大阪でのUber Taxiスタート!

Uber Taxi、大阪でのサービス開始を発表 日本国内での更なる展開へ

昨日もJR大阪駅から乗ったタクシーがクレジットカード使えなくてげんなりしました。イチイチ文句言うのも疲れて、どうしてこんなに大阪のサービスレベルが低いのか呆れていたのですが、ようやく大阪でTaxiのUberがスタートしました!

私は基本的に個人タクシーに乗りません。一部、非常に良いサービスの個人タクシーさんもいらっしゃるんですが、概ねサービスレベルが酷い。クレジットカード決済できないのが当たり前だし、接客態度も悪い。私と同じように個人タクシーは使わないという人も多いみたいです。大手・準大手タクシー会社のクルマも、関西ではちょいちょいクレジットカード決済できないクルマが存在し、よほど急ぎの時以外は乗車時に必ずカード決済の有無を確認して、使えないクルマはパスしています。東京では当たり前のSuica決済は関西圏は皆無。もう何年も前から改善される兆しが見えないのです。

諸悪の根源は、競争原理の不在です。タクシー業界は自分たちの既得権益を守ろうとして、結局自分たちの首を絞めています。日本交通の川鍋さんあたりは改革の必要性をよくよくお分かりなのでしょうが、業界全体として新しい風を迎え入れているとは言い難い。こうなると改革には外圧、黒船が必要になります。その筆頭がUber。古い体質のタクシー業界にも一定数のチャレンジャーが存在していて、こうやってフライング的にUberとの協業を実行するところが出てくるんですね。いいことです。

一人の消費者の立場から、こういう新しいサービスは積極的に利用して応援したいと思います。新しい取り組みを成功させて、どんどん後に続いて欲しいですものね。チャレンジ、万歳!

Google vs. Indeed

Googleが求人情報検索サービスを日本でも公開

アメリカでは2017年5月にローンチしていたそうなので、関係者には驚きはないのでしょう。求人情報がおカネの取りどころであることは自明なので、むしろGoogleのアクションは遅すぎるくらいです。リクルートの高収益ぶり、Craigslistが求人情報への課金だけで成立していること、などを見ても、マーケットの最大の商材はヒトなんですよね。Googleのやることがなんでも正解というわけではないけれど、求人の動線に影響があるかもしれませんね。

問題は、そんなに貴重な人的リソースを本当にちゃんと活用しているのか、という点です。最近SES(要するにエンジニアの派遣です)の現場を見ているのですが、少しずつ環境が改善されてきているとはいえ、相変わらずブラックな職場が多いことに驚いています。長時間労働、無理な納期、プレッシャー、、、。実は末端の零細企業の方がコンプライアンス的に保護される傾向にあり、元請けの一次SIerにしわ寄せがいくケースも多いみたいですね。そりゃメンタルやられるエンジニアが後を絶たないわけです。いつまでこんなことを続けているのでしょうか。

私見ですが、諸悪の根源は元請けの営業スタイルにある気がしています。顧客は悪くない。だってユーザーがITに疎くてもそれは仕方ないじゃないですか。問題は、プロである一次請けが顧客とプロジェクトの実態に即した提案をしていない点にあると思うのです。仕様を定義しきれない曖昧なプロジェクトをウォーターフォールスタイルで受注するから、問題が起きるんじゃないでしょうか。恐らく自社サービスを企画・開発しているベンチャー企業は、概ねアジャイルスタイルに移行しているはずなんです。これは多くのシステム開発プロジェクトで有効性が証明されている手法なのですから、古いスタイルに拘らずに積極的に導入すれば問題の多くが改善するんじゃないでしょうか。銀行の勘定系システムのリプレースとか、ウォーターフォールスタイルに向いた大規模案件もあるでしょうが、絶対数からすれば少数のはずです。というか、これからの時代はITシステムの出来が企業の競争力に直結するのですから、外注任せじゃなくて自前のIT部隊を抱えるべきですよね。

若い人が夢を持って入ってこれる明るいIT業界を作りたい。そのためには、実は自社サービスをスケールさせることが最良の成功パターンだと思っています。ハイリスク・ハイリターンですけど、絶対その方が楽しいですよね。CARZYとおちゃのこネットを頑張ります!

トップダウンのススメ

ある人に「トップダウンで意思決定できるのはオーナー経営者の特権ですよ。社員が100名超える規模になると現場が見えにくくなって直接判断できなくなるし、サラリーマン社長にはなかなか取れないスタイルなんです。ある意味、武器ですよ」と言われました。なるほど。ここ、私の中で少し迷いがありました。

自分だけで正しい答えを出しきる自信が持てなかったので、可能な限りメンバーに議論に参加してもらって着地点のコンセンサスを取りたいと思っていたんですよね。しかし議論に関わる人数が増えるほど結論がセーフティで冒険しないものになりがちですよ、という指摘には頷かせられました。リスクを取れるのは、結局経営者だけなんですよね。そこの荷物を軽くしようと思っても、メンバーに背負わせるわけにはいかないのです。

仮に意思決定が間違っていてもいい。その時の修正スピードが早ければいずれ正しい方角に進むはず。決めれないことこそが最大の誤り、と聞いて少し気が楽になりました。振り返れば過去ずっと最終的な意思決定は自分で下してきたんですけどね。メンバーにやらされ感がありはしないか、当事者意識を持って取り組んでくれるのだろうかという心配をしすぎて、遠慮するマインドになっていたのかなと反省しました。

特に日本ではコンセンサス形成型の意思決定プロセスが重視されるので、個人がトップダウンでものごとを決めるということに慣れていないんですよね。しかしどんな手順を取ったにせよ、結果に対する責任は経営者が独りで背負うもの。であれば、可能な限り判断のための材料は拾った上で、最後は自分で決める。そこの覚悟を決めて腹を括らないと経営者は務まりません。孤独ではありますが、その分成果が出たときの喜びも一入。勇気を持って前に進みましょう。

リモートワークの必要性

東京に来ると、その人の多さと密度に圧倒されます。電車は常に満員状態で、ホテルも飛行機も新幹線もいつも混み合っており、早めに予約をしないと良い席は押さえられない。ビルは強烈な存在感で迫り、ここが日本経済の中心である事実を否応なしに突き付けてきます。ビジネスをする場としては申し分ない。

しかし、これが生活者の視点に立てばどうだろうか。この通勤電車に好んで乗っている人はいまい。住宅価格の高さは戸建てマイホームなど夢のまた夢で遠い存在に追いやってしまう。この街に住んでいる人はこの環境に適応しなければならないのだから、諦めてしまっているのだろう。しかし、ストレスは着実に鬱積しているのではないだろうか。エンジニアの間でリモートワークがもてはやされるには理由があるのだ。

リモートワークは万能の仕事スタイルではありません。ものごとなんでも、メリットの裏にはデメリットがあります。一番の懸念はやはりコミュニケーション。これはツールや環境を用意すればそれで解決するものでもなく、企業のカルチャーが成否に大きく影響を及ぼします。元々風通しの悪い社風の組織が安易にリモートワークを導入すれば、各所にコミュニケーションのギャップが発生してスムーズに仕事が運ばなくなることでしょう。在宅で勤務するメンバーを信頼出来なければ、監視する方向にマネージメントが向きがちで一層会社の空気が悪くなります。実際にリモート側を体験すれば分かりますが、環境の不備で音声や映像が満足に機能しないと本社側の話の輪に入っていけなくなり疎外感を抱きます。時間の区切りがなくなり、働き過ぎるという弊害もよく耳にします。これらのデメリット対策への取り組みを既に経験した先人のノウハウや知恵に学ぶべきところは多いのです。

すんなりとは実現しない夢のリモートワーク環境ですが、それでも導入を図るべきであると私は考えます。これは東京一極集中の解消と、真の生産性向上、そして場合によれば国境を越えたグローバルなチーム編成といった多くのメリットが望めるからです。一箇所に集まって、ただ拘束時間を過ごせばそれで仕事した気になる、そんな古い働き方は捨てるべきなのです。日本が本当の意味で先進国としてハイクオリティな生活を手にしたいのなら、上手にリモートワークを取り入れることはもはや企業の生き残り必須条件と化していると思っています。対応できない企業には有能な人が集まらなくなり、緩やかな衰退を止められなくなるのです。物理的な時間で人を管理するマネージメントは前世紀の遺物なのだと思います。

自社サービスを提供している企業だけでなく、受託開発や場合によってはSESビジネスの現場においてもリモートワークを上手く活用することはできないものだろうか。これはチャレンジする価値のあるテーマです。何かの形でトライしてみようと思っています。

働くモチベーション

皆さま明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。

お正月はゆっくりされましたか? 私はいつも通り、三重と京都の実家に帰省して、あとは銀行に行く用事もありましたが、家族でゆっくり過ごしました。京都のカミさんの実家で甥っ子たちと食事をしていて、「あー、明日からまた仕事か〜 嫌だな」と言ってるのを聞きました。普通の人はそうですよね。仕事に行くのは嫌なこと、気が重いことなんです。できれば会社に行きたくない、家にいたい。世間の大半の人はそうだと思います。では、私はどうか? 逆なんですよね。早く仕事が始まらないかと待ち遠しい。この差はどこから来るのか?

一番大きな違いは、自分で決めれるかどうかの差だと思います。社長の仕事って、思われているほどラクじゃない。プレッシャーは大きいし、日々抱えているストレスはサラリーマンとは比べものにならない重さ。多分少しでも経験すれば普通の人は逃げ出すだけのシンドさがあると思います。経営者の孤独感に耐えられる人は少ないのです。でも多くの社長はその座を明け渡そうとしません。会社が潰れて再起を図るときでも、また自分で会社を立ち上げる選択肢を取るのです。それはひとえに意志決定権を持つことの重要性を認識しているからなのでしょう。逆に言えば、他人に指図されることが耐えられない。振り返れば、会社勤めをしている時からそうでした。社長や上司に指示されるのが大嫌い。自分の役割を俯瞰で見て、自分で戦略・戦術を考えて実行するのが好きでした。元々独立志向が強かったわけではないのですが、組織を出て自分の城を作るのはある意味既定路線だったのかもしれません。

自由と平等、と語られることが多々あります。実はこの二語は並列で考えられる概念ではなく、むしろ対立する考え方です。自由に活動すれば、結果には差が出る。弱肉強食が資本主義のルールですから、それぞれが自分の持つ能力を全開で戦わせれば、必ず勝者と敗者に分かれるのです。だから、結果平等の社会を作ろうと思えば、個人の自由な活動を制約して社会的に再配分する仕組みを用意する必要があります。それが税制であり、各種の規制です。独禁法がなければ、資本主義社会は恐ろしく歪んだ強者が支配する暗黒社会になるはずです。IT業界ではそれが顕在化してしまっているところがありますよね。Apple、Google、Facebook、Amazonのダントツの支配力を見れば明らかです。結果に差が出すぎないように調整するのは、多くの人が暮らす社会生活を安定させるための先人の知恵なのでしょうね。

人を二種類に分けるのは乱暴で底の浅いやり方ですが、あえて区別するなら、闘争本能の強い人と弱い人、攻撃的な人と従順な人、リーダーとフォロワー、リスクを取る人と安定志向の人、に分かれると思います。多分私は、リスク志向の強い人間で、守るよりも攻めたい方で、従順に他人の後を付いていくよりも自分が先頭に立って道を切り拓きたい人間なのです。それが勝者への道とは限りませんが、仮に負けても自分の信念を試したい、自分で自分の道を決めたいと強く思っています。そしてこれは世間では少数派の存在なのだろうなとも自覚しています。グルーコードの嵐さんはよくこう口にします。「人は、安心・安全・安定を望むもの」。確かにそうなんですよね。自分の意思を押し通すよりも決められたやり方を守って与えられたミッションを達成することを優先する、多くを望まずにほどほどの成果で満足する、なるべくリスクを避ける意志決定をする。この比率は昔からあまり変わっていないのかもしれません。

しかしながら、現代社会では少し様相が変わってきているところがあります。それは、もう生存のための心配をしなくても生きていける、という点です。我々が暮らす日本のような先進国では、もう道ばたで行き倒れるようなことは起きません。生活保護だって病院だって刑事施設だって、最低限の生活は保障してくれるのが日本です。つまりどんなにリスクテイクな選択をしても、命までは取られないのが現代の世の中です。であれば、もう少し思い切ってリスクを取る生き方をしてもいいんじゃないでしょうか。特に未来のある若い人は。私が思うに、ここの意志決定を歪めているのは親の世代の干渉です。世間はそんなに甘くない、自分の分を弁えろ、背伸びをせずに地に足を着けて生きろ。そうやって若い人の芽を寄ってたかって摘んでいることが多いんじゃないでしょうか。それで日本からAppleやGoogleが生まれるわけはありませんよね。

自分を振り返ると、昔からなぜか、「普通と違っている」と言われることに喜びを感じてきたような気がします。リクルートへの就職、零細企業への転職、独立開業、自社サービスへのシフト、海外シフト。どれも各々の意志決定シーンでは賛成よりも反対の声の方が強かった。それでも自分の考えを貫いてきたのは、他人がやっていないことをしてみたい、他人と違うやり方を試したい、という強烈な欲求です。この欲求がどこから生まれるのか、あまり自覚はないんですが、やはり普通とはだいぶ違うのかもしれません。だから思うのです。普通のことを普通のやり方でやるのなら、私がやる意味はない。やるからには、普通じゃないやり方を試したい。結果がどう出るかは分かりませんが、たぶんこれは私の本質的な性分なので、死ぬまで治ることはないのでしょう。私が現役で仕事をできる期間はそれほど長くはありません。残りの時間でどこまで行けるか、思い切り試してみようと思います。こうやってこれからのチャレンジを思い浮かべると、早く仕事に掛かりたくてワクワクするんですよね。願わくばこの冒険の旅をスタッフが同じように楽しんでくれるといいのですが。昨年以上にアグレッシヴにいきたいと思いますので、2019年も宜しくお願い致します。