仕入れを値切るな

ドキッとされた方も多いのではないでしょうか。実は私もそうでした。これは知人である”日本一予約の取れない焼き肉屋さん”肉山の光山英明さんの言葉なんです。

赤身肉ブームの先駆け的存在『肉山』。「決して値下げ交渉しない」理由とは?

何が値打ちあるって、光山さんは”値切ってなんぼ”のこてこての大阪人なんですよね。だからこそ、言葉に重みがあります。私も関西で暮らして長いので知らず知らずのうちに値切るカルチャーが染みついていまして、どうしても値段交渉をしたくなります。その時にこの言葉を思い出して、じっと我慢をするようにしています。その理由とは。

仮に言い値を値切って仕入れたとします。仕入先さんはどうお感じになるでしょうか。”値切られた” ”どこかでコストを下げて元を取ろう”と考えるのが普通じゃないでしょうか。つまり値切ることで本来得られるはずだったモノやサービスの質が下がってしまうのです。逆に言い値で買った場合はどうでしょうか。”良いお客だ” ”この付き合いを大事にしよう”と思うのが人情です。つまり普通の取引よりも身を入れて良いものを納入しようと考えるのじゃないでしょうか。これはモノに限らず、ソフトウェア開発やコンサルティングなどのサービス提供の場合も同じことです。つまり取引においては、

1.言い値で買う
2.買わない

の二択しかなく、3.値切って買う、は最悪の手段なんですね。よく考えると今まで恐ろしいことをしていました。

これ実は関西の悪癖なんだと思います。大阪人はケチることを自慢する風潮がありますけど、それで失っている機会がどれだけあるか考えてみるべきです。質の高いサービスを提供したいと思っている会社も個人も、できるなら東京で高く買って欲しいと思いますよね。そうやって良い人や会社がどんどん東京に逃げていくのです。だから関西に文化も会社も育たないと言われちゃうんじゃないでしょうか。

節約する、始末することとケチることは本来違うはずなんです。無駄なお金を使う必要はありませんけど、何でもケチって値切る意識は捨てた方がいいですよね。自戒を込めて。