アメリカとの距離感

朝日新聞
米国に「なめられてたまるか」 関税交渉難航、石破首相の透ける焦り:朝日新聞  石破茂首相が参院選の遊説で、日米関税交渉でトランプ米政権に強い姿勢で交渉に臨む決意を強調し始めている。腹心の赤沢亮正経済再生相による関税交渉の合意の見通しが立...

「これは国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか」
「いっぱい頼っているのだから言うことを聞きなさいということだとすれば、それは侮ってもらっては困りますということ」

一国の首相の発言としては異例の言葉遣いで、ちょっと引いてしまいますね。まあ相手がアレですから、いまや誰が何を言っても驚きもしませんが。石破さんも多分深く考えてしゃべってないと思うんですよね。でもこれは本当は非常に重要な視点ではあります

日本は戦後ずっとアメリカの後ろを歩いてきました。敗戦国としてそれは選択の余地のない道ではあったのですが、戦後の体制や国の憲法そのもの、そして教育の土台を他国に決められてしまったままここまで来たのは、本来は独立国のあるべき姿ではありません。特に国としての生存の基本である軍事面について思考を放棄してしまっているのは、よろしくない。まあ日本に取っても、戦勝国にとっても、都合のいい戦略ではあったのです。アメリカの傘に隠れて、ビジネスだけに注力するというのは賢い生き方でした。しかし今や時代は変わろうとしていて、アメリカ一国のヘゲモニーが終わろうとしているのです。そこで日本はどう生きるべきか。簡単に答えが出せる問題ではありません

あまりに永くアメリカ隷属関係が続いてきてしまったので、今さらこういう国の根本について考えることに国民も慣れていませんよね。例えば、

  • 自衛隊を正規軍として編制
  • 非常時の軍事力の行使ルールを整備
  • 原発を含めたエネルギー自給の強靱化
  • どこまで移民受け入れするのかのコンセンサス作り
  • 不適切な移民の国外退去ルールの運用厳格化
  • 教育カリキュラムの見直し
  • 一次産業の強化
  • 持続可能な年金・医療制度の再設計
  • 憲法改正

など、正面から向き合ってこなかった重い課題に答えを出していかねばなりません。しかしこんな大きなテーマ、それこそ社会が分断化してしまった今、議論が収束するとは思えませんよね…。我々が望んでいるのは、既得権益を守ることに汲々とする欲深な議員ではなく、国の将来を考えてくれる政治家なのですが、そんな人はどれだけいるのでしょうか

当面はトランプとあと三年どう付き合っていくのかという話なんですが、ここはもう頭を下げて嵐が通り過ぎるのを待つしかないんじゃないでしょうか。関税を交渉材料に使ってくるような政権とまともな会話はできないので、勝手に自滅するのを待つ。こちらは適当にご機嫌を取りながら、アメリカ以外の他国との貿易を強化する。上手に面従腹背していればいいのだと思います。アメリカが経済的にコケられたら嬉しい人は誰もいないんですが、あんな大統領を選んでしまう国情なのだから、これから右肩下がりで国力が低下してもしょうがない。他国は他国。我々はやるべきことを粛々と進めましょう

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次