JAIA試乗会

毎年この時期にJAIA(日本自動車輸入組合)が主催する大試乗会が開催されます。

基本的にはその年にインポートされる殆ど全てのモデルが勢揃いする大きなイベントで、皆さんも雑誌の誌面でご覧になった方がいらっしゃると思います。

初めてその試乗会に参加させて頂いてきました。

幸いお天気は快晴で暖かく、絶好の試乗日和。

これ、曇っていたり雨だと最悪らしんですが、雨男の西川淳さん、雨男引退したらしいので効果テキメンですね。(笑)



企画としては、普通のユーザー(私)が、知り合いのクルマ屋さん(名古屋の伊藤守さん)とあれこれクルマを物色している様子を西川さんが見ている、という想定です。

その日用意されているクルマのリストは全部で90モデル!

これを全部は乗れませんので、目星を付けたクルマに手を上げて割りあてられた車種の試乗をするのですが、我々のチームだけで17モデル。

結構大変です…。



しかしこれだけ沢山のモデルを乗り比べる機会ってありませんからね〜

貴重な体験でした。

個人的に気に入ったモデルは、BMW MINI ジョンクーパーワークスコンバーチブル、ジャガー XK ポートフォリオコンバーチブル、マスタング V8 GT コンバーチブル、マセラティ グランカブリオ。

コンバーチブルが多いのは個人的な趣味です。(笑)



少ない限られた時間で、短い距離を走っただけで評価されるクルマには申し訳ないのですが、それでも確かに感じる特性や違いといのが明確にあり、こういう試乗もちゃんと評価の役に立つんだなというのが実感です。

詳しい内容等はいつかの「CARZY」でご紹介させて頂こうと思いますので、お楽しみに。

カーシェアリングはクルマ業界にとって必ずプラスになる!

カーシェアリングと自動車販売の意外な関係――MINI + タイムズプラスは、なぜ実現したのか



以前カーシェアリングについてまとめてみたのですが、神尾寿さんのこの記事素晴らしいです。

恐らく国内で最大手のカーシェアリングサービス大手はタイムズプラスだと思いますが、どうやらここの担当者さん自身が相当なクルマ好きらしいのです。

ありきたりな国産コンパクトカーだけじゃなくて、BMW/MiniやCR-Zなんかがラインナップされているのはその現れ。

しかもタイムズプラスのカーシェアリング事業に一番先に協力してくれたのがBMW/Miniだというのも面白いところです。

多分、今はまだ国産メーカーにもディーラーにも、「カーシェアリングなんて広まってもらっては困る」「自分達のクルマ販売ビジネスにマイナス」という意識が強いと思うのです。

でも事実は全く逆。

冒頭の記事にある通り、
「これはカーシェリングとのコラボレーションをして改めて分かったことなのですけれども、今は『ディーラーの敷居が高くなっている』のです。我々は多くのお客様に訪れていただき、BMWやMINIに気軽に乗っていただきたいのですが、この『ディーラーを訪れる』ことに気後れを感じている方が少なくない。ディーラーでセールススタッフと話しをして、試乗をしてアンケートに答える、といったことが、おっくうに感じられてしまうのですね。
という現実に気付かねばなりません。

私なんかは平気な顔してディーラーで試乗もするし、見積取って買う気になっちゃったりしますけど、普通は買う予定もないのに営業マン氏の手を煩わせて商談っぽい行為をする事自体気が引けちゃいますよね。

その意味では、誰にも会わずに、好きに気に入ったクルマに乗れちゃうカーシェアリングの仕組みは、ある意味現代的な最高の営業現場なんですよ。



今の時代の問題は、もうどのクルマが売れるかなんてレベルじゃなくて、そもそもクルマという存在に興味を持って貰えるか、そのうち誰も免許取らなくなっちゃったらどうしよう、というレベルなんですよ。

小さい縄張り意識で見栄張ってるより、消費者が商品と接してくれる機会をどうやって増やすか、というのは大事な視点だと思います。

ライバルは携帯電話ですからね。



月間維持費1万円を実現せよ――「若者のクルマ離れ」を考える



同じく神尾さんの別の記事ですが、



 ・初期費用:100万円

 ・維持費用:月額1万円



というのは、確かに現実の若者に負担できる良い目安だと思います。

普通にクルマ買っても今は無理。

ならば、カーシェアリング等でクルマと接する機会をキープしてもらって、潜在的な購入層をちゃんと育てておく。

で、将来的にコスト構造を下げる工夫を社会全体でする。

この二段階作戦が必要です。

クルマに携わる全ての大人が、神尾さんのコメントを真摯に受け止めるべきですね。
むろん、モータリゼーション華やかりし往年に比べれば、若者のクルマへの憧れは減退しているかもしれない。しかし、これほど商品や価値観が多様化した現代において、いまだ半数前後の若者がクルマへの興味を失わず、4割強が「できれば欲しい」とさえ言ってくれているのだ。それに対して、自動車業界を中心とする経済界やマスコミが安易に「若者のクルマ離れ」と言いはやすのは、若年層向けのマーケティングがうまくいかないことに対する“単なる言いわけと甘え”ではないのか。少なくとも、クルマに興味・関心を持ってくれている若者たちに対して失礼なことだと思う。


クルマの維持費用について

今日、神尾寿さんのこんなツイートを見掛けました。

クルマ非保有者の8わりはクルマがほしい。だけどクルマにかけられるお金(ランニングコスト)は月1万円以内が5割強。イニシャルコストの許容は100万円まで。/ 「新成人のカーライフ意識調査2012」 http://from.sonysonpo.co.jp/topics/pr/2012/01/20120105_1.html



つまり若者の意識がクルマ離れしているのではなく、アホみたいにクルマにお金をかけられない、というのが実際なわけで。とりわけランニングコストが「月額1万円が上限」というのは、若年層の金銭感覚・可処分所得を考えれば当然の結果だと思う。



では「誰が若者からクルマを取り上げたのか」を考えてみると、今の"クルマの維持費がバカ高い"状況を作り上げた大人たちなわけですね。自動車諸税はもちろん、ガソリン代や駐車場代が高止まり、任意保険料も"若者が高齢者(=長期契約者)のリスクを支える"構造になっているのが現状。



クルマの車検制度にしても、必要以上にコストがかかる構造になっている。本気で若者のクルマ離れを防ぎたいと考えるならば、「クルマの維持費をいかにして月1万円以下に近づけるか」を真剣に議論しなければならないわけで。



とりあえず、今すぐにできるところは「自動車諸税の大規模減税」「ガソリンの暫定税率分撤廃&二重課税廃止」「車検制度見直し(=低コスト化)」ですかねぇ。あと、任意保険も若年層の負担軽減しないと、将来の顧客基盤が先細りになる。若者割引していかないと。



現在のランニングコスト高につながっている構造を守れば守るほど、維持費の高さを理由に若者はクルマに乗らなくなるわけで。これを覆さないことには、「スポーツカー復権で若者にアピール!! (キリッ)」「クルマへの憧れを復活!!」なんて小手先でやってもムダだと思う。
うーん、誠にごもっとも。

経費でクルマを購入している層はともかく、自腹でこのコスト負担は重すぎますよね。

アメリカみたいに車検制度とか完全に無くすと高速で故障車続出になりそうでそれはそれでどうかと思うのですが(笑)、今の日本の制度は酷いと思います。

自動車メーカーも余裕が無くなってきてると思いますので、本気でロビー活動しても良い時期なんじゃないでしょうか。



・自動車維持費用の削減

・高速道路の最高速度引き上げ

・カーシェアリング推進



この三つの政策で随分様変わりすると思いますよ、クルマ業界。