買い物情報の共有という考え方

シリコンバレーの寵児, 買い物共有サービスBlippyがついに姿を消した



今のWebのトレンドは大きくソーシャル(Facebook・TwitterなどのSNS)とローカル(Foursquare等の位置情報サービスなど)の二つにあるわけですが、ここに取り上げられているBlippyはECとソーシャルを取り込んだ有望なビジネスモデルとして非常にもてはやされたサービスでした。が、結果はご覧の通り。これは重要な示唆を含んでいると思います。



恐らく、世間で言われているほどECとソーシャルの親和性は高くないのではないか? 少なくとも単純に両者を結びつければ成功するほど簡単ではない。皆さんはTwitterやFacebookでオススメ商品をレコメンドしているポストをどれくらい見掛けますか? 私は殆ど見掛けません。友人・知人と共有したいと思え、実際にそういう行動を取る領域は非常に偏っているように思えます。



一番は、食べ物ですかね。これ、よく見掛けますよね。美味しい食事にありついた時、写真を撮ってポストする。これはどこのレストランに行っても良く出くわす光景となって定着しています。ただ、この時具体的なレストラン情報までポストしてるかどうかと言われると、それは少ない気がします。本気でその店をレビューしたい人は、食べログとかの専門サイトに投稿するんじゃないでしょうか。



次は家族や友達と遊びに行った時の写真など。つまり、写真をシェアするというのはその場の雰囲気や人物の表情など、テキストで伝えにくい多量の情報を含んでいて、しかも全体には公開しづらいパーソナルな行為です。こういうのがソーシャルと親和性高いんですよね。そして、そこに気付いた写真共有専用サービスが沢山立ち上がっています。PhotoShareColorなんかが有名ですよね。ただ、これらのサービスも利用人口がクリティカルマスを越えないと普及は見込めず、個人的にはFacebookを超える使われ方はしないと思います。



その次にシェアしたくなる情報と言えば、これは世間一般のニュースですよね。スポーツの結果、芸能情報、スキャンダル、事件・事故など。



EC関係、強いて挙げればその次でしょうか。そして、商品情報も大きく実用性商品と趣味性商品に大別される気がします。従来価格.comが日本最大のクチコミサイトして成長してきたわけですが、あそこにある商品の大半はJANコードで識別出来るナショナルブランド品。大きくは、家電やパソコンなどのデジタル消費財です。これらはそれなりに長く使い、同じカテゴリーの商品から選択するわけですから他と同時に使い比べとかしないわけです。で、他人と同じものを使っていても別に構わない。そこにクチコミが活性化する理由があったと思います。



しかし、趣味性商品はどうか。その代表はファッション商品でしょう。確かに有名ブランドや話題の商品は存在しますが、しかし全く同じ商品を友達や同僚が持っていたら? それが同じ場で鉢合わせしたら? 非常に気まずい思いをしますよね。趣味の良い商品を選んで使っている自分のセンスは褒めて欲しいけど、いちいち手の内を明かして製品や買ったお店や値段を他人と共有したいとは思わない。それが冒頭のBlippyの失敗に繋がっている気がします。



実用性商品は機能やスペックのシェアがアリ、趣味性商品は細かい商品情報よりもブランドイメージや雰囲気のシェア。そんな持って行き方の違いがあるのかな、と思っています。まだSNSの使い方がマジョリティ層には根付いていませんから、これから世間がソーシャルネットワークとどんな付き合い方をしていくのかによりますけどね。また新しい傾向が見えてきたら、考え方を整理したいと思います。

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