次世代カーナビの行方は?

カロッツェリアの2011年度新製品発表会に行ってきました。ご存知の通りPioneerはカロッツェリアブランドでカーナビとカーAV商品を展開しており、永年国内のトップブランドの地位を占めています。世界で初めてGPSカーナビを市販した会社ですから、Pioneerも市場もマーケットリーダーとしてこのカテゴリーを引っ張ってくれることを期待しているわけです。ところが、、、 ここ数年は本当に停滞しており、どう目標設定して良いやら迷いに迷っている印象です。



カーナビは今三つのカテゴリーに分かれています。

1.自動車メーカー純正装着ナビ

2.市販ナビ

3.スマートフォンアプリ

1と2は実は作っているのは同じメーカーで、単に自動車メーカーの要求仕様で工場に納入するか、汎用仕様として市販品として市場に流通するかの違いだけです。今大きな脅威なのは3のスマートフォンアプリ。つまり目的特定型の専用コンピュータが普通のWindowsパソコンに置き換わったように、世界標準の安いデバイスにソフトウェアだけインストールして機能を果たしてしまうのですから、正直カーナビ専用メーカーはお手上げです。なのでここ最近はカロッツェリアアイシンAWもスマートフォン用のカーナビアプリを独自に提供しており、遅ればせながらキャッチアップを図っています。実際に使った人の感想を聞くと、画面が少々小さいものの実用性は充分で高価な専用ナビを買うつもりはない、とのこと。まあ、そういう方も増えますわね。では、専用ナビはどういう方向性を追求すれば良いのか。それが難題です。



上記1.のメーカー純正ナビは、カーナビに様々な車両情報を統合しつつあります。エアコンコントロール・周囲のカメラビュー・ETC情報・警告メッセージetc.。最近の純正ナビは凄くて、レクサスは自動で縦列駐車してくれますし、日産フーガは高速の逆走を警告してくれるし、スバルに至ってはぶつかる前に停まってくれちゃいます。今回カロッツェリアが提案した新機能は、ARナビゲーション。つまりカメラで撮影した前を走行している車両の情報や車線レーン情報を画面に取り込み、車間距離や車線の踏み越えを画面で通知します。今までメーカー純正ナビでしか出来なかった統合情報を市販製品にも取り込もうという試みです。ま、車両のコントロールをしようと思えばブレーキ・アクセル・ステアリング・エンジンを制御する必要があるので、純正ナビを凌駕することは無理なんですが…。



さて、これらの新技術の行く先は? それは自動車の自動運転の実現に他なりません。今世界で一番真剣に自動運転に取り組んでいるのは、ひょっとしたらGoogleかも知れません。まあ万一自動運転中に事故が発生した時の賠償リスクとかを考えれば、自動車メーカーは怖くて完全自動運転カーなんて販売出来ないでしょうからね。アメリカ式のハイリスク・ハイリターン企業モデルでないと実現出来ない気はします。しかし向かう先の理想が自動車事故の根絶にあるとするならば、クルマを運転するという行為に何らかの社会的制御を加える事になるのは自明。22世紀には、少なくとも高速道路の左側走行車線は自動運転レーンになっているのかも知れませんね。

トラックバック

このエントリーのトラックバック URI を指定する

このリンクは、クリックされるのが目的ではありません。それは、このエントリー用のトラックバック URIを含んでいます。このエントリーにブログからトラックバックと ping を送信するにはこの URI を 使用することができます。このリンクをコピーするには、Internet Explorer の場合右クリックを、「ショートカットをコピー」を選択します。Mozilla の場合「リンクロケーションをコピー」を選択します。

トラックバックがありません

コメント

コメント表示形式 一覧 | スレッド

コメントがありません

コメントの追加

送信されたコメントは表示する前にもでレーションされるでしょう。

アスタリスクで囲んだマークテキストはボールド (*強調文字*)になり、下線は _下線_ になります。
標準的な感情表現、 :-) や ;-) といったものは画像に変換します。

ロボットからの自動的なコメントスパムを防ぐために、画像の下の入力ボックスに適切な文字列を入力してください。文字列が一致する場合のみ、コメントが送信されるでしょう。ブラウザーが Cookie をサポートし、受け入れることを確認してください。さもなければ、コメントを正確に確認することができません。
CAPTCHA

アスタリスクで囲んだマークテキストはボールド (*強調文字*)になり、下線は _下線_ になります。
標準的な感情表現、 :-) や ;-) といったものは画像に変換します。