1年で480倍になったリップルコインをタンスの裏から見つけた話

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さて、何でも自分で試してみるというのが私のモットーなのだが、 Facebook 広告人体実験オンラインショッピング洋服レンタルだけでなく、暗号通貨も色々試している。前回、2013年にプチブームがあった時に日米欧の取引所に口座を開設してビットコインを買ってみたり、それ以外にもDogecoinと言う柴犬がキャラクターのコインを買ったり、まあ色々なことをしてみた。

そして2014年に大体のものの価値が下落した時点からすっかり塩漬けにしていたのだが、今年になってRippleというコインがものすごい値上がりしているという噂を聞きそういえば持っていたなと思って探してみた。(タンスの裏、というのは嘘で、データのカオスから、というのが本当。)

(追記:現在、コインはRipple CoinではなくXRPと呼ぶのが正しいそうです。会社はRipple、それとは独立したものとしてXRPと整理したそう。私の年がバレますなw)

Rippleは複数通貨にまたがる国際的取引の決済を目的とした暗号通貨で、2012年にリリースされた。

私はといえば、2013年の9月に スタンフォードのビジネススクールでRipple共同創業者のクリス・ラーセンがセミナーをした時にそれを聞きに行って、なるほどなるほど、と思って買ってみることにしたのである。ちなみにこのクリス・ラーセンという人は1996年にE-Loanという会社を創業していて、私が学生だった時に「在校生が卒業生のアントレプレナーを招いて話を聞くファイアサイドチャット」というのにやってきたことがある。ほんの数名で誰かの家で集まる催しだったが、たまたまそれに参加した。その時聞いたはずのE-Loan起業の経緯はすっかり忘れてしまったのだが、彼が言っていたことで、

「大企業を辞めてベンチャーを起業するとしばらく新しいクレジットカードが作れなくなる。クレジットカードのキャッシングでしばらく生きて行けるよう、大企業を辞める前に作れるだけクレジットカードを作っておくのが起業ハック」

というのは印象に残っている。非常に温厚、実直そうで正統派エリート風の人だったので、「こんな人がそんなリスクを取って起業するんだ」と感銘を受けた。

クリス・ラーセンはその後 P 2 P レンディングのプロスパー起業を経てRippleを始めている。スタンフォードのセミナーで聞いたRippleの仕組みやゴールもなるほどと思わせられるものだったのに加え、ファイアサイドチャットでの彼の印象がとても良かったこともあり、試しにちょっと買ってみようと思ったのだった。

しかし実際に買うのは結構大変だった。まずオンラインでアカウントを作るところまではいいのだが、その後指定の銀行の窓口に行ってRipple(当時はRipple Labという会社名だった)の口座に現金を送金するという非常にレトロな手続きが必要だったのである。キャッシュレス社会のアメリカで現金を窓口に持って行くとは。しかも、どこの銀行でも良いわけではなく確か2つの指定銀行のどちらかでなければならなかった。前世ナマケモノでドライクリーニング屋にすらなかなか行けない私は気が遠くなったのだが、なんとか銀行にたどり着き窓口から送金したのを覚えている。当時の記録を掘り返したら、送金をしたのはセミナーに行ってから4ヶ月後だった。 ナマケモノのスピードとしてはこんなものであろう。

そして今年になって急激にRippleの価格が上がっていると聞き「そういえば銀行の窓口に行った」とアカウントを探した。私がRippleを買った当時はRipple社自体のサイトに自分のコインを管理するウォレットがあったのだが、サイトに行ってみるとすでに個人を対象としたウォレット管理や取引はなく、その機能はサードパーティーに移管されていた。

この時点で「もういいや、面倒くさ」と諦めてしまったのだが、その後しばらくして今Rippleで働いている人と友達のバーベキューで会って、「カスタマーサポートにメールしてみるべき」と言われ、なるほどとメールしたら「サードパーティーへのアカウント移管方法マニュアル」というのが何ページにも渡るPDFで送られてきた。一応、オリジナルのパスワードと ID は保存してあったので、それをサードパーティー移管用のページで入力してみたのだが「そんなアカウントはない」という表示。ここでももう一度「やっぱりダメだ」と諦めた。 これが昨年8月のことである。

しかし11月頃Rippleがさらに高騰しているのを見て、もう一度だけトライしてみようと思い ID の大文字と小文字を変えたりして何度かトライしたらなんとアカウントが見つかったのである。ごくごく少額を送金した覚えはあったが、それがいくらだったかは全く記憶になかったのでびっくり箱的にアカウントを開けてみたら5600コイン入っていた。どうも$50送金したようで、当時1 Rippleが1セントだったのでこれが5000コインになったようだ。さらなる600コインはなんだろう、としばし頭を捻ったのだが、虚ろな記憶を辿れば、当時あった(もうない)Ripple用のサードパーティー取引所が、「うちのアカウントを作ったら600コインプレゼント」というキャンペーンをやっていて、それでもらったような気がする。

で、11月時点では確か1 Rippleは80セントくらいだったので5600 Rippleは4000ドル超。 もともとないものと思っていたので、濡れ手に粟と喜んだ。

しかしその後もRippleは高騰を続け現時点の相場は3ドルオーバー。人間というのは欲深いもので最初は濡れ手に粟と喜んでいたのに、こうなると「なぜあの時せめて500ドル買わなかったのだろうか」とか「 もしあの時1万ドル買っていれば」などという良からぬ想念がふつふつと沸き起こってきたりする。まぁ、グーグルが20人くらいの時に面接に行って「君たちにはビジネスモデルがない」と説教して帰ってきたうちのダンナよりマシかもですが。

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ちなみに今日このチャートが Twitter で流れてきた。

essence
source: https://heisenbergreport.com/2018/01/04/jeremy-grantham-bitcoin-dwarfs-the-south-sea-bubble-my-nephew-is-obsessed-with-it/

歴史上の二つのバブルとビットコインのバブルを比較したもので、青い線がオランダのチューリップ、赤い線がイギリスの南海会社、緑の線がビットコインである。「ビットコインのバブルはひどいね」というチャートなのだが、ここにRippleを加えるとこんな感じになる(手書きなので適当です)。

XRP

1年で480倍ですよ。これをバブルと言わずしてなんと言おうか

なお、リップルコインはビットコインと違って最初からトータル1000億コインが発行されている。そして起業時に3人の共同創業者がそのうち200億コインを分け合った。3人のうち1人は途中で会社を辞め、2014年に自分の持分の相当部分を売り払うと発表して大変な問題になり、その後「数年かけて決められたスケジュールで少しずつ放出する」という取り決めになった。(今頃、「2014年に全部売らせてくれなくてありがとう」と思っているかも)。

そして前述のクリス・ラーセンは今日一瞬1 Rippleが4ドル近くまで上がった時に、個人資産がラリー・エリソンを超してアメリカで4番目になった。もちろん紙の上だけの話ではあるが。

しかし、暗号通貨のバブルぶりをみると、ドットコムバブルがかわいく見えますね。

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なお、私、これからせっせと納税用に過去の暗号通貨取引を一覧にまとめる作業をしなければなりません。いろいろICOもぽちぽち買っているので、今後も考えてcointracking.infoというのを使おうと思っているのですが、何か他に暗号通貨資産管理の良いツールがあったら教えてください。

ちなみに、英語の暗号通貨界スラングで「買った通貨を持ち続けること」をHODL(ホードル)というのですが、わたくし、ナマケモノでもあるし、「投資はすべからく長期の可能性ベース」というポリシーゆえ全てHODLしていたので一覧まとめはそれほど大変ではない・・・・・はず・・・・・でも記録を掘り起こすの大変かも・・・・・ううむ・・・・

 

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