トヨタ車について思うこと
投稿者 岡野 幹生 日時
世界に冠たる自動車生産国は、ドイツ・アメリカ・日本がトップ3と言えるでしょう。
日本の最大手メーカーであるのは勿論トヨタなのですが、ではそのトヨタのクルマはどのように評価されているのでしょうか。
客観的に評価を測るには、一番はまず販売台数でしょうか。
これは周知の通りGMを抜いて世界最大の販売台数を達成しましたので、その意味では最高評価ですね。
では、クルマ好きや自動車評論家も同じ評価を下しているのでしょうか?
多分に主観的な判断になりますが、そうは思えません。
それは何故なのでしょうか?
私はクルマには実用性領域と趣味性領域の二つの要素があると思っています。
これはどちらかに完全に割り切れるモノではなく、多くの場合両者の中間点を個人が選択するわけです。
何人乗りか、どれくらい荷物が運べるか、故障の頻度は低いか、維持費は、そもそも入手するイニシャルコストは、とかなり多くの評価指標があるわけです。
あと、一台で全部の用事を済ませるのか、複数台の所有が許せて分担させるのかにもよりますよね。
で、今の世の中では大多数、殆どの自動車ユーザーは実用性領域の価値をクルマに求めています。
だからスポーツカーは売れませんし、ミニバンや小型車といった実用性の高いクルマばかりを街で見る事になってしまいます。
ま、しょうがないですよね。
ユーザーの選択ですから。
ここに一番模範的な回答を出し続けてきたのが、他ならぬトヨタであると言えます。
だからこその世界一達成です。
そして、今私がトヨタに対して思う二つの警鐘。
まず一つ目。
あまりに趣味性領域を軽視しすぎていないか?
上述したように、数は少なけれど依然としてクルマに趣味性を求める層というのも存在するわけです。
そしてそういう人たちはいわゆるクルマ好き・カーキチであって、非常にクルマへのコミットの高い層です。
トヨタはこの層への訴求をあきらめてしまったのでしょうか?
ちょっと前まではあったんですよ。
MR-2、レビン、スープラ、アリスト、アルテッツアなんていうそれなりに安価で手に入れる事の出来る趣味性の高いモデル達が。
全部無くなっちゃいましたよね。
クルマのブランドイメージというのは、数は少ないかも知れないけれど、こういうクルマ好きの層が熱烈に支持する熱気によって作られる面が多分にあるわけで、だからこそ費用対効果が薄くなっている自動車レースに各社多大な予算を投入しつづけるのです。
今トヨタに高いブランドイメージを持つ人がどれくらい居るんでしょうか。
多くの人は輸入車を今でも支持していますよね。
私の周囲では、国産ならトヨタよりもホンダ・日産を選ぶという人が多いです。
その意味を分かっているのか?
二つ目の警鐘。
それは、自ら選んだ実用性領域のクルマ作りで、本当に真摯さを貫けているのか、という点です。
こちらが一例ですが、最近のリコール数は異常だと思われませんか。
例のプリウス騒ぎは起こるべくして起こったのだと考えています。
ご紹介したバルブスプリングの強度不足、これ非常に深刻なケースなんです。
エンジンのバルブ動作を支えるバルブスプリングなんてのは、基本的に非常に枯れている技術分野ですから、今更新しい機能や仕組みにトライして失敗したなんて事は無いんです。
原因はただ一つ、行きすぎたコスタダウンです。
必要な信頼性能を下回るレベルでコストダウンを追求したから、耐久性が犠牲になったんです。
これは供給している部品メーカーが弱小で対応に限界があったから起こったのではなく、神戸製鋼レベルの大メーカーが事前に起こりうる結果への警告を通告した上で、トヨタ側がそれでも良いと押し切った結果なのです。
恐ろしい。
調達本部の担当者は、自分の子供をこのクルマに乗せようと思うのでしょうか。
つまり、趣味性を犠牲にしても実用性領域にクルマ作りの軸を移すのは、それは会社としての戦略決定で何ら問題無いわけです。
問題は、最低限守らなくてはならない一線を、利益のため、販売台数のため、自分の業績評価のために、超えてしまう倫理観の無さです。
モノ作りをしている現場の誇りや矜持はどこへ行ったのか。
下請けを泣かし、社員に長時間労働を強いて得たその利益は、一体何のためなのか。
経営陣の自己満足だけなんじゃないの?
クルマには色んなあり方があって良いと思っています。
クルマ選びの答えは人の数だけあるし、それに向き合うメーカーの答えも沢山あって良いんです。
でも、その答えのベースは善意であって欲しい。
こちらにある奥田民生の歌、CMで耳にした方も多いでしょう。
歌詞を引用しますね。
動画
トヨタに足りないモノ、皆があって欲しいと思っているモノ。
それはやっぱりクルマに対する「愛」なんじゃないかな〜
日本の最大手メーカーであるのは勿論トヨタなのですが、ではそのトヨタのクルマはどのように評価されているのでしょうか。
客観的に評価を測るには、一番はまず販売台数でしょうか。
これは周知の通りGMを抜いて世界最大の販売台数を達成しましたので、その意味では最高評価ですね。
では、クルマ好きや自動車評論家も同じ評価を下しているのでしょうか?
多分に主観的な判断になりますが、そうは思えません。
それは何故なのでしょうか?
私はクルマには実用性領域と趣味性領域の二つの要素があると思っています。
これはどちらかに完全に割り切れるモノではなく、多くの場合両者の中間点を個人が選択するわけです。
何人乗りか、どれくらい荷物が運べるか、故障の頻度は低いか、維持費は、そもそも入手するイニシャルコストは、とかなり多くの評価指標があるわけです。
あと、一台で全部の用事を済ませるのか、複数台の所有が許せて分担させるのかにもよりますよね。
で、今の世の中では大多数、殆どの自動車ユーザーは実用性領域の価値をクルマに求めています。
だからスポーツカーは売れませんし、ミニバンや小型車といった実用性の高いクルマばかりを街で見る事になってしまいます。
ま、しょうがないですよね。
ユーザーの選択ですから。
ここに一番模範的な回答を出し続けてきたのが、他ならぬトヨタであると言えます。
だからこその世界一達成です。
そして、今私がトヨタに対して思う二つの警鐘。
まず一つ目。
あまりに趣味性領域を軽視しすぎていないか?
上述したように、数は少なけれど依然としてクルマに趣味性を求める層というのも存在するわけです。
そしてそういう人たちはいわゆるクルマ好き・カーキチであって、非常にクルマへのコミットの高い層です。
トヨタはこの層への訴求をあきらめてしまったのでしょうか?
ちょっと前まではあったんですよ。
MR-2、レビン、スープラ、アリスト、アルテッツアなんていうそれなりに安価で手に入れる事の出来る趣味性の高いモデル達が。
全部無くなっちゃいましたよね。
クルマのブランドイメージというのは、数は少ないかも知れないけれど、こういうクルマ好きの層が熱烈に支持する熱気によって作られる面が多分にあるわけで、だからこそ費用対効果が薄くなっている自動車レースに各社多大な予算を投入しつづけるのです。
今トヨタに高いブランドイメージを持つ人がどれくらい居るんでしょうか。
多くの人は輸入車を今でも支持していますよね。
私の周囲では、国産ならトヨタよりもホンダ・日産を選ぶという人が多いです。
その意味を分かっているのか?
二つ目の警鐘。
それは、自ら選んだ実用性領域のクルマ作りで、本当に真摯さを貫けているのか、という点です。
こちらが一例ですが、最近のリコール数は異常だと思われませんか。
例のプリウス騒ぎは起こるべくして起こったのだと考えています。
ご紹介したバルブスプリングの強度不足、これ非常に深刻なケースなんです。
エンジンのバルブ動作を支えるバルブスプリングなんてのは、基本的に非常に枯れている技術分野ですから、今更新しい機能や仕組みにトライして失敗したなんて事は無いんです。
原因はただ一つ、行きすぎたコスタダウンです。
必要な信頼性能を下回るレベルでコストダウンを追求したから、耐久性が犠牲になったんです。
これは供給している部品メーカーが弱小で対応に限界があったから起こったのではなく、神戸製鋼レベルの大メーカーが事前に起こりうる結果への警告を通告した上で、トヨタ側がそれでも良いと押し切った結果なのです。
恐ろしい。
調達本部の担当者は、自分の子供をこのクルマに乗せようと思うのでしょうか。
つまり、趣味性を犠牲にしても実用性領域にクルマ作りの軸を移すのは、それは会社としての戦略決定で何ら問題無いわけです。
問題は、最低限守らなくてはならない一線を、利益のため、販売台数のため、自分の業績評価のために、超えてしまう倫理観の無さです。
モノ作りをしている現場の誇りや矜持はどこへ行ったのか。
下請けを泣かし、社員に長時間労働を強いて得たその利益は、一体何のためなのか。
経営陣の自己満足だけなんじゃないの?
クルマには色んなあり方があって良いと思っています。
クルマ選びの答えは人の数だけあるし、それに向き合うメーカーの答えも沢山あって良いんです。
でも、その答えのベースは善意であって欲しい。
こちらにある奥田民生の歌、CMで耳にした方も多いでしょう。
歌詞を引用しますね。
クルマはあくまでも 快適に暮らす道具
クルマに乗らないと いけないワケではないぜ イエー
だけど好きなんだ いいだろ こんなにも愛しているよ
And I love car この気持ちを 歌うんだ 君と僕の歌を
[作詞/作曲 奥田民生]
動画
トヨタに足りないモノ、皆があって欲しいと思っているモノ。
それはやっぱりクルマに対する「愛」なんじゃないかな〜
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