ダイレクト・レスポンス・マーケティング

ダン・ケネディから学ぶ 「稼ぐ社長」の作り方



この本は元々「おちゃのこネット」でよく売れているお店のオーナーさんにご紹介頂いたことで知りました。その方は短期間にお店を軌道に乗せ、ウチでも有数の売上規模を誇る繁盛店の店主さんです。どうやってそんな短期間で成果を出したんですか、という私の問いにお答え頂いた答えが”ダイレクト・レスポンス・マーケティング”でした。非常にざっくりまとめますと、”モノを売るということについてのノウハウ体系”をまとめた考え方なんですね。
ダイレクト・マーケティングは、従来型のマーケティングのように、お金をかけて広告を打って、結果は祈るだけ、といったものとは違います。ダイレクト・マーケティングは科学的なアプローチです。
とあります。正直最初は少々眉唾のテクニックなのかなと思っていたのですが、学ぶ価値がある考え方だと感じました。以下にエッセンスをご紹介します。
社長の最も重要な仕事は、マーケティングである

まずマーケティングの仕事をせよ。残りの時間でそれ以外の仕事をせよ
冒頭のこの言葉からして考えさせられました。なんとなく日本では、”良いモノを作っていれば自然に売れる”なんて考え方に支配されていませんか? 売り込みとか営業という言葉がどこか胡散臭い、質の低いものを無理に押し込む、というネガティブなイメージで捉えられている気がします。私みたいに営業畑出身者でさえそうなのですから、多くの方は更に印象の悪い言葉として”営業”活動をイメージしているんじゃないでしょうか。でも、どんなに優秀な商品でも、売れなければ何の意味も無い、顧客に良さを伝えてナンボ、というのは当然といえば当然すぎる観点です。そこを軽視していたんじゃないかな、と反省させられました。
商品は、顧客獲得または維持の単なるツールにすぎない

群れを囲うフェンスを張れ
”群れ”というのは少し挑発的な表現ですが、顧客を囲い込め、顧客とのリレーションを構築しろ、というのは至極真っ当な考え方で、これはどんな業界・商品・サービスでも同じですよね。我々は自分の商品を通じて顧客に何らかの価値を提供し、長期的なリレーションを気付くことで商いを成立させているわけです。肝心なのは顧客との関係そのもので、商品は実は脇役である、というのも強烈な主張です。
一般大衆はつねに間違っている

価格の不思議ーなぜ価格を上げた方が売れるのか?

嫌な客は競合にくれてやれ

コピーは王様。売れるコピーを作るスキルがあなたの収入を決める
アクの強い言葉が続きますが、言わんとすることを読み込むと一つ一つの主張は非常にまっとうな考え方から出ているのが分かります。自社の有利なポジショニングを構築し、自社が対象とする顧客を明確に定義し、正しい相手に正しくアプローチする。科学的な方法論であることが分かります。
経営者と起業家は全く別の生き物です。

他人のアイデアを合法的に盗め

スピードがお金を引き寄せる
クリエイティビティとは何か、という話なんですけどね。世の中に本当のオリジナルなアイデアなんか存在しません。全ての人は”巨人の肩”に乗って世界を見ているのです。どんな大事なアイデアもノウハウも、みんな本に書いてあります。多くの人は目の前にある正解に学ばないだけ。だからこそ我々は、スピーディに失敗を積み重ねなければならないのです。頭の良い人はこれができない。極度に失敗を恐れすぎるのです。凡人には一度で正解を出す能力はありませんが、それでいいのです。「失敗は、上手くいかない方法を一つ発見しただけである」と言ったのはエジソンですが、我々はIT技術の進展で失敗を統計的に処理できるツールを手にしたわけですから昔よりはるかに改善の精度が高められた良い時代に生きているのです。そのメリットを最大限に活かすために、大いに新しいことを試し、失敗し、学びましょう。成功への王道は昔も今も同じなのです。