「楽らクラウド」社の事業譲受のお知らせ

楽らクラウド

前回のBLOGからかなり更新間隔が空きましたが、この間に上記のSES事業会社の株式譲渡を実施しました。グルーコード社の嵐社長とM&A仲介会社、そして楽らクラウド社の社員の皆さん、ほか関わった多くの方々に厚く御礼申し上げます。

正直なところ、当初は私自身がこの事業譲渡が実行できるとは思っていなかったんです。オファーを頂いてすぐに手を挙げたものの、競合先がかなりの数ありましたし、その中には上場企業も含まれていたと聞いています。資金力では到底太刀打ち出来ないと覚悟していたので、弊社に譲渡が決まったと聞いたときには驚きました。

しかしながら、12月に入ってから楽らクラウド社の社員さんに説明会を実施し、そこで生身の皆さんの反応を目にし、この方たちの人生に責任を負うのだという緊張感と共に新たな決意も抱きました。それはつまり、やるからには良いものにしたい、私が譲渡を受けてよかったと皆さんに思って頂きたいという想いです。特に規模が大きいわけでもないSES会社が新たにできたとして、それだけでは何もインパクトはない。従来の同業にはない新しい視点とビジョンがなければ、やる意味がないと思うのです。では、そのビジョンとは何か?

自由で楽しいエンジニアのための働く環境つくり、です。

私自身も2004年におちゃのこネットを始めるまでは東京に仕事環境を移すべきか随分迷いました。少ないとはいえ当時の社員に転居を強要することはしたくなかったし、何でも東京に行かないと話にならないというのも負けた気がして悔しいし。結果的に神戸に残って、自社サービスを立ち上げる道を選びました。それは正解だったと思います。Webの受託開発を請けていた頃から比べると、自分たちでサービスの仕様も価格も決めれるし、誰かに指図を受けるわけでもない自由な環境で働くことができるようになりました。何よりお客さまの声を直接目にできることは大きな喜びで、自分たちの仕事が誰かの役に立っている、感謝されているという実感を得られることは仕事の最大のモチベーションになりました。しかしながら、良いことばかりでもなかったのです。

自社サービスのデメリットは、目の前の環境に変化が乏しいというところにあります。一つのプロダクト、サービスをずっと提供し続けるわけなので、安定してはいますが代わり映えしないのですね。納期に迫られて苦しい思いをしていた受託開発は、あれはあれで納品の達成感はあったのです。そして毎回新しい開発テーマと最新の技術に触れていられるという愉しさもありました。どんなものごとにもメリットとデメリットの両面があるのです。だから継続的に一つのことを積み上げていくのが得意な人には自社サービスはとても良い環境なのですが、新しいもの好きで飽きっぽい人にはツラい面もあります。その意味では、受託や派遣という業態にも良いところはあるのです。では現状の派遣ビジネスの悪いところはどこか?

それはあまりに自由度が低いところにあるのではないでしょうか? 通常、大規模な業務系のシステム開発は、特定の開発場所にエンジニアを集めて管理します。つまり、地理的・時間的に人を拘束して、稼働時間で管理するわけです。例えば銀行の勘定系システムなどのセキュアで規模の大きなシステムは、仕様書を書く上流工程から開発とテストを行う下流工程までウォーターフォール型の開発手法で進められることが殆どです。これはもう何十年も昔から変わっていません。しかし、本当にそのやり方が正しいのか? それしか方法がないのか?

一番分かりやすいのは、通勤です。東京の満員電車を体験した人なら誰もが思うはず。「これは人間的な生活環境ではない」と。どうして毎日毎日あのすし詰めの電車に、それもスーツで押し込まれて、汗をかいてドロドロになりながら職場に通わねばならないのか。今やリモートワークなんてスタイルで、自宅やカフェ、コワーキングスペースや、それなりに快適な職場で楽しく働いている人が一杯いるじゃないですか。どうしてああできないのか、疑問に思いませんか?

私が思うに、最大の原因は先入観です。このやり方でないと品質管理ができない、納期が保証できない、コスト管理が徹底できない、そう思い込んで思考停止しているのです。いわゆる大企業病ですね。変革を嫌う悪しき前例主義のしわ寄せが、そういう大規模なシステム開発の現場に全部向かってしまってるんじゃないでしょうか。もちろん全てのシステム開発がアジャイル型で少人数が試行錯誤を繰り返しながら柔軟に仕様変更に対応するようなスタイルになるわけではありません。それでも必要もないのに無意味に従来型スタイルに拘泥している古い開発現場は多いと思います。そろそろみんな気付いてますよね。もっといいやり方があるんじゃないかと。

私の思う理想形は、SIベンダーの品質と、フリーランスの柔軟性の両立です。SIベンダーの窮屈なところを取り去って、当てにならないフリーランスの品質を担保する仕組み。両者の中間的なポジションですね。これができれば、多くのエンジニアにとっての理想的な働く環境が作れるんじゃないでしょうか。通信環境がこれだけ劇的に良くなって、クラウドサービスもツールも充実して、新しい開発手法やチームマネージメントスタイルが開発されているのです。21世紀型のやり方に移行しましょうよ、というのが私の提案です。恐らくそれは人を現場に派遣する人月単価の管理手法とは大きく異なるスタイルになるはず。上手く機能するカタチを作れるかどうかはやってみないと分かりませんが、トライする価値は大いにあると思います。

ソフトウェアの重要性は今後も高まるばかりで、決して価値が下がることはありません。その価値を実現するのは、ひとえに人間なのです。エンジニアの価値の向上こそが時代の要請であると思うからこそ、この事業に取り組む意味が出てきます。息子たちの時代に向けて、エンジニアの地位と環境を高めてあげたいなと心から思うのです。本格的な仕事は来年からですが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

第二回「おちゃのこサークル勉強会」

非公開なんですが、「おちゃのこサークル勉強会」というものを開催しています。日程も不定期、参加メンバーも決まってはいませんが、おちゃのこネットをご利用中のショップさんでパネラークラスの成果を出してらっしゃるオーナーさんのみの参加に制限させて頂いています。元々は弊社セミナーにパネラーとしてご協力頂いているオーナーさんに何かお返しをさせて頂きたいというのが発端でした。今回のテーマは、”おちゃのこマスターマインド・グループ”。マスターマインドとは、共通の目標を持った同士、とでも言いましょうか、同じレベルにあってお互いに良い影響を与え合える仲間、の意味ですね。ネットショップとして月商数千万円レベル以上を成果として出せるメンバーが集っての勉強会は、やはり刺激的なのです。

今回発表された事例は、

・オウンドメディア(YouTube、フリーペーパー)の作り方
・決済が店舗経営に与える影響(AmazonPayほか)
・ブランドストーリー構築のクオリティとコスト施策
・ステップメールを活用した顧客リレーションシップのつくりかた
・eBookとメルマガとLINEの組み合わせによるVIP顧客の創出
・実店舗での世界観構築手法
・LINE@と動画コンテンツ、Instagramによる効果的なマーケティング手法の実態

というものでした。この濃い内容をできれば皆さんにシェアしたいのですが、長時間に渡るコンテンツの量とデリケートな内容を含むところからなかなか難しいんですよね。これはもう、現場にお越し頂くしかない。ご参加頂いたショップオーナーの皆さま、本当にありがとうございました。お互いに良い刺激になりましたよね。

第三回目の勉強会は開催未定なんですが、マンネリにならないよう、ネタの鮮度とクオリティを落とさずにまた集まりたいと思います。その節はまた宜しくお願いします!

好景気を実感できない?

昨夜、元R(リクルートの意味です)の先輩と食事をしていて、「今って実は好景気ですよね。でもそれが実感できないのはどうしてでしょうか?」という話になりました。政府の景気対策政策の最大の数値目標は、失業率。それが2.4%で25年振りの低水準なのですから、景気が悪くないのは数字で裏付けされているわけです。国内上場企業の利益も過去最高なんです。どうみても、景気はいい。でも個人レベルでそれが実感できないのはなぜなのでしょうか? 私には二つの理由があるように思えます。

1.賃金が上がらない
 一番典型的なのは、新卒の初任給。私が大学を卒業した1989年(平成元年)の初任給が20万円でしたから、あれから30年経つのに全く上がっていませんよね。国内がずっとデフレで来たので仕方ないとはいえ、この人手不足の時代にまだ賃金水準が目に見えて上がらないのはなぜなのか。新卒の給与を引き上げると、既存の社員のベースアップもしないわけにはいかず、全体の労務費が上がるのを企業は恐れていますよね。結果的に若者が割を食って損しているように見えます。生産性の低い中高年労働力の非効率さを、若年労働力を安く使う事で補っている構図がずっと変わらないというところでしょうね。
 しかしながら、現場では人手不足の影響が確実に出始めていて、身近なところではアルバイトの時給が確実に上がりだしています。既にコンビニや飲食店は外国人留学生の手を借りなければ回らないところも多いと思われます。これが正社員の給与に波及するのも時間の問題でしょう。政府は入管法の改正で外国人労働力の確保を進める方針ですが、中期的に日本の人件費は上がることが経済全体にとって望ましいと思います。デフレ脱却は、人件費が上がらないと実現しないのです。

2.将来ビジョンのなさ
 経済って、実は人の心理に大きく影響されます。バブルがバブルたり得るのは、みんなが祭に乗っかるから。その意味では、今はまだ全員が浮かれて踊り出すほど楽観的な空気にはありません。それはやはり自分の老後や、将来の生活に不安があるからです。この国の年金制度は破綻するのか、自分たちは将来収入が増えていく見通しがあるのか、子供たちは安心して暮らしていけるのか、結婚に踏み切っていいものなのか。そんな具体的な意志決定シーンで、先行きがよくなるというイメージを抱きにくい状況が続いているのです。これはやはり政治の問題ですかね。
 戦後70年が経過して、制度疲労を起こしてしまった各種の社会システムをバージョンアップしないといけないのに、それがいつまで経ってもできない。本来は憲法改正して、道州制を導入し、行政に競争原理を導入して、効率化と活力を生み出す仕組みを取り入れておかねばならない。それが意志決定と手続きに時間がかかる民主主義の悪い面が出て、なかなか先に進めないのが日本の現状です。そこを非常に上手くやっているのが中国です。共産党一党独裁という非民主主義システムの下にありながら、資本市場システムと競争原理を活用して経済にダイナミズムを取り入れている。彼我の活況の差は、経済の活力を生み出す政治の仕組みの差なんです。日本は結局外圧に頼らないと自己改革ができない硬直的な社会なのでしょうか…。

だから今、やる気のある若い人はどんどん海外に出ています。中国や東南アジア、もしくはアメリカ。国内にいても外資系企業に就職し、日本ローカル固有の事情に縛られないグローバルな環境で勝負しています。私はそれでいいと思います。そうやって日本の企業がどんどん遅れていき、もうこれ以上はどうしようもないと気付くまで改革は起こらない。私はそこで経営層の総入れ替えをすべきと思います。だって、日産はゴーン社長で生き返ったでしょう? シャープは鴻海の傘下に入って正解だったんです。つまり、現場は何も変わっていないのに、経営層が変わるだけで企業は生まれ変わるんですよ。中堅以上の企業は、トップを合理的なインド人とかに変えるだけで劇的に業績が向上するんじゃないでしょうか。

ドメスティックな発想を捨てて、規模の大小に関わらずグローバルにモノを考えましょう。リスクを取って、勝負しましょう。中小企業に資金はなくても、スピードという武器があります。一番必要なのは、ファイティングスピリットだと思うのです。

愛知トリコローレ with CARZY Live! 2018

愛知トリコローレ with CARZY Live! 2018

今年最後のトリコローレを愛知県はあいち健康の森で開催しました。限定200台のエントリーが早々に一杯になり、恐らく一般駐車場にお停め頂いて来場頂いた方も沢山いらっしゃったことと存じます。お越しくださった皆さま、本当にありがとうございました!

今回は閉会後に会場を退場なさるおクルマを一台一台お見送りしたのですが、思っていた以上に若い方、それも女性のオーナーさんが多くて良い意味で驚きました。このご時世クルマに興味なんかないやっていう声が多い中、こんなに大勢にクルマ好きの方が集まって頂いて嬉しい限り。皆さんの笑顔を見ているとこちらが癒されます。何だか日本のクルマ業界悪くないよな、なんて元気が出ましたよ。

実は最近クルマ関連のイベントって増えてるんですよね。各地で様々な趣向を凝らしたイベントが沢山開催されていて、ギャザリング、ツーリング、コンクール、オークション、色んなパターンがあります。景気が良いとは言いながら一般市民には実感がありませんが、景気に波とは無関係な大きなトレンドがある気がしています。それは、世間の風向きを気にせずに、自分の好きなことを中心に暮らしていく、という個性化の流れ。「流行っているから、誰かが言ってるから、周囲がそうしているから。」そんな他人の価値観に振り回されてちゃ面白くない。世間体に捕らわれない個性化と多様化の流れが来てるんじゃないでしょうか。それはこれからますます進む一方で、もう後戻りはしない。だから趣味を楽しむトレンドは加速していくのだと思っています。それはクルマに限った話じゃないですよね。こうやって自分のできる範囲でクルマと仲間の楽しい時間を過ごしてらっしゃるお顔を拝見しながら、そんなことを考えました。

今年一年、各地で多くのクルマ好きの皆さんにお目にかかりました。また来年も宜しくお願いします!

おちゃのこネットーAmazon共催セミナー

Amazon Payを活用して、ネットショップの売上げアップを狙おう

Amazonの大阪オフィスをお借りしてセミナーを開催させて頂きました。メインテーマはAmazon Payの導入と決済まわり。ここ、ネットショップにはとても大切なところですよね。

私は、個人タクシーが好きではありません。組織に所属しない一匹狼みたいな人が多いので当たり外れが大きい(たまに凄く良い当たりのドライバーさんもいらっしゃいます)のと、未だにクレジットカードが使えない車両が多いのです。東京に出張すると、全てのタクシーでSuicaが使えます。これは一度使うとクレジットカードにも、ましてや現金払いにも戻れない。でも関西では使えるタクシーがないのです。この決済のストレスは、サービス提供側が思っているよりも大きい。ECのハードルは低ければ低いほど良いに決まってるのです。決済手段は、銀行振込・代引き・クレジットカード・後払い、など多いに越したことはありません。その意味では、Amazon Payはとても良いサービスなのです。

おちゃのこネットのような単体のカートサービスの大きなネックは、集客力とアカウント登録の手間の二つです。集客はともかく、この買い物をするときのアカウント登録、萎えますよね〜 いちいち名前と住所と電話番号を登録して、クレジットカード引っ張り出して、ぽちぽち入力する。もう一度同じサイトを使うかどうか分からない、ロイヤルティの低い状況ではこの手間が非常に面倒です。結果として、もし同じ品、もしくは同等品がAmazonや楽天にないか検索して、そちらで勝ってしまう人が相当数いるはずです。その逃している客の幾らかでも拾えるのなら、これはAmazonPayや楽天ペイの意味は大いにあるのです。カートの弱点を大きく補ってくれる提携だと思います。

集客、決済、配送、バックオフィス処理。ECにまつわる付帯業務は沢山あります。それらをシームレスに結んで、使い勝手の良いトータルEC環境を実現することがおちゃのこネットの課題です。今後も一つ一つ解決して参ります。