日本の未来は明るい

なんてお書きすると意外に思われるでしょう。この30年負けっぱなしの日本は随分先行きが暗い国になってしまいました。敗戦後からオイルショック(1973年)まで高度成長を遂げて絶対の勝ちパターン、つまり”良いモノを安く作る”で世界を席巻したジャパンパワーは、プラザ合意(1985年)後の内需拡大でバブルを招き、バブル崩壊(1989年)以降は全く世界で勝てなくなってしまいました。優秀な現場力でアナログな摺り合わせ技術を磨いた勝ちパターンが通じなくなってしまったんですよね。面倒なアナログ摺り合わせ技術からデジタルにノウハウが移転して、韓国・台湾・中国が最新の製造設備を導入すれば良いモノを安く作れるようになってしまった。そこで日本は先進国としての新しい勝ちパターンを作らねばならなかったのですが、作れず今日に至る。つまり平成以降に生まれた若者はもう勝っていた日本のイメージを持てないわけです。おカネが回らないから結婚や子育てにも踏み切れず。そりゃ少子化になりますよね。じゃあどうすればいいのか。

日本の未来は明るい

辛口な渡辺千賀さんがこうまで日本の将来に楽観的なエントリーを書かれることが本当に意外でした。読んでみて納得。確かに日本はダイバーシティ化が急速に進んでいます。

日本がいつのまにか「世界第4位の移民大国」になっていた件

これを聞いて本気で驚いたんですが、日本って移民に厳しい政策を取っていると思っていたので世界四位の移民大国とは知りませんでした。確かに東京でコンビニや飲食店に入ると店員さんは外国人だらけだし、日本企業の中に外国人の方を多くお見受けするようになっているとは感じていました。
歴史上栄えた文明は、アジアも含め、移民比率の高い場所で起こった
これは自明の事実ですものね。そうすると外国人が増えている今の日本の状況は良い傾向と考えるべきなのでしょうね。純粋な日本国民が2/3程度いればカルチャーは守れそうだし、多少コスモポリタンな国になってもそれはもうグローバル化の必然と受け入れるしかないのだと思います。
企業にダイバーシティが必要だ、と言われるのは、「可哀想な人をちゃんと使ってあげましょう」ということではなく、ダイバーシティによってアイディアの幅が広がる、人材の母集団が増えることでより優秀な人が集められるようになる、といったことで業績が向上するから。「何が変えられるか」という判断が違う人たちが増えるのももちろんダイバーシティである。
これはウチでもひしひしと感じています。ここ半年ほどで入社した新しいメンバーがどれほどの新しい風をもたらしてくれたことか。化学反応って起きるんですよね。企業の経営陣に外国人や女性がどんどん増えて、日本に活力が戻ることを本当に願っています。まずは自社から、ですよね。

仕入れを値切るな

ドキッとされた方も多いのではないでしょうか。実は私もそうでした。これは知人である”日本一予約の取れない焼き肉屋さん”肉山の光山英明さんの言葉なんです。

赤身肉ブームの先駆け的存在『肉山』。「決して値下げ交渉しない」理由とは?

何が値打ちあるって、光山さんは”値切ってなんぼ”のこてこての大阪人なんですよね。だからこそ、言葉に重みがあります。私も関西で暮らして長いので知らず知らずのうちに値切るカルチャーが染みついていまして、どうしても値段交渉をしたくなります。その時にこの言葉を思い出して、じっと我慢をするようにしています。その理由とは。

仮に言い値を値切って仕入れたとします。仕入先さんはどうお感じになるでしょうか。”値切られた” ”どこかでコストを下げて元を取ろう”と考えるのが普通じゃないでしょうか。つまり値切ることで本来得られるはずだったモノやサービスの質が下がってしまうのです。逆に言い値で買った場合はどうでしょうか。”良いお客だ” ”この付き合いを大事にしよう”と思うのが人情です。つまり普通の取引よりも身を入れて良いものを納入しようと考えるのじゃないでしょうか。これはモノに限らず、ソフトウェア開発やコンサルティングなどのサービス提供の場合も同じことです。つまり取引においては、

1.言い値で買う
2.買わない

の二択しかなく、3.値切って買う、は最悪の手段なんですね。よく考えると今まで恐ろしいことをしていました。

これ実は関西の悪癖なんだと思います。大阪人はケチることを自慢する風潮がありますけど、それで失っている機会がどれだけあるか考えてみるべきです。質の高いサービスを提供したいと思っている会社も個人も、できるなら東京で高く買って欲しいと思いますよね。そうやって良い人や会社がどんどん東京に逃げていくのです。だから関西に文化も会社も育たないと言われちゃうんじゃないでしょうか。

節約する、始末することとケチることは本来違うはずなんです。無駄なお金を使う必要はありませんけど、何でもケチって値切る意識は捨てた方がいいですよね。自戒を込めて。