石破首相の退陣表明からにわかに日本の政局が動きを見せています。高市早苗新総裁の選出も驚きでしたが、唐突な公明党の連立与党離脱というニュースには更に驚かされました。もう26年も続いた自公政権のありように疑問を覚えていませんでしたが、冷静に考えると宗教団体をバックにした政党が存在することも、あろうことかその政党が与党として国の中枢に居座ることもおかしいですよね。どういう理屈が働いたのかよくわかりませんが、高市早苗新総裁の最初の大手柄だったと思います。どうもすんなり首相指名とはいかなさそうですが、ここにきて連立政権の枠組みがホットなテーマになっています。戦後永く続いた自民党政権体制が、いま大きく変化する潮目なのですね
皆さんは今の日本についてどう感じてらっしゃるでしょうか? 恐らく多くの人が、現状にそれなりに満足しつつも将来に対しては多いに不安を感じている、というところだと思います。その不安感はどこからくるのか。私は、国の舵取りが正しい方向に行っているという手応えが得られない、のが原因だと考えます。これはつまるところ政治の問題なのですよね
企業はやるべきことをやっています。失われた30年なんてのはマスコミの戯れ言で、民間は必死に置かれた環境で活路を開く努力をしてきたのです。プラザ合意以降の日本経済の苦境は、基本的にグローバルサプライチェーンへの対応のための過渡期の苦しみでした。そりゃそうです。こんなに中国が発展するなんて誰も思ってませんでしたから。日本国内の工場がどんどん中国や海外に移転していって、国内製造業はスカスカになりました。多くのメーカーが潰れ、海外企業の傘下に入りました。関西は製造業の空洞化の影響を一番大きく受けたエリアだと思います。三洋電機もシャープも、姿を消してしまいました。Panasonicは事業構造の変革に四苦八苦しています。しかしながら、SONYのように、また任天堂やUNIQLOのように、グローバル資本主義に最適化して、世界で稼ぐ体制を構築できた企業もいます。いまや日本の総合商社は世界の投資家から注目される存在で、大手企業の主戦場は既に世界に移っていることを示しています。
ダメなのは、民間じゃなくて、政治セクターですよね。第二次大戦から80年が経ち、さすがに日本の政治システムが古くなってしまったのです。行動成長期に機能したのと同じ仕組みで21世紀を乗り切るのは無理があります。そろそろガラガラポンして、これからの時代に即した新しい政治システムを作り直すタイミングなのです
問題は、どう作り直すか、ですよね。少し前に書いた記事があります
ウリケ・シェーデ教授は、日本という国のシステムをポジティブに評価しています。要点をひと言で言うと、「何よりも安定を重視した国家システム」ということになります。つまり、拙速より慎重、革新より継続、激しさより優しさを重視した重視した国ということです。それを国民の意思として主体的に選択した、とはさすがに良く言いすぎと思いますが、結果的に日本という地理的・文化的要因がそのようなゆるやかな変化をもたらしてくれました。いま沢山の外国人が日本を訪れ、異文化体験を愉しんでくれています。皆さんが口を揃えて言うことは、「他の国とは違う」ということ。日本は良くも悪くも独特なのです
これからの日本に必要なのは、「いかに日本の良さを殺さずに環境変化に適応していくか」なのだと思います。
- 少子高齢化
- 社会保障体制の再構築
- 移民受け入れの是非
- 軍事整備
- エネルギー確保
- 教育
人口動態だけは”確実にくる未来”です。今さら出生数が劇的に増える対策などありません。ならば老人世代が負担増に甘んじるしか国のシステムを維持する道があろうはずがないのです。シニア世代だってそれはわかっている。誰が嫌われ役をやるか、だけなのです
移民をある一定のレベルで受け入れることはしかたないでしょう。でも日本本来の良さがなくなってしまっては元も子もない。数と質の両面で制限を設けて社会体制を大きく変えないことが大事でしょう。個人的には、高い家賃は諸悪の根源。諸外国のインフレの原因は、外国人による不動産投資がエスカレートすることにあると考えています。非居住用不動産の取得には制限を設けるべきです
一番大事なのは国防でしょうね。戦後80年、アメリカの傘の下という幻想に寄りかかってきましたが、本当に有事が起きたらアメリカ人が自分たちの血を流すとは思えません。憲法改正してでも、きちんとした防衛軍を整備して、米軍には駐留撤退してもらうプランを真面目に検討すべきでしょう。国民はその覚悟をすべきです
全ての経済はエネルギー確保と無縁ではあり得ません。資源のない国が取れる自衛策は、原子力発電意外にはないんじゃないでしょうか。災害に強い次世代原発の開発に官民挙げて取り組む。その先に核融合発電の実用を見越して
最後に、実は国の盛衰を決める一番大事なこと。それは教育です。どうして日本が明治維新にも戦後の荒廃も乗り切れたのか。世界に冠たる教育水準を保持していたからじゃないですか。いつの時代も国を担うのは若者なのですから
今の政治家に本気で国を憂い、良い未来をこどもたちに残そうと考えている人がどれだけいるのか。我々は日々の生活に精一杯だからこそ、高い議員歳費を払ってでもそういう大切なことを考えて欲しいのです。政治は国民の鏡。選挙できちんと意思表示をしましょうね

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