論理 VS. 感情

なかなかコロナ禍が収まらない。コロナに対する反応は大きく二つに分かれていて、重症患者も死者数も大したことないのだから大騒ぎする必要ないという冷静な論調と、とにかく怖いという感情的な人たち。この二つの視点が全く噛み合わない。私はどちらかと言えば前者で、事実として客観的に現状を見れば、少なくとも日本においてはそこまで深刻に考えなくてもいいと思っている。しかし世の中にはとかく感情的に反応する人が多く、これは論理では説き伏せられない。怖い人に怖がるなと言っても無駄なのだ。



ノーベル経済学賞受賞のダニエル・カーネマンは「ファスト&スロー」の中で、人の意志決定には直感的で感情的な”速い思考”と論理的な”遅い思考”の二つがあると説くが、まさにこの反応がそれである。人間は感情に支配された動物なのだ。論理的に思考し、行動できる人は少数派である。この大衆パニックは当分収まらないだろう。やれやれ。

どうやったらこのパニックから脱出できるか、考えてみる。

1.治療薬の開発
 一番はこれ。インフルエンザにおけるタミフルのように、重症化しても助かる道があれば一気に不安が小さくなるだろう。しかし治療薬の開発には時間がかかる。年内は無理だろうな。

2.もっと大きなインパクトのある出来事が起きる
 これはあまり考えたくない。大地震や、戦争、ないしは災厄。しかしこれだけ世界中広範囲に大きなパニックを引き起こせる出来事が思いつかない。ABC兵器なんて言い方をするけど、Bつまり生物兵器が最凶だったんだな。製造コストも安そうだし、引き起こせるパニックを考えるとこれ以上コストパフォーマンスの高い方法はないかも。今後は映画でもテロリストの武器として細菌兵器を取り上げることが増えるんだろう。全世界の人々がその怖さを思い知ったから。

3.飽きる
 人の噂も七十五日なら三カ月ほどで飽きそうなものだが、リアルタイム進行形のままでは飽きるモードに持っていけない。一番いいのはマスメディアが報道姿勢を改めることだが、日本のメディアに良識を求めても仕方ない。これだけ毎日ワイドショーで煽られたら、いつまでも不安心理は退かない。メディアに加害者意識はないのだろうか。煽るなら熱中症の重症者と死者数も同じように報道して欲しい。この熱波の方がはるかに危険なのだから。

こちらの記事によれば、2割の企業はコロナ禍でも増益なのだ。任天堂は独り勝ち状態だし、トヨタだってちゃんと利益を確保している。結局のところ環境への変化対応力が強い企業、フレキシブルに対応できる柔軟性の高い企業は生き残るのだ。ある意味、企業体力を焙り出しているとも言える。我田引水だけど、今取れる即効性の高い対策はECだ。いずれ始めようと思っていて手が付けれていない企業、やり始めてはいるけどまだまだ本格的に売上が作れていない企業。そんなところは多いはず。逆に言えば、のりしろがある。飲食店もテイクアウトはインハウス需要とのトレードオフの面があるので、物販が活路を開くきっかけになるかもしれない。サービス業はネットからの集客導線を作れているかどうか。あまり意識していなかった企業も多いはず。気を強く持って、できることをやろう。商売人はしたたかでなければ。

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