Amazon送料無料の意味

全品無料配送完全サービス化ーAmazon.co.jp



とうとうAmazonが全商品送料無料を実現させてしまいました。

この機会にECにおける送料の意味を考えてみたいと思います。



我々はショッピングカートをご提供している立場なので、日常的に送料計算ルールの改善要望を沢山頂きます。

おっしゃる意味は分かりますし、カートとして精密・高度な送料計算機能が備わっているのは確かに意味のあることでしょう。

但し、商売の観点からは見方が全く変わります。

お買い物をする消費者の立場に立ってみましょう。

そのお店で買い物をする時、絶対に送料は気になるポイント。

それは高かろうが安かろうが正確だろうが大雑把だろうが、発生すること自体がNG要素な訳です。

少なくとも送料無料になる最低購入金額までは購入を考えるだろうし、送料無料を回避出来なければ他のお店を探すと思います。

つまり、お店は如何に送料無料を実現させるか、が大事であって、厳密に送料を顧客に転嫁しようという発想自体が間違っています。



しかし、とうとうAmazonは「幾ら少額の買い物でも送料が掛からない」というお買い物体験を実現させてしまいました。

これは中小規模の事業者では恐らく実現不可能な施策でしょう。

だって実際にコストは発生しているんですからね。

それを吸収出来るだけの体力あっての話なわけです。

恐らく消費者は最初から送料が掛からないという刷り込みを持ってAmazonを訪問するようになるはず。

そうなってしまうと、幾らAmazon外部で価格を下げてもそもそも選択肢に入らないという事になってしまいます。

大袈裟に言えば、「汎用品の商売は死んだ」と言えるのではないでしょうか。

Amazonで検索出来る商品、つまりナショナルブランド品・JANコードで探せる商品は萎んでいく運命にあると思えます。



楽天なりのモールも対抗的に送料無料スキームを作ろうとしていますが、大きな違いは個別の出店者にコスト転嫁される仕組みにあります。

楽天がコスト負担をしてくれるわけではありませんから、お店の首の絞め合いが激しくなるだけの消耗戦です。



ではどうしたら良いのか。

解は一つ。

他所のお店にないあなたのお店で買い物をする理由を作る事です。

それは商材そのものが独自のものであるか、又は他の提案や見せ方・付帯情報などに付加価値を付けて、何らかのオリジナリティを創出する事に他なりません。



ECの世界で成果を出すための基礎要件が一つ引き上げられてしまった、大きな出来事でしたね。

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