合理主義者は祭りをなくす

2009年6月14日(日) 12:38:41

YOSAKOIソーラン祭りのファイナル・パレード審査員をするために一泊で札幌に来ている。
ちなみにこれ、会社の仕事ではなく、個人でオファーされたもの。06年に急にこの祭りと縁ができ、講演行脚などをやったあと、07年から審査員。もう3回目の審査である。

ヒコーキの中で、前にもご紹介した「尾道坂道書店事件簿」を読んでいたら、著者が勤める啓文社(尾道を中心とした書店チェーン)の社長の口癖が紹介されていた。「合理主義者は祭りをなくす」だそうだ。日常の業務における格言だとは思うが、まさに祭りに向かっている道中だったのでいろいろ考えさせられた。

儲けばかりを見て極力無駄を省いていくと、祭りなんて無駄の極地(経済効果が見込める人気祭りは別にして)。そんなことやってるヒマがあったら他にやることあるだろう、である。でも、祭りをやめたその街は、確実に活力を無くし魅力をなくしていく。
このYOSAKOIソーランも一部では無駄とか邪魔とか言われている。たしかに壮大な無駄かもしれない。でもひとりの大学生の発想から生まれ育ったこの祭りは、実際にいろんな人のつながりを産み出し、地域同士の交流に、そして彼らのやり甲斐・生き甲斐に一役かっている。無駄、邪魔、うるさい、とか切り捨てるのは簡単だけど、合理主義は時に視野が狭くなりがち。ご時世的に合理主義が蔓延りそうだけど、省いていいものといけないものを見極めないとね。

寒いだろうと予想して厚着してきたが、札幌の寒さはそれを上回っていた。夜の審査の時にはマフラーも必須っぽい。あ、メールで頭痛のご心配などいろいろいただいてます。ありがとうございます。まだ痛いっす。
なんか先週、雑誌「小悪魔ageha」人気モデル・純恋(SUMIRE)さんが脳出血で突然亡くなったらしいのだけど(21歳の若さ!)、その数週間前から「頭が痛い」とブログに書いていたらしい。

すいません。気をつけます。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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