失われた30年の原因とは?

たまたま見つけた高橋洋一さんの動画が分かりやすかったです。この人は毀誉褒貶激しい人で、言っていることが全部正しいのかどうかは私には分かりません。それでもこの解説は非常にシンプルでロジカルに思えます。

金融緩和について

2回構成の第1回
バブル崩壊前の各国のおカネの量と名目GDP成長率の相関図
失われた20年の数字

まあ確かに世界の中で日本が群を抜いておカネの供給量を絞った結果、名目GDPが伸びなかった、と読めます。高橋洋一さん自身が認めているようにこの二つの要因に本当に相関関係があるのか、という疑問はありますが。

アベノミクス時代の数字

安倍晋三総理のアベノミクス時代に頑張っておカネの供給量を増やして、世界のビリの状態からは脱したが、それでもまだ少なかったんだよ、という図。この金融緩和政策をどこまで続けるべきなのかというと、それはターゲットのインフレ2%実現まで、というのが高橋洋一さんの答え。

確かに既に物価上昇率は3%まで来ているみたいですが、景気がよくなっている実感まではありませんよね。ここで私が疑問に思ったのは、インフレ率2%というターゲット目標がどこから出てきたのか、ということなんですが、これも実はちゃんと理論的な答えがありました。

フィリップス曲線という理論があって、これ以上はもう下がらないという完全失業率を達成する最小のインフレ率が2%であると。なるほど。だからインフレターゲットが2%なんですね。

財政出動

経済成長を達成するための両輪は、金融緩和と財政出動。

日本の政府投資は少なすぎると
民間投資もやっぱり少ないですね
結果としてこのように悲惨な名目GDPの伸びになる

この二つのグラフを見ると、日本はG7各国に比べて著しく政府投資も民間投資も少ない。そして、民間投資は政府がコントロールできないけれど、政府投資でリードすることはできるとも言います。

本当に政府投資で民間投資を誘発できるのか疑問もありますけど、少なくとも政府投資が全く無駄に終わることはないのでやるべきなんでしょうね。あまり気前よく政府投資していると日本の財政が大丈夫か気になりますが、それも大丈夫と言っています。

財政について

国だけではなく日銀を含めたB/Sを見ないと本当の姿は見えない、という指摘はごもっともだと思います。まあ景気を良くする前に緊縮財政でB/Sを改善しようというのはいかにも商売したことない財務省の役人の発想で、普通に考えたらまず景気を良くして回収するのはその後ですよね。ちょっと景気回復の兆しが見えたらすぐに消費税増税とかして景気の腰を折っちゃうから、ほんと役人はセンスないなと思っちゃいます。

まとめ

まあ経済というのは複雑系の世界なので、あまりにもパラメータが多くてシンプルに分析するのは至難の業です。だからこそ、難しい専門用語で煙に巻かずに分かりやすく説明できる専門の学者って貴重なんですよね。なんでもそうですが、説明が下手な人は実は本質を理解していないんですよ。分かりやすいって大事。その意味では高橋洋一さんは希少な人材だと思います。あとは誰の言うことを信じるか、誰をブレーンとして登用するか、政治家側の資質が問われますね。安倍晋三総理はそこがエラかった。まあ脇の甘いところもある人でしたが、ちゃんと成果を出しましたからね。安倍さんを継ぐ政治家って出てくるんでしょうか。石破・高市・進次郎では無理だと思うので、ちゃんとした人の登場を待ちたいと思います。それまで日本が沈まずに耐えられれば、ですが。

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