の信任を得て、それからが日本の新興市場の発掘・育成機能が効果を出すのが順番です。

そう簡単に、他国のシステムを輸入して根付くわけが無いじゃないですか。

まだまだ基礎固めの段階。

手を抜くと、安普請の家で後で泣きを見る事の怖さを日本人は学習したはずですよね。(^^)

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