趣味車というカテゴリー



CARZYというサービスについて、思うところをお書きしておきます。

どうして今ごろクルマ、それも狭い趣味車のサービスなんてやってるのかとお思いの方もいらっしゃるでしょう。若者のクルマ離れと言われて久しくもあり、クルマというカテゴリーそのものがオワコンと思われている節もあります。それは果たして正しいのでしょうか。

実は各地にクルマ好きが集まるスポットがあります。関西だと、芦屋の芦有展望台や京都のカフェセブン。関東圏だと大黒PAや箱根ターンパイクでしょうか。週末の早い時間にそういう場所を訪れると、ちょっと雰囲気の違うクルマたちがたむろしているのに出会うはず。そう街中を走る実用車とは明らかに様相が異なるのです。

クルマのCMを見ていると分かりますが、世間でよく売れているクルマは概ねミニバンと軽自動車。実用の観点からクルマを選べばそうなりますよね。でもそんなクルマは運転していても楽しくない! 人とモノを運ぶためだけにクルマに乗るのを良しとしない人が世の中には沢山いるのです。そんなクルマ好きが選ぶクルマは、やっぱりスポーツカー。乃至は、ちょっと古い味のある旧車なんですよね。私たちがCARZYで分かりやすい基準に選んだのは、”2ドア車”でした。クルマ好きじゃないと絶対に選ばないカテゴリーですよねw

国産メーカーでチェックしてみましょう。現行車種として販売されているクルマの中で2ドア車がどれくらいあるか?

●トヨタ
 ・86
 ・スープラ

●LEXUS
 ・RC
 ・LC

●日産
 ・フェアレディZ
 ・GT-R

●ホンダ
 ・NSX
 ・S660

●マツダ
 ・ロードスター

●スバル
 ・BRZ

●ダイハツ
 ・コペン

今や絶滅危惧種であることがわかりますねw だからこそ、2ドア車を選ぶ人は特別なクルマ好きと言えるのです。人も荷物も積めない、税金や保険料も高い、燃費も悪い。でも実用車では代わりにならない運転する歓びがある。クルマ好きの魂に訴えかける何かがそこにあるのです。

いま日本国内では年々クルマが売れなくなっています。人口は減るし、何より趣味におカネを掛けられる人が減っています。若者がクルマに乗らなくなったのは、おカネがないというのも大きな理由ですよね。でもだからこそ、これからは人生にゆとりが出た年配層を中心に、大人の趣味としてのクルマが見直されると思います。実用車をわざわざ自分で買う必要なんてないんです。カーシェアリングでいい。買うなら軽で充分。もしコロナ禍で東京中心のライフスタイルに変化が生まれるとすれば、田舎でゆっくり暮らす人が増えるでしょう。過密な都会を離れたら、ぜひ古いオープンカーを一台買ってほしい。そして夫婦でドライブに出かけてみてください。きっと今まで見えなかった風景に出会えるはず。生活に潤いがもたらされるってそういうことだと思います。実はコレクタブルカーは価格が落ちないというメリットもあるんですよね。下手したら、買った時より値段が上がるケースだってあり得る。絵画と同じマーケットになっていくんだろうと思います。

デジタル全盛の現代だからこそ、アナログな機械の感触に触れるとホッとする。そんな気持ちをみんなが抱いているんじゃないでしょうか。これからの時代で大事なのは、生きる愉しみなんじゃないかな。エンターテインメントこそが一番優先順位の高いものになっていくと思うのです。だからある意味、時代を先取りしているつもりでCARZYに携わっています。笑顔な人の周りには人が集まりますからね。

論理 VS. 感情

なかなかコロナ禍が収まらない。コロナに対する反応は大きく二つに分かれていて、重症患者も死者数も大したことないのだから大騒ぎする必要ないという冷静な論調と、とにかく怖いという感情的な人たち。この二つの視点が全く噛み合わない。私はどちらかと言えば前者で、事実として客観的に現状を見れば、少なくとも日本においてはそこまで深刻に考えなくてもいいと思っている。しかし世の中にはとかく感情的に反応する人が多く、これは論理では説き伏せられない。怖い人に怖がるなと言っても無駄なのだ。



ノーベル経済学賞受賞のダニエル・カーネマンは「ファスト&スロー」の中で、人の意志決定には直感的で感情的な”速い思考”と論理的な”遅い思考”の二つがあると説くが、まさにこの反応がそれである。人間は感情に支配された動物なのだ。論理的に思考し、行動できる人は少数派である。この大衆パニックは当分収まらないだろう。やれやれ。

どうやったらこのパニックから脱出できるか、考えてみる。

1.治療薬の開発
 一番はこれ。インフルエンザにおけるタミフルのように、重症化しても助かる道があれば一気に不安が小さくなるだろう。しかし治療薬の開発には時間がかかる。年内は無理だろうな。

2.もっと大きなインパクトのある出来事が起きる
 これはあまり考えたくない。大地震や、戦争、ないしは災厄。しかしこれだけ世界中広範囲に大きなパニックを引き起こせる出来事が思いつかない。ABC兵器なんて言い方をするけど、Bつまり生物兵器が最凶だったんだな。製造コストも安そうだし、引き起こせるパニックを考えるとこれ以上コストパフォーマンスの高い方法はないかも。今後は映画でもテロリストの武器として細菌兵器を取り上げることが増えるんだろう。全世界の人々がその怖さを思い知ったから。

3.飽きる
 人の噂も七十五日なら三カ月ほどで飽きそうなものだが、リアルタイム進行形のままでは飽きるモードに持っていけない。一番いいのはマスメディアが報道姿勢を改めることだが、日本のメディアに良識を求めても仕方ない。これだけ毎日ワイドショーで煽られたら、いつまでも不安心理は退かない。メディアに加害者意識はないのだろうか。煽るなら熱中症の重症者と死者数も同じように報道して欲しい。この熱波の方がはるかに危険なのだから。

こちらの記事によれば、2割の企業はコロナ禍でも増益なのだ。任天堂は独り勝ち状態だし、トヨタだってちゃんと利益を確保している。結局のところ環境への変化対応力が強い企業、フレキシブルに対応できる柔軟性の高い企業は生き残るのだ。ある意味、企業体力を焙り出しているとも言える。我田引水だけど、今取れる即効性の高い対策はECだ。いずれ始めようと思っていて手が付けれていない企業、やり始めてはいるけどまだまだ本格的に売上が作れていない企業。そんなところは多いはず。逆に言えば、のりしろがある。飲食店もテイクアウトはインハウス需要とのトレードオフの面があるので、物販が活路を開くきっかけになるかもしれない。サービス業はネットからの集客導線を作れているかどうか。あまり意識していなかった企業も多いはず。気を強く持って、できることをやろう。商売人はしたたかでなければ。