2020年の振り返り

今年の年始には、まさかこんな年になるとは思っていませんでした。世界中の誰もがそうだったと思います。世界史の教科書に載るような大災害、コロナ禍は年末を迎えても終息の兆しを見せていません。いつ落ち着く日が来るのでしょうか…。

恐らく、正解は中国式の封じ込め策なんですよね。私も当初は経済回せ派だったんです。コロナなんてインフルエンザと同等の軽度の感染症なんだから、大騒ぎする方が間違ってる。普通に生活しよう、と思っていました。しかし、それは多分間違っています。

理由は、人はそこまでロジカルじゃないから。論理的に重症者数や志望者数のデータを分析すれば、経済回せ派の言い分に理があるのでしょう。年輩者や基礎疾患を持つ人が個別にケアすれば、大多数の人はそこまで活動を自粛する必要はないはず。でも残念ながら、人は感情で動く動物なんです。だから大多数の人が持つ”怖い”という感情をクリアできないかぎり、生活が元に戻ることなんてない。そこをいつまでもロジックで理屈を通そうとするから、世論と噛み合わない。インフルエンザの発症数が例年の1/300と聞きます。みんなの感染症対策は間違っていない。だから本当は全員が我慢してロックダウンして感染者を抑え込む方が、結果的に状況の回復が早く来るのだと思います。それは既に中国・台湾・香港等で実証されているんです。しかし日本はドラスティックな意志決定が苦手な国。このまま医療崩壊を招かない程度のギリギリの線をキープする路線で中庸路線を進むしかないのでしょう。ということは、コロナ禍は長引くということです。

悪いことばかりではなく、コロナはリモートワークの進展という良い影響ももたらしてくれました。何もなければ導入に長い年月がかかったであろう自治体が率先してリモートワーク対応、そして押印廃止、業務効率化に舵を切っています。これは日本の遅れた部分の合理化にプラス要因。航空・旅行産業はちょっと打つ手が見当たりませんが、飲食店などはケータリングやECへのシフトが進んでいます。どんな形であれ、環境変化は起こります。企業家に必要なのは、変化への対応速度。自分だけじゃない、みんなに起きている災厄なのだから、そこから抜け出せるかどうかはスピード次第。いちばん大切なのは、経営者自身のモチベーション。気持ちを切らしてしまっては終わりです。苦しい時に踏ん張りましょう。なんとか活路を見出して、前に進むしかないんです。ヒントは沢山あるはずなので、うつむかずに、今こそ上を向いて歩きましょう。

会社としては、地道な改良に取り組んだ一年でした。

●おちゃのこネット
 カート保持期間の延長、カートステップ短縮、という積年の宿題を片付けました。どちらも必要な工数の重さに腰が引けて、何年も前からやらなければならない課題として認識はしていたのですが、手を付けれていなかったテーマでした。開発にアジャイルスタイルを導入して、個人からチームとしてのパフォーマンスを重視するように切り替えたことが奏功したように思います。おちゃのこネットというレガシーシステムを抱えながら、開発手法については新しいやり方に取り組んできましたし、これからも進化していきたいと思っています。

●楽らクラウド
 経験者エンジニアの採用は相変わらず難しいのが現実。なので、未経験者を育成する方向にシフトしました。人柄やポテンシャルのある若い人たちを採用できたので、正解だったと思います。組織には新しい血が必要なんですよね。「おちゃのこポップアップ」はそんな若いチームの成果の一つ。いま、さらに別の新しいプロダクトも開発中です。来年早々にはお見せできるはず。エンジニアが育つ会社でありたいと思っています。

●CARZY
 かなり狭い特殊な領域向けのプロダクトなんですが、サービス設計に四苦八苦しながら細かい修正と検証を繰り返してきました。新サービスを狙って当てる難しさを実感していますが、それでも関わる方たちからのポジティブなフィードバックに救われています。最新のWebとスマホアプリ環境で開発の経験を積めたことも大きな財産。来年はサービスの認知度を上げていきたいと思っています。

その他にもサブスクリプション型の制作サービスやデザインプランの提案、さらにYouTubeによる動画配信と、デザインリソースの活用にも取り組んでみた年でした。特に動画は最後のリッチコンテンツとして、これからも存在感が高まる領域です。全てのプレイヤーにとって必要なスキルになっていくと思います。制作のハードルは格段に上がってしまうんですが…。

今のネットを見ていて感じるのは、SPAMやノイズが多すぎる、ということです。「ベテラン店員のような接客」「イケてるコミュニケーション」からは程遠いのが現状。この問題に気の利いたソリューションを見つけた企業が次のチャンピオンになるんじゃないでしょうか。まだまだやるべきこと、改善できることは山ほどあるんです。リアルの現場に比べれば、ネットはチャンスの宝庫。知恵を絞って、”まだ誰も気付いていない真実”を探しましょう。資本がなくても、智恵で勝てるのがネットの良いところですから。

来年も宜しくお願い致します!