Microsoftのビル・ゲイツ会長は、新しいインターネットベースのサービスの急速な成長が示す脅威とチャンスに対応するための大々的な改革計画を支持した。
同氏は上級幹部にあてた10月30日付のメールで、コンピューティングに「次の大転換」が訪れたとし、インターネットサービスにもっとフォーカスするよう呼びかけたと11月9日付のWall Street Journalは報じている(関連記事参照)。
このメールでは、最近CTO(最高技術責任者)に任命されたレイ・オジー氏の社内メモの内容が多く引用されている。オジー氏はメモの中で、広告付きのインターネットベースのサービスで収益を上げる新たなビジネスモデルの登場について話している。また同氏は、GoogleやSkype Technologiesなどのオンラインサービス企業の成功を挙げた。
「このモデルは当社とほかのデベロッパーが、革新を構築、提供、金銭化する方法に抜本的な影響を与える可能性がある」(オジー氏)
同氏は、従来のソフトライセンスモデルよりも、広告付きのソフト・サービスを提供する方が収益を上げられると提案している。Microsoftがこの変化に対応しなければ、「今の当社のビジネスは危機にさらされる。迅速に、断固として対応しなければならない」と同氏。
これらの社内メールは、Microsoftがインターネットベースのサービスやアプリケーションの脅威に切迫したものを感じていることを示唆している。またこれらのメールからは、先週MicrosoftがWindowsとOfficeを補完するオンラインサービスを発表した事情が幾らかうかがえる。
これらの電子メールは、オジー氏がMicrosoftに入社して以来、同氏の影響力が拡大していることを浮き彫りにしているとWall Street Journalは指摘している。
Microsoftは9月に3部門に組織再編を行った。オジー氏のCTOとしての役割が拡大され、これら3部門にわたるサービス戦略の主導役も務めるとゲイツ氏はメールの中で述べている。
オジー氏は自身のメールの中で、インターネットベースのサービスを開発する戦略を立てるよう3部門に呼びかけ、12月15日までに各部門の責任者を任命することにも触れているという。
ゲイツ氏が、新しいタイプのコンピューティングからの挑戦に対して幹部を結集させるのはこれで3回目だ。最も有名なのは、Web向けソフトを開発することで「The Internet Tidal Wave(インターネットの津波)」に対応するよう求めた1995年のメモだ。これはInternet Explorer(IE)という成果を生んだ。2000年にはインターネットベースのアプリケーションを開発する.NET戦略を打ち出した。
またオジー氏はメールの中で、Microsoftの成功と失敗について率直に話している。「当社の製品は多くの目覚ましいやり方でインターネットを受け入れてきた。しかし、大きな前進があったにもかかわらず、当社の取り組みは、達成できたはずのレベルにまで至らなかったこともある」
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