世界で勝てる日本企業

今の若いひとには信じられないかもしれませんが、日本はアメリカを追い落として世界一の経済大国になりかけていたことがあるんですよ。今の中国のような立場といえばお分かりいただけるでしょうか。後年バブル期と言われる1980年代がそうでした。

戦後の高度成長が人口ボーナス期の追い風を受けて絶好調だった日本。転機は二度のオイルショックでした。西欧諸国が成長の限界に直面して恐れおののいた苦境を乗り切ったのは、省エネ技術だったのです。日本の細部にこだわる精神性と、分厚い中間層がアナログすり合わせという特技で世界の最先端に躍り出ました。この時期の日本の躍進ぶりはアメリカにとって心底脅威だったと思います。社畜ぶりが揶揄され、欧米とは異質な文化を背景とする異民族の得体の知れないパワーに西欧は恐怖感を覚えたのです。当時のアンチ・日本ぶりは下記の動画を見れば一目瞭然。

●日本車を壊すアメリカの労働者 『日米貿易摩擦』



今でも日本車の競争力はキープされていますが、1980年代当時は家電・半導体・繊維・素材、あらゆる製造業カテゴリーで日本企業が世界を席巻していました。しかし1989年のバブル崩壊を境に日本企業の勢いは失われていきます。冷戦の終結によるグローバル市場の創出、さらにインターネットの出現への対応遅れ。製造現場の知見がデジタルに置き換わり、最新の製造設備を購入さえすれば途上国でも最先端技術をキャッチアップできるようになったことが日本の強みを失わせてしまいました。アナログ技術が重視される現場力よりも、投資判断がモノを言う経営戦略勝負に勝敗の帰趨は変化してしまったのです。経営幹部の質、経営戦略で日本はアメリカ・中国に負けてしまっていますよね。

いま求められているのは、新たな”日本の勝ちパターン”です。と書いて気付きましたが、主語が”日本の”というのは大きすぎるのかもしれませんね。もはや日本企業を一括りにできる時代ではなく、個別企業が個別の戦略と努力で成功を摸索する時代なのでしょう。

世界時価総額ランキング

日本企業で勝ち組と目されているのは、トヨタ、ユニクロ、ソフトバンク、日本電産、リクルート、ダイキン、コマツ、ブリヂストン、キーエンス、ファナック、あたりでしょうか。本来、現代的な価値を創出しているべきIT企業の名が上がらないのは残念ですね。メルカリ、サイバーエージェント、DeNAあたりの国内有名IT企業も世界ではまだまだ無名の存在です。

個人的には、食とポップカルチャーの分野は日本が独特の強みを発揮できている領域で、今後も有望だと思っています。日本語の壁に甘んじず、世界市場で本気勝負してほしいものですね。就職人気企業ランキングと世界での評価はズレていますが、若い人には外に目を向けて実力企業で腕を磨いてほしいです。一人でも多くのチャレンジャーが生まれることが、この国を元気にするのだと思っています。

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