就活の闇

ウチに早稲田の政経を卒業した帰国子女の女性プログラマーがいます。彼女に就活の話を聞いたところ、とても苦労してエントリーシートで落とされまくったということで驚愕しました。早稲田の政経って私学文系トップですよね? そんな学生を落として誰を選ぶんでしょうか。全く理解できません。

私が就活をしたのは昭和が終わり平成に代わる年。つまりバブル真っ最中です。あの頃は欲しいだけ内定取れたし、大手企業が挙って千人単位の採用計画を打ち出していたので、今とは全く様相が異なり参考になりません。今どきの就活事情を聞くだに、どれだけ若者が苦労しているのか、本当に気の毒になります。思ったんですが、多感で人生の希望に溢れている20歳過ぎの若者をよってたかって叩く就活って、日本全体で行う大規模なパワハラですよね。これでどれだけ多くの若者が将来を悲観し、自信を失っていることか考えると、日本の損失って凄く大きいと思うのです。何とかなりませんかね。

私は経済学部を卒業したんですが、入学早々に授業内容に絶望したのを覚えています。だってマルクス経済学なんてどうして今ごろ勉強する必要があるのか、理解できないですよね。じゃあ近代経済学は有用なのかというと、これがマル経以上に役立たずなんですよ。というわけで早々に授業はドロップアウトして、クラブ活動と麻雀に明け暮れた四年間でした。そりゃ専門的なスキルなんて身に付くわけありません。多くの文系学部は今でも似たり寄ったりの事情なんじゃないでしょうか。

スティーブ・ジョブズは大学でカリグラフィーを学び、それがデザイン志向に繋がりました。アメリカでは今でもリベラルアーツを学ぶということに一定の重きを置いているようですが、日本の文系教育はまったくもって中途半端です。専門性もなければ、教養の深みもない。ただ、●●大学卒業、というブランドを手に入れるだけの退屈な四年間。そりゃ企業側も採用意欲を高く持てないですよね。

学生の方への提言としては、難しいかもしれませんが、大手志向から脱却すること。皆さん自身の人生であって、親の期待に応えることが目的ではありませんから、親世代の古い期待を振り払うことです。親の経験は30年前の体験に基づいているだけで、今の世相を反映していない古い価値観なんです。「自分の道は自分で決める」と強い意志を持つことが大事です。くれぐれも親の顔色を伺わず、やりたいことを最優先してください。

私も二人の子を持つ父親ですから、親心は充分理解できます。親はじっと控えて子どもの決断を応援する立場に徹しましょう。「そんな会社聞いたことない」というのが最悪のセリフです。もう終身雇用の時代は終わったんです。シャープも三洋電機もJALもそごうも潰れる時代なんです。親が好む会社や仕事が30年後もある保証はありません。無理強いしても後で恨まれるだけ。余計なアドバイスなんてせず、子どもの決断を信じることです。

企業は明らかに採用行動を変えています。いまや大量一括採用に拘るのは一部の古い企業だけで、殆どは専門スキルの計算が立つ経験者の中途採用を中心に据えています。その意味では無目的に大学に進学することはむしろ危険で、やりたい分野がはっきりしているなら専門学校でスキルを身に付けた方が賢いんじゃないでしょうか。私のオススメは、専門学校+海外留学の組み合わせです。今でも日本では英語力がそれなりに評価されます。これから使うシーンは増える一方でしょう。英語コンプレックスを若い間に克服しておくことはとても有用です。

私の本当の願いは、若者の目がもっと起業に向くことです。サラリーマンじゃなく、独立開業。もしくはベンチャーで一旗揚げるというチャレンジ精神。リスクを取ってこそ、花の山に辿り着けるんじゃないでしょうか。

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