ある女性経営者さんのこと

おちゃのこネットで一番売り上げを上げてらっしゃる女性経営者さんと初めてお目にかかりました。驚くことばかりで、あっという間に5時間が経っていました。



創業当時のショップ立ち上げの経緯、まったく売れなかった頃、実店舗のオープン、ネットで月商100万円達成のためにやったこと、広告戦略、自社製造開始の経緯、SNSマーケティング、将来の夢。何より、徒手空拳で全く経験がないことに踏み込んでいくガッツが素晴らしい。かといって肩ひじ張ったカンジでもなく、例えるなら人生がリアルなドラクエみたいな、苦労も含めて全部を楽しんじゃうその笑顔に生き方が集約されている気がしました。



いつか皆さまにもご紹介させて頂く機会があると思いますので、楽しみになさって下さい。並みのビジネス書よりよっぽどタメになります。結果を出す人はやっぱりひと味違いますね!



<追記>

とっても嬉しかったお言葉。「おちゃのこネットはショッピングカートのAppleですね。」と仰って頂きました。Androidとは似て非なるものだと。なんだか目の前がすっきり晴れる気がしました。今まで、初心者ユーザーさんとヘビーユーザーさんのどちらを向けばいいのか迷っていたのですが、そうかAppleを目指せばいいのか、と。Macは初心者に優しくて、同時にヘビーな開発者のニーズにも応えていますもんね。優れたUIはどちらにも使いやすいものであるはずですから。「最高のショッピングカートを作る」というミッションに忠実に従いたい、それが進むべき道なのだと確認できた気がします。

「イーロン・マスク」ブランドの価値

イーロン・マスクの「火炎放射器」はすでに350万ドル分の予約注文を確保



「イーロン・マスク」はJobs亡き後のアメリカビジネス界のアイドル。倒産寸前の会社を彼個人の信用で建て直した実績から、彼個人の存在が歴としたブランドになっています。テスラ、ソーラーシティ、Space Xときて、次に立ち上げたBoring Companyは地下に高速移動用のトンネルを掘って交通インフラサービスを提供するのが目的の会社です。







それが何故かロゴ入りの帽子や火炎放射器を売っていますw 買ってる人はシャレのつもりなのかイーロン・マスクを応援しているのかよく分かりませんが、まだ何も実態のない会社の商品を予約という形で何十億円も売り上げてしまう。これこそブランディングの最たるものです。結局ブランドって、特定の個人がその価値を体現しているものなのですね。どこにもないその人のとんがった個性を前面に出し、存在そのものがブランドになる。



おちゃのこネットでも、売れているお店は店主さんのキャラが立っている気がします。意図的に個人が露出してブランドの個性を主張することが、顧客にお店の価値を伝える近道なのですね。だから売れているお店はどこもBLOGを大事にしてらっしゃいます。定期的に情報を発信し、拡散に努めると同時にコンテンツの蓄積と集約を忘れない。古くて新しいメディア、それがBLOGなんじゃないでしょうか。そして発信手段として未だに効果的なのが実はメルマガ。最近だとLINE@ですかね。お店からPushで情報を届ける手段がこの二つくらいしかないのです。



結局、やるべきことをコツコツと続けられるかどうかが別れ道なんじゃないでしょうか。短期で効果が出る施策は短期で廃れる。地道に体力をつけることが大事なんだと思います。勿論、「イーロン・マスク」クラスのインパクトのあるキャラをお持ちでしたら話は別ですが。

人・モノ・カネ

昔から経営の三大リソースでしたが、今や全ての産業が頭脳集約型に移行しつつある現代では課題が優秀な人の確保に集約されている気がします。モノを作るプロセスは分業化されてアウトソーシング出来てしまうし、カネは余っていますからね。その意味では採用を支援するHR系の会社やサービスがもてはやされるのは当然と思えます。



関西はずっとエンジニア層が薄くてどこも採用に苦労していましたが、最近は関西に拠点を作るIT企業が増えてきており活気付いています。



IT大手、関西で増員 サイボウズは倍増



(Yahoo! JAPANは)大阪に新たな開発拠点を開設、 東京本社に続きコラボレーションスペースの設置とフリーアドレス制を導入



「LINE」が京都に研究開発拠点設立へ…来春めど、AIなど最新技術の研究加速



多分今まで関西出身のエンジニアは、関西に戻っても東京と同等の仕事があるかどうか不安だったと思います。それがこういった知名度の高い企業が関西に拠点を作ってくれれば安心してUターンを検討できますから、関西に人材を引き戻すという意味では全てのIT企業にとって朗報だと思うのです。大手と取り合いになって勝てるかという懸念もありますが、まずは人がいなければそもそも採用できないわけですからね。関西のパイがデカくなるのは歓迎です。



その中でどうやって自分の会社に人を呼び込むか。一番は将来性ですかね。その会社に入って将来を夢や明るい展望をもって働けるか。自分の人生を、例え一時期にせよ託すわけですから、これが最も大切なポイントだと思います。だからその会社にどんな人がいるのか、どんな人と一緒に働けるのか、顔が見える経営をしている会社は強い。次善策としては外から見える仕事で判断するしかないのですが、キーマンを知っているというのは強力な吸引力になります。



二番目は何だろう。カルチャーですかね。一番目のどんな人がいるかに大きな影響を受けますが、どんな雰囲気で、どんな体質で、どんな文化で動いている会社なのかも気になりますよね。これは本人との相性もあるし、実際に入ってみないと分からないところも多いのでマッチングがなかなか難しいポイントでもあると思います。発信力のある会社は強い。



だから一般的に募集側が気にする給与や待遇って、企業側が思っているほど影響ないんじゃないかなと思いますね。どうでもいいという意味ではなくて、ちゃんとしてるのが当たり前。その前提で、上記の一番と二番がどうか、そういう選ばれる意識が薄いといつまでもミスマッチが解消できないと思います。昔みたいに企業側が強くて労働者が弱いなんて構図は、ことIT業界においては過去の遺物です。ウチも良い人材の確保がこれからを左右する大事な経営要素だと思っていますので、何か工夫をしないといけません。智恵を出さねば。

Coincheck不正流出

ビットコイン取引所「コインチェック」で620億円以上が不正に引き出される被害が発生(追記あり)



Coincheckで大規模な不正流出騒ぎがあったようです。規模は600億円超と言われており、マウントゴックス事件での被害額100億円超の数倍に及ぶ模様です。新しいモノの出たては何かしらトラブルが起きるものですが、折からの仮想通貨ブームに乗って世界中で投機熱がヒートアップしていましたから金額が膨らみましたね。投機が行き過ぎて明らかに鉄火場になってましたから自己責任と言えばそれまでですが、環境が整備されていない仮想通貨市場の怖さが明らかになりました。



金融とITは相性がいいので上手くマッチする新サービスが作れるとあっと言う間にスケールしますが、穴があった時が怖い。ハイリスク・ハイリターンの典型です。その意味ではウチの様なECサービスでも決済は身近なテーマですから、いかにリスクをコントロールするかが大事な経営判断になります。よくある話ですが、クレジットカードの情報は社内に持たずに外部の決済代行会社にリスクを外出しするなど、漏れるのが前提でシビアなデータをそもそも自社では保持しないというのが安全なやり方だと思っています。



同じような事が自社で起きたらと想像するだけで身震いします。油断してはなりませんね。

「Googleは使わない」

Googleは使わない、SEO対策しているから——Instagram有名人のGENKINGが語った10代の「リアル」



今頃2016年の記事をご紹介して申し訳ありませんが、タイトルが強烈で思わず読んじゃいました。
Googleで検索すると文字が出てくるし、(検索結果は)SEO対策されている。あとはスポンサー(広告)とかが上がってきて…ネットってリアルじゃない。



一昔前ならGoogleで検索して化粧品のランキングを見ていたが、いまは見ません。結果にウソが多いのも若い子は知っている。
うーん…。これがどこまで一般的な感覚なのか、正直分かりません。とは言いながらやっぱり多くの人は今日もGoogleで検索していると思います。でもこの「Googleの検索結果にウソが多い」という感覚、若い人が共通に抱いている疑念なのであれば早晩なんとかしないとGoogle離れなんてことになる日が来るかもしれません。いつかは若い人がメインストリームになるのですからね。Facebookは検索導線をGoogleから奪い取ろうとしている(InstagramはFacebook傘下です)わけですが、その競争の結末が見ものです。

Yahoo!の爆速経営に学ぶ

ヤフー新体制へ——副社長の川邊氏が代表取締役社長CEOに内定、宮坂氏は会長に



”爆速経営”を標榜しているYahoo!が社長交代だそうです。経営体制の変更も爆速ということなのでしょうね。正直、宮坂さんの打つ手は脅威でした。Yahoo!ショッピングの手数料無料化は大きなインパクトで、これで採算が取れるのかと疑問でしたがきっちり収益化の見通しをつけましたね。(参照) このスピード感は見習わないといけないと思っています。



では何を見習うのか。実務作業の速度を会社に求めると、労働強化でスタッフが疲弊する方向に行くと思います。大切なのは判断の速さなのでしょうね。正しい判断にいかに迅速に到達するか、これが肝。しかし往々にして我々は自信のある答えになかなか辿り着かず、迷い、逡巡してしまいます。どうすべきか。最近見かけた大前研一さんの言葉をご紹介します。
自分の感覚で「この結論で絶対に間違いはない」という信念を持つまでは、足を棒にして歩かなければならない。実際に私は、企画室の中で数字を見ながら結論を出したことは一度もない。
机の前で考えてないで、情報を求めて歩け、と。確かにそうです。恐らく正しい答えだと確信が持てないのは、まだ情報が足りていないからなのだと思います。だから自信を持てるだけの情報を求めて現場を歩き、人に意見を聞き、インプットを増やさなければならない。



もう一つ大事なのは、こうやって一旦決めたら実行してみる、ということでしょうね。間違っていることに気付いたら修正すればいい。徒に時間を掛けすぎて機を逸するのが一番怖い。「変化しないことが最大のリスク」を肝に銘じたいと思います。

AI進歩の底知れなさ

Alpha Zeroの衝撃と技術的失業



大学生の頃まではよく将棋を指しました。一時は三段ほどの腕前だったので今でも新聞の将棋欄やNHKの録画は見たりします。最近のAIの進歩については、将棋や囲碁のプロ棋士を凌駕していく様をリアルタイムで見て興味と恐ろしさを感じています。過去に何度かAIブームはありましたが、その度に期待外れの現実にがっかりさせられました。今回もどうなのかと勘繰っていた部分がありましたが、どうやら本物のようですね。



ご紹介した記事は「ポナンザ」という将棋ソフトの開発者のブログです。
この感情をどう表現すればいいのだろうか。多分これが技術的失業なのだろう。おそらくだが、DeepMind社がこのまま本気を出し続ければ、Ponanzaをはるかに超える途方もないプログラムが完成するだろう。それくらいこの新手法は“まだ”洗練されておらず、とてもバニラだ。伸び代がたくさんある。
この底知れない伸び代のある感じが、何とも不気味です。この技術がこの先どんな形で我々の生活に入ってくるんでしょうね。翻訳、無人化、自動化、一番身近で影響が大きそうなのはクルマの自動運転かもしれません。思っていたより早く実用化のフェーズがやってきそうで、楽しみでもあり、恐ろしくもあり。どうせ避けては通れないのなら、踏み込んで積極的に利用する側に回った方が面白そうです。試してみますか!

創業20周年

1998年1月22日に株式会社コンタクトを創業して、今日で丸二十年でした。月並みですが、振り返るとあっと言う間でしたね。東灘のラーメン屋さんの二階で会社を登記したことを昨日のように思い出せます。自分の会社が出来ただけで興奮しました。これで一国一城の主になったんだなと。しかしながら実はこの創業の動機が今から考えると不純だったと言えるかもしれません。当時の私は特にやりたい事があるわけでもなく、独立自体が独立の目的という状況だったからです。もし今同じ事情の人がいたら、独立を考え直すように諭したかもしれませんね。



本来は、独立開業にはその目的があって然るべきです。何らかのやりたい事があるから、それが従来の環境で実現できないから独立する。それが本来の姿。そして起業するなら同じ志の仲間を集って同じ目標を一緒に追い求めるべきだとも思うのです。当時の私は、ただ何となく自分の城が欲しかっただけだったような気がします。生ぬるいサラリーマン生活よりも、原因と結果がはっきりしている厳しい環境に身を置いて自分の力を試したい。それが率直な気持ちでした。



あれから二十年。その場その場で一生懸命考えながら前に進んできたつもりですが、冷静に見れば目的地を持たずに漂流してきただけなのかもしれません。そんな私のワガママに永い間社員を付き合わせてしまいました。文句も言わずに黙って一緒に居てくれる皆に心からありがとうと申し上げたいです。写真は、創業初年に友人が贈ってくれた観葉植物。何度も引っ越しをしながら、それでも枯らさずに今日まで一緒にいてくれています。こうやって支えてくれる人、応援してくれる人がいるから今日がある。この鉢はそんな人たちの象徴みたいな気がしています。その有り難みを大切にせねばなりません。



私も五十代になり、そろそろ人生の成果を形にしなければならない歳になりました。家族、スタッフ、お客さま、取引先、友人知人、地域の方々。そういう私の周囲の人を幸せにしたい、笑顔にしたい、心からそう思うようになりました。遅ればせながら人生の目標を設定し、大きな挑戦に取り組んでいます。ここから先の二十年が勝負です。人生何があるか分からない。その意味を知った今だからこそ、真剣に日々を過ごす。目標達成を笑って祝えるよう、精進します。

Airbnb Story

Airbnb Story



今やシェアリングエコノミーの旗手として知らぬ者のいないAirbnbですが、実はまだ創立から10年経たない若い企業です。そのユニコーンの生い立ちから今日までを追った質の高いノンフィクション。思わず引き込まれます。決して天才肌ではない創業メンバー三人が、それでも過去に例を見ないスピードで300億ドル超の企業を作れた理由は何か。沢山の名言が出てくるのですが、私が一番好きな言葉はこれです。
「なんとなく好きになってくれる100万人より、熱烈に愛してくれる100人のファンのほうがはるかにいい」――ポール・グレアム
なるほどな、と。サービスを立ち上げる時には”ペルソナ”という典型的なユーザー像を描いて、その仮想ターゲットに刺さる設計にすることが成功の近道と言われますが、こういうことなんですね。多数ウケしようとしてサービスの特性が曖昧になるより、狭くてもある特定の層に強烈にアピールする内容の方が明確に差別化できる。量より質、とも言えましょうか。



何となくITサービスは仕組みを作ってスケールさせるというイメージなんですが、Airbnbは真逆をやり続けた会社でもあります。全くユーザーが集まらなくて最初はスーパーで買ったシリアルを売ったり、NYのホストを一軒一軒個別に訪問して自分達で写真を撮り歩いたり。決して最初から順風満帆に成長したわけではなく、三度のローンチをしてもなおユーザーは集まらずクレジットカードの借金だけが残ったとあります。彼らの苦労の跡を知ると、起業を志す者としてなんだか勇気が湧いてきます。



「ラクダに砂漠を渡れてキリンが渡れない理由、それはキリンには先が見えすぎるから」という話を聞いたことがあります。起業家って、ちょっと馬鹿なくらいで丁度良いんじゃないでしょうか。利口な人は先が見えるから、リスクをあえて背負うことをしないんじゃないかと思います。先読みしすぎずに愚鈍に夢を追い掛ける諦めの悪さ、それがAirbnb創業者の三人に共通の資質である気がするのです。凡人の自分にもどこまでできるか、夢を追ってみよう。そう思っています。

経営に関するセオリーG

プロフェッショナルマネジャー



この本はユニクロの柳井さんが薦めてたので読んだのですが、冒頭から衝撃を受けました。
本を読む時は、初めから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをする
一番の私の弱点をズバリ指摘された気がしました。そう、私は目標設定というものを避けてきたのです。自分の行動を数値評価されるのが怖かったのかもしれません。実際昔読んだ「ビジョナリーカンパニー」に
成功企業は、「だれを選ぶか」をまず決めて、その後に「何をすべきか」決める
なんて書いてあったこともあり、目標については厳密に決めずに、その時その時の成り行きで最適解を見つけていけばそれでいいんじゃないかと思っていました。しかしこの本は一刀両断に切り捨てます。経営は逆算だと。



「いつも心は折れそうだけど」 柳井正氏の自分論



随分前に読んだこの本の事を思い出したのは、上記の記事を見かけたからです。(ちなみに日経の本紙よりもネットの記事の方が詳しくて省略されていないのでオススメです。) ここで柳井さんは改めてこう語っています。
経営は、最終ページから本を読むのと同じです。つまり、結論が先というか、何をするのか決めて実行することなんです。非常に単純ですが、実際に自分がやっていなかったと気がついた。というのはね、日本人はほとんどそうだろうけど、毎日努力してたらある程度成功する、と思うでしょう。でもね、努力してても、努力の方向性が違ったらダメ。成功しないの(笑)。同じところを回っているだけ。結局、あなたは何がしたいのか、人生をかけて何がしたいのかが決まらない限り、ビジネスはうまくいかないと気付いた。それからです。ちょっと経営が分かってきたのは
やはり逆算が大事だと言っていますね。人生の目標を先に決めるべき、と。私がこれに気付いたのは最近のことです。遅ればせながら人生の目標設定をしてみて、確かに必要なことだったなと実感しています。



私が思うに、「月に行こう」とケネディが言わなければ、アポロ計画もなく、人類の月到達は大幅に遅れていたはずです。宇宙航空開発の現状路線踏襲でも、いつかは月に行っていたかもしれない。でもそれはこんなに早い時期ではなかっただろうなと。チャレンジングな目標を設定して、メンバーを巻き込んで達成に向けてチームをドライブする。それがリーダーの役割です。調整型のリーダー像というのもあるだろうけど、私は強力なリーダーシップがあってこそのリーダーだと思うので、ハロルド・ジェニーンのセオリーG(GeneenのGです)が心に響きました。



達成した時にこころからの満足が得られる、考えるだけで心が震える、そんな目標を立てることはとても意味があることだと思います。日常に何となくマンネリ感を覚えている方、試してみては如何でしょうか。

本の効用

時間があるはずなのに、本のストックがどんどん溜まっていきます。自分の日常を振り返るとやはりスマホに無駄に時間を使っている。ニュースやSNSのチェックをしないわけにもいかないんだけど、どこかで歯止めを掛けないと際限なく小さなスクリーンに向かって時間を浪費してしまう。



紙の本が売れなくなってるけれども、依然として本の効用は失われていないと思います。やはり始めと終わりが明確で、まとまったパッケージの形で一つの知識を整理してくれているのは、体系的な知識の獲得と整理に有用だと思います。これがWebだとどこからどこまでがひとかたまりなのかはなはだ分かり難く、終わりがない。だから頭の中にはっきりとした知識の地図が出来にくいと感じます。やはり優れた著者と編集者が頭を捻ってコンテンツを吟味、編集してくれたまとまりに意味があるのだと思う。それが技術解説であっても、経営書でも、歴史や哲学などのリベラルアーツ系の読み物であっても。



多分意識して読書の時間を確保しないと本は読めないと思うので、少し時間の使い方を変えようと思います。まずはFacebook見る時間を減らすところからかな。

Twitter社の物語

Twitter創業物語 失敗するよりも成功するほうが嫌な思いをすることは多いかもしれない。 けれども



このエントリーを読んだだけで「ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り」はまだ読んでいませんが、切なくなりました。今まで感じていたTwitter社の迷走振りはこの人間関係の複雑さから来てるんだな。本当の所はエヴァン・ウィリアムスやジャック・ドーシーと実際に付き合ってみないと分からないのだと思うけど、個人的にはMediumを立ち上げたエヴァン・ウィリアムスに肩入れしてしまう。それはやはりサービスがその人を体現していると思うから。
基本的に揉め事というのは上手く行った時に起きるものである。

 僕は潰れそうな会社に絡んだことはいくつもあるので、潰れた会社の元社長や元社員が、それほど不幸な思いをせずにそれなりに楽しく暮らしているのをよく知っている。会社経営にとって、実際、失敗というのはそれほどでかいリスクではない。



 ただ、やはり厄介なのは成功、しかも大成功をしたときだ。その時は必ず揉める。

 揉めない方法というのはほとんどないだろう。
という清水さんのコメントには悲しくなるけど、それが現実なのかもしれない。まだ成果を出していない私がこんなことを言うのもなんだけど、やるからには揉めない成功事例を作りたい。追い掛けた夢の到達地点が地獄でした、というのは嫌だもの。

UX(User Experience)について

UXの重要性が知られてきています。ユーザーがそのサービスを通じてどのような顧客体験を獲得出来るか。どんなユーザーも、何か目的があってそのサービスを利用するわけです。その目的を達成するプロセスが本当にユーザー目線で設計されているか、全ての事業者は基本に立ち返って見直してみることが大切です。



スマートEX



これはJRが提供する新幹線の予約サービスなのですが、このUXが最悪に近い。私の目的は明確です。「新幹線を簡単に利用したい」 これに尽きます。しかし話は簡単ではありません。私の要求を満たすためには、実は二つの要素を実現する必要があります。



 ・簡単に予約をしたい

 ・簡単に乗車をしたい



予約に関しては、上記のスマートEXというサービスに登録するのが良さそうです。サイトの手順に従って進めていくと、どうも「プラスEX会員」に登録して手元のクレジットカードにサービスを追加する必要があるそうな。ここで気持ちが萎えます。(わざわざ新規にICカードを発行する必要があるのかよ…?) めげずにプラスEX会員の登録申請をしてICカードの到着を待ちます。で、二週間ほど(年末年始を挟んだので長かったのかも)で到着したので、ようやくスマートEXサービスに登録し始めたのですが、まあこの画面が使いにくい。一応スマホで登録できるUIになってるんですが、何度も再登録してIDやPWの再発行を繰り返してようやく登録完了しました。これは途中の離脱率が凄いことになっているのではと思います。



私の場合少々話がややこしいのは、手元のApple WatchでモバイルSuicaを利用して新幹線に乗りたいと思っていること。そんなんレアやろ、と思われるかも知れませんが、交通系ICカードをウェアラブルで利用する形は近い将来一般的になると思いますから先行事例として大事だと思います。で、iPhoneのSuicaアプリからエクスプレス予約を試みるのですが、モバイルSuicaとスマートEXの紐付けに一苦労。既に手元にあるスマートEXのIDとの関連性がよく分からず、ちゃんと利用できる形になっているのかどうか不安です。



二時間ほど格闘した後に多分これで登録出来たと思うのですが、まだ実際にチケットを購入して新幹線に乗るところまで試していませんのでなんとも言えません。新幹線というサービスが唯一無二で他に選択肢がないから皆我慢してこんな面倒な手続に付き合ってますが、代替手段があればそっぽを向かれていると思います。JRの幹部が自分でこのサービス試したのかと尋ねたい気持ちです。



同じこと、実は自分のサービスでもあり得るんですよね。自分のサービスを自分でちゃんと試してるか? そのUXは快適に設計されているか? スタッフ任せにせず、自分の目で確かめて評価しないといけないなと反省しています。裸の王様にはなりたくありませんから。

BHオークション始動



幕張メッセにて第一回の「BHオークション」が開催されました。弊社パートナーの西川淳さんが運営に携わっており、日本国内初の本格的なコレクタブルカーオークションということで会場を訪れて様子を拝見してきました。



幕張メッセに到着すると既にオークションが始まっており、館内のTVで様子が生放送されていました。来場者の皆さんも興味深そうにご覧になっていましたね。恐らくこういうオークションの現場を生で見ることは非常に珍しい体験のはず。クルマ屋さんでない限り業販オークションも見たことないですものね。イベント会場は一般来場者にも無料開放されていましたので、二階席は6割くらいの入りでしたが皆さん楽しまれていたと思います。



私もアリーナに移動して、友人と一緒にオークションを観戦。外国人ビッダーも相当数来場されており、クルマによっては熱い入札合戦が行われていました。私はモントレーのRMオークションしかちゃんと見たことがなかったので今回ののんびりしたコンダクト振りに驚きましたが、知人曰くペブルビーチオークションもこんなカンジのスローペースだそうで各オークションのカラーということなんですね。ペブルは上流階層がターゲットなのでスロー、RMはもっとアグレッシヴということだそうです。ここはオークショニア(今回はChris Peppler氏)の選定を含めた演出の問題です。これはそもそもどの会場で開催するか、客層は、出品車両のラインナップは、などによって大きく変わる部分なので、何が正解とも言えない。主催者も初めての事で手探りだったと思うので、私は今回の会場の盛り上がりからして成功だったと思います。本当は自走で入退場して欲しかったり、もっとタイトな空間で熱気を感じさせて欲しかったりと個人的な要望はありますけど、全てはこれから。ともかく日本のコレクタブルカーマーケットに大きな刺激を持ち込む狼煙にはなったんじゃないでしょうか。



これからCARZYもこのマーケットに参戦しますから、どうぞご期待下さい!

ビットコイン狂騒曲

世の中ビットコインで大騒ぎですねw 今さまざまな仮想通貨が1,000種類以上もあり、日々さらに増え続けているそうです。リップルコインは一年で480倍になったとか、明らかにバブルですよね。



1年で480倍になったリップルコインをタンスの裏から見つけた話



(Ripple共同創業者の)クリス・ラーセンは今日一瞬1 Rippleが4ドル近くまで上がった時に、個人資産がラリー・エリソンを超してアメリカで4番目になった。
これに対して、



バフェット氏:仮想通貨、悪い結末を迎えるのは確実



バフェットはネガティブな反応。これを慧眼と見るか、古いと見るか。



私は個人的にはこんないかがわしいもので儲けようとかは全然思わないのですが、世の中にDecentralizedな決済システムが必要とされているというのは理解できます。中国やアフリカ諸国でデジタルマネーが普及したのも、社会ニーズにインフラが追いついていない現状があるから。そしてそのニーズは普遍的で避けられない流れだと言えます。だとすれば、今流通しているコインが全て消滅したとしても、何らかの通貨が最終的には普及するのでしょうね。



ウチはおちゃのこネットというECサービスにおいても、CARZYの新ビジネスにおいても、決済とは無縁でいられませんから、少し実際に使ってみようと思っています。百聞は一見に如かず、ですものね。