CARZY Vol.2「ようこそ!クラシック&ヴィンテージの世界へ The MONTEREY WEEKEND」号をリリースしました!

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電子雑誌「CARZY」の第二号をリリースしました!

名付けて「ようこそ!クラシック&ヴィンテージの世界へ The MONTEREY WEEKEND」号。

全部でなんと750ページ!

あまりにボリュームが多くて本編とオプションに分かれてしまいましたが、ここまで徹底的にモントレーの週末を取り上げたメディアはなかったでしょうからたっぷりと旧車の世界に浸って頂けると思います。

編集長の西川さんの巻頭言をご紹介。
 日本がちょうどお盆休みを迎えるころの週末に、サンフランシスコへ飛ぶことが、ここ数年の“恒例行事”となって久しい。木曜午後に入ってレンタカーを借り、しょうみ丸三日間、“あること”をめいっぱい楽しんだら、そのほかの観光は一切ナシ、大好きなナパバレーには目もくれず、月曜朝に再びサンフランシスコへ戻って帰国する。そんなパターンの旅を、もう何年も続けている。

 あること、とは、いったい何か。

 それが、今回の主題、ヴィンテージ&クラシックカーの世界を紹介するにこれ以上ないイベントが毎年沢山開かれる、モントレーの素敵な週末だ。

  

モントレー。サンフランシスコからハイウェイを南下することおよそ二時間、モントレーペニンシュラ(半島)の付け根に位置する、人口3万人ほどの小都市がその舞台だ。

 そのむかし、スペインやメキシコが統治していた頃のアルタ・カリフォルニアの首都であり、海からのカリフォルニア地域への玄関口として大いに栄えた町だった。今では、ジャズ・フェスティバルや世界初の屋内型水族館、映画“エデンの園”の舞台などとして有名で、周辺にカーメルやペブルビーチといったリゾートタウンを擁する観光都市である。

 夏の日差しは白く強く痛いくらいだが汗ひとつかかない昼をビールで、革ジャンが必要なくらいクールな夜を地元産のよく冷えた白ワインで楽しむ。カラリと乾いた、ちょっと砂漠性の気候。かしましい日本を束の間忘れ、のんびりと夏のひとときを過ごす…のではない。いつかは、そんな風に過ごせればいいとも思う(なにしろ超一流お忍び系リゾートホテルがわんさかある)が、真夏の、ことにあの週末には、よもやホテルのプールサイドで寝そべってカクテル片手にぐうたら過ごそうなどとは、もし貴方もクルマ好きであるならば、つゆかけらも思わないはずだ。なにしろ、その週末だけは、静かなモントレーの街に、クルマ好きの爆音がそこら中で鳴り響いているのだから。



 ボクの、その週末の行動スケジュールは、決まってだいたいこうだ。

 到着早々の木曜日夕方には、“間に合えばとても嬉しい”ヴィンテージカーパレード@カーメルで肩、ならぬ目ならし。

 金曜日は、朝からいきなり本週末きっての見学困難イベント(入場制限があってチケットも高額)、モータースポーツ・ギャザリング@クェイルロッジでいきなり気分を最高潮にもっていき、午後にはラグナセカゴルフコースに移動してコンコルソ・イタリアーノをチェックする。もうこのあたりでフツウのフェラーリ(しかもディノクラス)を見ても、無感動、言ってみれば朝から晩までフレンチフルコース、ゲップが出そうな感覚に(ゼイタクだ)。

 土曜日には、戦前から90 年代くらいまでのレーシングカーがほぼほぼ本気でバトルするモントレー・モータースポーツ・リユニオンを、かのラグナセカレースウェイでじっくりと(肌を灼きつつ)見物。

 そしてラストの日曜日、早朝から本週末のメーンイベントというべきコンクール・デレガンス@ペブルビーチロッジでおもうぞんぶん目の保養をして、午後には再びラグナセカでクラシックカーレースを堪能する。

 そんなこんなが、ステキな週末のスケジュール。



 さらには加えて、連日連夜あちらこちらで開催されるクラシック&スーパーカーオークションを覗きみて、ため息百数十連発!おまけに、各イベントの駐車場にもオモロイクルマが沢山来ている(そりゃそうだ、クルマ好きのイベントやからね!)ものだから、すべてを見逃さずチェックしなきゃいけないし、通りを走っていたり街に路駐したりショッピングセンターに停まっているクルマだって侮れない(いつぞやは、行きつけのスーパーにイタルデザインのイタリア人がジュジャーロのコンセプトカーに乗って買い物に来ていた!)、ともう疲れる暇もないくらい、これでもか!のクルマ漬け。

 日曜日、モントレー最後の晩餐をいただく頃には、気分はすっかりクラシックカーオウナーかヴィンテージカーレーサーになっていて…。



 モントレーにはじめて訪れたのは、たしか96 年のことだった。当時、まだ一介の中古車雑誌編集者だった私は、編集長からBMW を半年かけて盛り上げる企画を考えるように、と言われた。

 ネットでイッパツ検索ヒント山盛り、なんて便利な時代になる直前のこと。まわりにいるクルマ好きに聞いて回ったり、専門誌を読み漁ったり、必死にネタ集めをしたものだ。

 “とりあえず、型落ちの中古の3シリーズを一台買って長期リポートしようか”、なんて通り一辺倒な企画しか思いつかないでいたとき、運命の“教示”に出会った。とあるエンスーがこんなことを教えてくれたのだ。

 「だったら、西川くん、夏のモントレーへ一緒に行こうよ。今年のメーンテーマが確かBMW だったはずだし、それを記事にしてみたら…」。

 そして、私はモントレーの地にはじめて立つことになった。それは、クルマ好きを自負してきたこれまでの自分の、ほとんどすべての価値観やスタンダードを、こっぱみじんに破壊する規模の、驚愕の週末だった。見るもの全ての次元が、まるで違ったのだ。

 もちろん、高いクルマや稀少なモデルにも大いに感動したのだが、それだけじゃなかった。むしろ、それ以上に心を動かされたのは、驚くべき数の、さまざまな種類の、あらゆる人種の、老若男女のクルマ好きが、モントレーに集結していたということだった。そして、テーマが何であれ、クラシックカーだろうが、レーシングカーだろうが、イタリアンカーだろうが、その場所に集ってくるクルマ好きの、分け隔てのない“熱さ”といったら!

 クルマの価値には、確かに“上下”がある。それはきっちりと金額や名声、人気として現れていて、モントレーの週末には、それこそ億単位のクルマが、無数に走り回っている。けれども、見物客からオウナーまで、クルマ好きのヒトとしては、みんな平等だ。

 たとえば、イタリア車の祭典にはBMW クラブ専用の駐車場があり、ペブルビーチにはおんぼろアメリカンマッスルも大挙して押し寄せる。古いアメ車好きが戦前のヴィンテージに、ダッツンオーナーがクラシケフェラーリに、最新ポルシェオーナーがブガッティレースに、笑顔でくびったけになる。どのクルマのオウナーも、声をかければ応えてくれる。愛車のことを懇切丁寧に、教えてくれる。



 モントレーをきっかけに知り合った、多くのクルマ好きの友人も、私の大きな財産となった。アメリカの入国審査で、ホテルのロビーで、イベントやオークションの会場で、駐車場で、チケット売り場で、土産物屋で、年に一度挨拶を交わすだけの友人も多い。互いの近況を、そこでひとことふたこと語り合う、その時間の濃密さもまた、わがクルマ人生の大切な糧である。

 なかでも、“超良心的自動車ブローカー”の伊藤守君は、ボクと同い年で、最初のモントレーで知り合って以来、ずっとずっと懇意にしてもらっている。彼の、知識と経験やモノへのこだわり、クルマ(と関連グッズ)の審美眼はいずれも超A級で、クルマネタの“おしゃべり”はひと晩聞いてもまるで飽きない。モントレーへは、かれこれ十回以上、一緒に訪れた。同じ部屋に泊まって(笑)。CARZY 前作にも友情出演してもらっている。

 クルマという“メディア”があったことで、一生出会うはずのない人と人が出会い、言葉を交わし、友情が芽生え、さらにその輪が広がってゆく。そして、ついには、クルマが主役ではなくなって、大きな、血のつながりはないけれども気のつながった家族ができる。



 もちろん、わざわざモントレーまで、貴重な愛車を持ってきて、われわれクルマ好きに見せてくれたり、レースをして楽しんだりするオーナーたちの心意気にも、最大限の拍手を送りたい。この週末には、クルマ好きが自分の未来を考えるうえで、いろんなカタチの理想を見つけることができるのだから。

 一枚の写真をみて欲しい。これが、モントレーで私が見つけた理想を、百%表現してくれていると思う。



 クルマ好きは、みんな一緒なんだ。



 初めてモントレーを訪れて以来、あの感動や雰囲気を少しでも日本のクルマ好きに伝えたくて、私は通い続けた。そして、ただ単に、あの週末の様子をリポートするのではなく、その価値観、というか世界観をコンセプトとしたメディアを作ってみたくなったのだ。

 趣向によってクルマをカテゴリーに縛るのではなく、クルマ好きのキミやボクやアナタが主役だという視点。旧い国産車もあれば、スーパーカーもあり、レーシングカーもあり、ヴィンテージもあり、みんな好きなんだ、という雑“メディア”。実用の自動車、移動の道具を採り上げたいという気持ちなど、さらさらない。あくまでも、趣味としてのクルマを見つめてゆきたい。

 自動車に関する趣味やエンタテイメントに徹した表現活動をする舞台はないのだろうか。ないのであれば、自分で作れないものだろうか。



その答が、このCARZY なのだった。


CARZY Vol.2のサンプルコンテンツはこちら



ご購入は、「CARZY.net」よりどうぞ!

・本編:500円

・オプション:各85円 × 三編

※全てのパソコンやスマートホンでご覧頂けるPDF版が便利です!

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