結構あちこち海外旅行に行ってるのに、実は韓国には一度も行ったことがありませんでした。まあニュースであれだけ反日感情を目の当たりにするとこちらも良い気持はしませんものね。とはいえ個人として交流のある韓国人には悪い印象はなくて、みんな人懐っこくて良い人ばかり。さて実際に訪れてどうだったでしょうか。

今回のソウル旅行の大きな目的は新しく買ったFUJIFILMのGFX100RFを試すこと。いやあ一応迷ったんですけどね。X100Vは持ってるので、X100Ⅵはさすがに購入を躊躇。X100Vになんら不満はないし、X-H2も持ってるから4000万画素に飛び付く理由はない。どの道X100Ⅵは入手困難でプレミア付いて転売ヤーの餌食になっちゃってるので、落ち着くまで様子見を決め込んでいたら、なんと中判コンパクトが出るとの噂。これはいいね、と思ったんですが、どうやら事前のプレ情報ではF4で写りにそれほどの感動はないらしい。HASSELBLADもあるし、飛び付くほどでもないよな、でもコンパクトで持ち出したくなる気もするし、アスペクト比で遊ぶという提案も気になる。まあFUJIFILMさんの心意気を応援かな、なんて適当な理由をでっちあげてw、予約開始日から少し遅れてヨドバシカメラで注文。さすがに発売日には間に合わないだろうと覚悟してたんですが、なんと前日に発送連絡が。結構沢山の人が予約キャンセルしちゃったのかな、なんて想像しながら、でもやっぱりワクワクして開封。
おー、やっぱり質感はあるねー 見た目はちょっと大きなX100シリーズって感じだけど、このコンパクトな筐体の中にラージフォーマットセンサーが入ってると思うと、FUJIFILM開発陣の努力に頭が下がります。早速近所の公園を散歩して桜を撮ってみる。

このワイドなパノラマショットがたまりませんなー 一億画素の使い道として、とても正しいコンセプトだと感じました。
届いたのがソウル出発の前日だったので、まだ細かい操作に習熟しないまま家を出る。

大阪からたった二時間で着いちゃうってソウルはホントに近い。さして疲れもせず、ホテルにチェックインして、ラウンジで一服。そこで撮れたソウルの夕陽に大満足。どうってことないスナップなんですが、それでもAPS-CのX100Vと比べれば暗部の耐性が段違いなのは一目でわかります。さすが中判、さすがGFX。

今回のソウル旅行では殆どAutoで撮ってます。まずはカメラにお任せしてどんな画が撮れるのかお手並み拝見。

コントラストの高いシチュエーションでも懐の深さを感じさせます。カッコイイよね、このバー。このカメラ、都会の夜に大活躍するタイプ。

たまたま降りた東大門で異様なフォルムの建物を目にしました。これは東大門デザインプラザ(DDP)というデザインミュージアム併設のイベント会場。後で調べたら新国立競技場のデザインで話題になったあのザハ・ハディドの手によるものでした。彼女はその奇抜なデザインから”Queen of the Unbuilt”と呼ばれていましたが、こうやって実現した壮大な建築物を現地で目にすると、これは確かに実際に建てるのは大変だわ、と感じました。余談ですが、最近の日本の建築物は保守的すぎると思っています。例えば梅田のスカイビル(凱旋門のような門の形をした有名なビルですね)のようなアイコニックな建物が少なく、後世に残るモニュメントが不足している。地震などの要因があるのかもしれませんが、建築物を発注する施主の腰が引けている気がしますね。このDDPは一見の価値ありです。

どうってことないただの売店なんですが、黄色の発色を見ていただきたい。

こちらはヴィヴィッドなピンク。今どきのカメラならどうってことなく撮れてしまうのかもしれませんが、中判センサーの懐の深さを感じます。

白飛びギリギリで耐えている。

室内の液晶ヴィジョンが窓ガラスにリフレクション。

韓国と言えば財閥が幅を利かせる社会。ロッテは古いかも知れませんが、一等地に存在感のあるホテルと百貨店があります。

観光名所の景福宮。こういうところでは画角を変えてパノラマで撮ってみたくなる。一億画素の贅沢な使い方。

北村韓屋村の伝統建築エリア。京都の町家みたいな存在ですね。

たった二泊三日の旅だったので駆け足ですが、ざっとソウル旅行を振り返ってみました。これは仁川国際空港のディスプレイですが、ソウル市内は巨大液晶ディスプレイに広告が明々と展開されていて、とにかく派手。その広告も特に不快感があるわけでもなく、コンテンツとして高いクオリティを感じました。ニューヨークのタイムズスクエアのディスプレイ広告とかも有名ですけど、都市デザインの担い手として広告は切り離せないもの。日本ももっと大々的に展開してもいいんじゃないでしょうか。景観破壊になるかどうかはクオリティ次第だと思うのです。
今回のソウル旅行で感じたのは、韓国のデザインセンスの高さ。街中に日本車が殆ど走っていないことに最初は違和感を感じましたが、代わりとなるHYUNDAIやKIAのクルマのデザインがカッコよくて、これは日本でももっと売れてもいいんじゃないかと思いました。韓国メーカはヨーロッパからチーフデザイナーを招聘して、短期間でデザインレベルを上げました。その流れはずっと生きていて、トヨタやホンダよりデザイン的には先を行っているように見受けられます。韓国人はあまりミニバンやワンボックスカーを好まないようで、今でもセダンが中心なのもスタイリッシュさに貢献しています。実用性に偏った日本車のデザインが時に醜悪なのと好対照ですね。これはクルマに限らず、今や家電やスマホ、化粧品、建築に至るまで、韓国のデザインセンスは高い評価を受けています。良いところは素直に受け容れるべきだな、というのが今回の旅の一番の収穫でした。
あ、あと韓国人はとっても動作が速いですよね。せっかちとも言えますがw、個人的に鈍くさいよりキビキビ動いてくれる人の方が好きなので、レストランやカフェの店員さんたちの動きにはとても好感が持てました。こういうところも現地に来ないと分からない旅の醍醐味です。
大阪から飛行機でわずか二時間の距離。みんなが韓国に行くのもよくわかります。多分今の若い人たちは昭和世代と違って変な先入観がないんでしょうね。私たちオールド世代も頭の中をアップデートしないとな、と感じました。
少ない写真でしたが、ソウルの様子と、GFX100RFの実力の片鱗はお感じいただけたのではないかと思います。とにかくコンパクトで写りの良い、万能感のある中判コンデジ。旅の相棒のファーストチョイスになるのは間違いありません。
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