軋む日米関係

日米関係は本当に壊れるかも - 松本徹三



永年当たり前のこととして緊密な日米関係が続いていましたが、政権交代に伴いいきなり視界が悪くなってしまいました。

文中でアメリカ側の現在の懸念材料として、下記のポイントを推測しています。

1)新政権は、「国と国との約束も、政権交代によって変わって当然」と、本当に考えているのであろうか? それなら、この際、日本という国を「これまでとは異なったカテゴリー」に移して考えた方が良いのではないか?



2)現在の民主党は、組織として機能している状態ではなく、「個々の担当閣僚とその配下にある官僚との話し合い」の積み上げなどは、時間の無駄以外の何物でもないのではないか?



3)鳩山首相の使う「友愛」という言葉は、当初は「ハト派のイメージを強調するために、適当に響きの良い言葉を使っているだけ」と思っていたが、実は、彼は、本心からそういうものを信じる、生まれついての「ナイーブな楽観主義者」なのではないか?



4)新政権が殊更に米国と距離を置き、中国との緊密な関係を印象付けようとしているのは、当初は単なる「駆け引き」だと思っていたが、意外に「本気」なのではないか?(そして、中国との関係については、「擦り寄れば擦り寄るほど良くなる」と、本気で考えているのではないか?)



5)新政権は「日米関係を対等のものにする」と言っているが、「対等」というものがどういうものなのか、明確な考えを持っているのだろうか? (通常、二つの独立国の関係はGive and Takeのバランスの上に成り立つものであり、米国側としては、「こと安全保障の問題に限るなら、米国側のGiveの方がはるかに大きい」と考えているのだが、日本側はどこかで勘違いをしているのではないか?)



6)当初は「まさか」と思ったが、新政権は、「社民党などの『泡沫政党』との連立維持」を「長期的な国策」より重要であると、本気で考えているのではないか?



7)「政治は鳩山首相と各閣僚が一元的に統括し、党務と選挙対策は小沢幹事長が統括する」という説明を、当初はそのまま真に受けていたが、実は、小沢幹事長の力はそれよりはるかに大きく、政治や外交にも実質的な支配力を持っているのではないか?


あ〜、確かにそうかも、と思わせる指摘ですね。



物事の道理として、「上手く行っている事柄はいじるな」というのは誰もが知っている真理だと思います。

問題が全くないとは言いませんが、概ね数十年間に渡って順調だった日米関係をここまで悪化させる理由が分かりません。

政権交代で、自民党時代の悪習が是正される良い雰囲気が生まれてきていただけに、せっかくの流れに竿を差すような事をして改革が停滞することを懸念します。

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