最近めっきり大物と呼ばれる存在が減ったと思いませんか? 映画、スポーツ、政治、財界、どの業界でも誰もが知るスターという人が見当たらなくなってしまいました。これにははっきりした理由があって、インターネットの普及が原因ですよね
だって考えてみてください。今どきは誰がどこで見ているかわかりません。ジャージでコンビニに買い物に行こうものなら、すぐに隠し撮りされてネットに晒されます。当然誰かとご飯食べたり、タクシーに同乗するだけですぐにスキャンダル扱いです。おちおちデートもできませんw
なにより、昔とは情報の入手性がまったく様変わりしてしまいました。恐らく、ですが、昔の大物とかフィクサーなんて言われる人のパワーの源泉って、要するに情報だったと思うのです。誰かが何かを企てている、水面下でこんな動きがある、なんて情報が集まるルートというものがあったと思うのです。その時の影響力のある人の元には、普通の人ではアクセスできない貴重なネタが集まってくる。それが影響力の根源で、パワーそのものだったのではないでしょうか。だから気の利く新聞記者が、半ば裏の私設秘書としてネットワークを駆使してまだ表に出ない情報を集め、それを大物の耳に入れる。どの情報を拾い、捨てるか。その判断がその人物の器です。本物のスパイって007みたいな派手な立ち回りをするんじゃなくて、大事なポジションで情報をコントロールするんですよね
今の時代はもう全く様子が違います。アメリカの大統領が大事な政策や方針を自分で発信してしまう時代。実は情報機関も一般庶民もアクセスできる情報に大した違いはなくて、その情報の価値の斟酌で差が出るだけな気がします。今の時代に分厚い秘密のベールなんてものはもうなくて、溢れかえるゴミ情報の山から大事なシグナルを見分ける目が求められる。過大なイメージやオーラがキープできないわけなので、そりゃ大物感はなくなります。すっぴんのマリリン・モンローなんて誰も見たくありませんから、ね

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