読書体験

皆さん、最近本を読んでますか?

正直、私はあまり読んでいません。

昔は読んでたんですけどね。



子供の頃から読書は大好きで、偉人伝記シリーズに始まり、歴史物を読みあさり、横溝正史のスリラーでトイレに行けない怖い思いをし、どっぷり本漬けでした。

最初の転機が来たのは大学一回生の夏休みに読んだ「罪と罰」でした。

あの鉛色の曇り空のような鬱屈としたストーリーが最後に女性に救いを求めるのを見て、「やっぱり世の中には男と女しかいないんだ。書を捨て、街に出よう」って思っちゃったんですよね。(笑)

それからは純文学は殆ど読んでません。

で、社会に出てからはビジネス書を読むようになりました。

卒論の参考にした堺屋太一、大前研一、ドラッカー、「ビジョナリーカンパニー」シリーズも読みましたね。

そのうち自分で会社を始めてからは、やはり理論よりも実践、現場に答えがあるんだという思いを持っていました。



で、最近ですが、やっぱり読書体験に少し戻ってみようかな、と思い出しています。

確かにネット上に情報は溢れているんですが、どれも皆細切れで体系立っていないんですよね。

物事を整理して深く理解するには、やはり本というパッケージは大事なんだな、と感じています。

あと、沢山の本を読み込んでいる人の書く文章は、洗練されていて読み応えがあります。

何かの役に立つとかそういう卑小な考えじゃなくて、自分の興味の赴くままに、人だったり、深く知らなかった分野の知見を広めるだったり、気ままに読み散らかしてみたいなと。

本離れが進む現代ですけど、何時の世も正しい事は大多数の流行の逆にある気がしています。

単に天の邪鬼なだけですかね?(笑)



蛇足ですけど、お子さんのいらっしゃるご家庭では、小さいウチから読書体験を積ませて上げた方が良いですよ。

社会への窓である事は、時代を超えて不変だと思いますから。

サービス部門の海外流出

今、「CARZY.net」にPDF版のダウンロード販売機能を追加すべく開発中です。

海外向けにドル/ユーロ決済をする事を考慮して、決済システムにはPayPalを採用する事にしました。

マーチャント契約の申請をして審査中なのですが、この契約申請プロセス、日本国内で予備審査をした後は中国の上海に投げられるんですね〜

少しぎこちない日本語で電話が掛かってきて何事かと思いました。



しかしこれ、昔なら100%日本国内で行われていた業務ですよね。

製造業の工場が海外移転するのは普通ですけど、日本国内向けに日本語で行うサービス部門が海外移転していくのは本当に脅威です。

今のところこうしたところまで踏み込んでいるのはPayPalやDELLなどの外資系企業ですが、日系企業が本気で海外に持ち出したら国内の雇用はどうなってしまうのでしょう。



とここまで考えて思ったんですが、本当はこういう高度なナレッジ業務、日本国内で海外向けに受け持ってもおかしくないはずなんですよね。

語学力と、ホスピタリティ。

アメリカとかヨーロッパとか、サービスクオリティの低さに辟易してるという話は良く聞くので、案外大きなビジネスチャンスだったりして。

どこかのコールセンターさん、真面目に考えませんか?

消費税増税について

まともな国民であれば、現状の政府債務がヤバイ事は分かっています。

税収を増やす当てがない以上は、消費税増税を上げるしかない事も分かっています。

でもね、何のために民主党に政権交代したのか思い出して頂きたい。

しがらみにまみれた自民党では出来なかった無駄の多い行政の仕組みに抜本的に手を付けて、新しい日本国のカタチを作り直すことに意義があったのではなかったのか。

民主党の結党時の基本方針は「行政改革」「地方分権」「政権交代」の三つだったはず。

政権交代を果たした今、手を付けるべき課題は前の二つのはずなのに、何をウロウロしているのか。



前からの持論ですけど、日本の硬直した体制を打破して前に進むには道州制の導入しかないと思っています。

日本という国は、既に充分すぎる位大きくて、いきなりダイナミックに方向転換するには巨艦過ぎるんですよ。

だから、国を幾つかのブロックに分けて、道州に分割する。

で、それぞれの道州で、アイデアを出してこれはと思う政策を試してみる。

上手くいけば国全体で採用する。

こうしないと、斬新なアイデアが出てこないし、出てきても国全体で試すのは怖すぎると思うのです。



だから、税収を上げることだけ考えるんじゃなくて、支出を減らす・合理化する事とセットで提案して欲しいんですよね。

その上での痛みは受け入れるだけの覚悟は皆持ってますよ。

バブルの思い出

バブルの時代、バブル経済



調べ物をしていたら面白いサイトを見つけてしまいました。

1980年代後半から1990年代初頭にかけての日本のバブル時代を整理してあります。

う〜ん、同じ国とは思えませんね。

まだほんの20年ほど前の事なんですよ。

これとかこれとか、ドギツイですね〜(笑)



時代の流れがあったんですよね。

日本の戦後経済の発展 〜 貿易摩擦 〜 プラザ合意&円高 〜 内需拡大&低金利政策 〜 バブル発生、全て必然でした。

多分同じ状況が訪れたら百回でも同じプロセスを経たんじゃないでしょうか。

当時はそれがバブルだと誰も自覚していませんでしたしね。



では、我々は過去の経験に学んで賢くなったのか?

結論としては全く学んでいません。

舞台を代えて世界各地でバブルの発生と崩壊を繰り返しています。

サブプライムショック、リーマンショック、ユーロ危機、そして恐らく中国のクラッシュと、幾ら痛手を被っても際限なく同じ事がリピートされていきます。

こうなるともう資本主義経済の持つ内的な宿命とでも考えないと説明がつきません。

根本にあるのは、日常生活で必要となる規模以上のマネーが流通してしまっている金融そのものにあるんでしょうね。

どこまでも満足することなく利益を追求する、お金そのものの持つ魔力に全世界の人間が振り回されてしまっています。

そう考えると、今の不景気と言われる日本で、地に足のついた生活をするのも悪くない気がするのですが…。

内職中…

コンタクトは12月決算なので、年明けからちまちまと会計データの入力作業をやっております。

馬鹿馬鹿しい作業なので税理士さんに外注してもいいんですけど、毎日半日程度時間を割いて二週間ほどで終わるので、まあ良いかと会社を作ってから15年続けています。



考えてみると、経理とか総務なんていう仕事は、申し訳ないけど利益を生まないコストセンターで、なるべく無いに越したことはないわけです。

二つの会社で合わせて15人ほど社員がいますけど、総務・経理はほぼ私がやっていますので、ウチは間接部門の人員はゼロ。

こういうところに経費掛けてる会社は利益出ないんじゃないかと思いますけどね。

上場企業の間接業務の多さを想像すると、気の毒になりますな。



単純作業ですけど、数字を追い掛けていると無駄な経費が見えてきたりもしますので、良い整理にはなります。

今週で終わらせるぞ。

日経夕刊

毎月4,000円超の購読料を無駄だなと思いながら日経新聞をやめられないのは、夕刊のファンだからです。

個人的には朝刊より断然読むところ多くて面白いです。

いつも後ろのページから読むんですけど、「こころの玉手箱」に登場する名士のこぼれ話に始まり、社会面、スポーツ面、将棋欄、「人間発見」の人物紹介連載、「プロムナード」のコラム、たまにパズル、総合面、最後に一面。

盛り沢山です。

日経って、スポーツの記事も充実してるんですよね。

多分社内では出世コースじゃないだろうな、なんて余計なお世話な想像をしながら、記者さんの人間味溢れる切り口を楽しみにしています。

あと、将棋欄も面白いんですよ。

将棋って、ある程度の棋力がないと棋譜そのものは楽しめないんですよね。

アマチュア三段程度の棋力はあったのですが、それでも棋譜が溢れた解説は読む気がしません。

そこが河口俊彦老師の解説は抜群の面白さ。

将棋世界誌の「対局日誌」が連載終わってしまったので、河口さんの観戦記が読めるのは日経だけなのかな?

これだけで買う価値があります。

夕刊全体に漂う、朝刊とは違う緩さ、というか、独特の空気が良いんですよね。

変にデスクの縛りが強くなくて、各コーナーが伸び伸び色を出しているカンジがします。



あ〜、夕刊だけの購読プランがあれば良いのにな!

守旧派はどこまでオンラインするか?

20年来の旧友から電話が掛かってきて、一緒にランチをしました。

オンラインサービスの話になって、「Facebook使ってる?」と聞くと、「いやあ、知ってはいるけど、色々面倒そうで使ってない」との返事。

まあ、そうでしょうね。

本当に消息を知りたい昔の友人達は、往々にしてITに明るくなく最新のSNSなんてのを使っていません。

この層が今後オンラインサービスを使うようになるのでしょうか?



非常に乱暴な分類をしてみますと、



1.リア充(リアルな生活が充実している、のネット略語)+ITユーザー

2.リア充でIT非利用者

3.非リア充+ITユーザー

4.非リア充でIT非利用者



なんて区分けになります。

まあ今時全くITを使っていないなんて事はないので表現が極端ですが、まあヘビーユーザーではない、という程度にお考え下さい。



私見ですけど、どうもこのカテゴライズ、固定されていて、今後もあまりカテゴリー間の移動が無さそうな気がします。

インターネットが世に普及してほぼ15年、携帯電話が定着して10年強です。

ITの洗礼は全ての人が受けているはずなので、今の段階でITのヘビーユーザーになっていない人は今後も大きく利用態度を変えることはないでしょう。

これは実は若い層にも言えることな気がします。

つまり、料理をする人・しない人、というのと同じで、全部の人が身に付けているに越したことはないスキルなんだけど、最後は生理的に好きな人と受け入れない人に分かれてしまう。

クルマの運転に例えてみても良いかも知れません。



となると、今後も利用人口そのものはもう天井を打っていて伸びないのかなという気がしますね。

使い方の質が変わる、メジャーなサービスが変わるという事はあるでしょうけど。

そうなると、伸びるサービスは他の何らかの旧態サービスの置き換えに過ぎなくて、全体のパイは増えていかないのかも知れません。

日本全体で人口が減っていて、一人当たりの所得が伸び悩んでいるんですから、マクロ的には当然ですかね。

色んな意味で、海外の伸びているマーケットを取りに行かないとシンドイ時代なのでしょうね。

えべっさん

毎年西宮のえべっさんにはお参りすることにしてるのですが、できる限り三日目の残り福の日に行くことにしています。

何故だか分かりますか?



答えは、値切るため!(笑)



縁起物(福笹とか熊手とか宝船ですね)って値切れるって知ってました?

私も最初は驚いて、「値切って良いの?」「縁起物なのに縁起悪そう」とか思ったんですが、全然大丈夫らしいです。

理由は「商売の神さんやから!」

納得。(^^)



商売人は、笑顔を忘れず、たくましく前を向いて道を切り拓く、この国の宝です。

笑う門には福来たる、で今年も頑張りましょう!

筋悪の技術

一件バラ色なんだけど、実は総論賛成各論イバラの道という筋悪の技術があると思っています。

例として適切かどうか分かりませんが、太陽光発電・遺伝子組み換え・水素電池、なんてのが該当するかなと。

で、IT分野においては多分「3D」ですね、これ明らかに筋悪。



分かるんですよ、「マイノリティ・リポート」の世界は良さげに見えますよね、未来的で。

世界はそもそも3Dだし、みたいな根源論も後押ししますけど、多分軒並み成功しないと思います。

日本メーカーがこぞって期待した3D TV、大コケですよね。

3D映画も、結局「アバター」だけが物珍しさでヒットしただけで後が続きません。

仮に完全なホログラム映像が実用化されたとしても、それって使いやすいの? 実は2Dで操作UIを洗練させればそれで良いんじゃないの? と思っちゃいますね。

任天堂3DSも3Dに拘ると先が心配。

多分軌道修正すると思いますけど。

中途半端な疑似3Dなんて酔うだけで、究極では視神経に直接アクセスする「マトリックス」レベルにならないと実用性無いと思います。

ハードル高いですよね。(笑)



日本企業のリーダーシップの無さはこういうところに現れるんですよね。

エヴァンジェリストとして技術の先を読む力がないから、どうしても数字で追えるスペックを追求しちゃう。

で、振り返ったら誰もついてこない、みたいな。

多分諸悪の根源は現場を知らない事。

部門責任者さん、本当に自社の製品・サービスを自分で使ってますか? というのが大事なんですよ。

多分部下に丸投げですよね。



何時の世も、直感に勝るデータはない、と思っています。

あけましておめでとうございます

皆様、良いお正月をお過ごしになりましたでしょうか。

本年も旧年同様宜しくお願い申し上げます。



さあ今年はどんな年になるでしょうか。

日本経済の現況についての前向きな分析を見つけましたのでご紹介しましょう。



たくましいぞ日本経済の底力 驚異の環境適応力

12年度の輸出は69兆円程度と、ピークだった07年度の85兆円からは見劣りがする。水準としては、05年度の68兆円に近い。主力の輸出品目である輸送用機器、一般機械、電気機器などの金額も、ほぼ6年前に戻ってしまった。



 しかるに、当時は、1ドルが110円、原油価格は1バレル50ドル程度であった。それが今は1ドル70円台、1バレル100ドル前後の経営環境である。日本経済はリーマンショックと東日本大震災という痛恨のダブルパンチを受け、さらに円高と資源高という悪条件の下で、以前と変わらない数字をはじき出している。驚嘆すべき環境適応能力ではあるまいか。
なるほど、これを読むと決して悲観すべき状況ではないのだと分かりますね。

「楽観は意志、悲観は気分」というのも良い言葉です。

マスメディアの論調にとかく振り回されがちですが、冷静に数字を見れば真実の姿が見えてきます。



ではこれから我々はどう針路を見つければ良いのか。

お正月に良い番組を見ました。



目指せ!ニッポン復活



この番組での提言は次の三つでした。



1.海外進出で活路を見出す

 冒頭で、海外進出を実践した企業でかえって雇用が増えているというデータが提示されました。何もせずにジリ貧に陥る企業に比べて、積極的に活路を見出した企業の方が結果的には伸びているんですね。つまり従来の人件費削減なんていう海外移転理由はもう古い。今や新興マーケットの開拓・新商品開発といった前向きな理由での海外進出が成功するファクターだと。そこで磨かれた人材が次世代を担うキーパーソンに育っている事例も紹介されていました。中堅・若手層がキラキラしているのは見ていて気分が良いですね。



2.地方のエネルギー自給

 日本の地方が疲弊しているのは周知の事実ですが、実は見捨てられたかに思える林業に大きな可能性があると指摘しています。間伐材や木くずといった廃棄物をペレットに加工して燃料として供給する試みが取り上げられていました。オーストリアなどでは立派に地域の主要エネルギー供給源になっている模様で、もし地方の林業が再活性化するなら大きな希望が見えてきます。日本は温暖多湿で木が育ちやすいこと、原油の不安定な相場から解放されるメリット、技術進歩により燃焼効率が従来より格段に進んでいることなど、根拠はどれも腑に落ちるものばかりでした。



3.新しいMade in Japanを作れ

 新潟県の燕市を例に、日本にありながらあまり高く評価されていない技術を活用してリ・デザインする事例が紹介されていました。奥山清行さんはエンツォ・フェラーリをデザインした日本人として有名ですが、ワイングラスに始まり新型新幹線から震災復興都市構想まで底知れぬ活動の広さが凄いですね。考えてみればヨーロッパなんて特に独創的なテクノロジーなんて持っていないんですから、高級家具やファッション・クルマなど全ての有名商品は全部デザインの力で成り立っているんですよね。こういうソフトパワーは日本の強みを出せる分野であり、簡単に新興国に真似の出来ない領域なんじゃないでしょうか。



何だか凄く勇気の出る良い番組でした。

愚痴るのはワイドショーに任せておいて、我々は前向きに明るいテーマに取り組んで参りましょう。

個人の質の高さこそが日本の誇るリソースなのですから。