ヒト、モノ、カネ、そして情報

昔から経営資源を、ヒト・モノ・カネ、の三つだと表現します。しかしながら、モノ、つまり設備はアウトソーシングで間に合う時代。そして、カネ、は余っているご時世です。そして圧倒的に足りないのは、ヒト、なんですよね。ですから今マネージメント対象としてフォーカスすべきは、ヒトに尽きると思います。実は経営資源としてもう一つ重要な要素があると思っています。四つ目の資源、それは情報です。

あなたは今、何らかのミッションを会社から与えられていると思います。会社全体の経営目標から事業別、部門別に細分化され、最終的には個人単位で短期の目標が与えられます。恐らく、そのミッションが設定された時点では、ちゃんとした説明があったと思います。何のためにそれをやるのか、いつまでにどういうカタチにすることを求められているのか、具体的にどう実現するのか、どれだけのリソースを使っていいのか、成果を図る物指しをどう設定するのか、などなど。しかしながら経営環境は変化します。外部要因で変わることもあるし、社内事情で変更を余儀なくされることもある。問題は、この時にちゃんと説明と指示が的確になされているか、です。

会社によって、経営者によって、マネージャーによって、マネージメントスタイルは様々です。そこをあえて乱暴に分類するなら、オープン型とクローズ型に分かれる気がします。もしくはケースによって使い分けるか。つまりデリケートな情報、例えば人事、事業のM&A、撤退、などはコトが決まる前に話が漏れると大抵の場合は計画が頓挫します。ですから確定する前までは最小限のメンバーに情報共有をとどめ、場合によっては経営者が一人で決断します。テーマの大小に関わらず、殆どの事柄を内密に決める経営者も多いかもしれません。しかし、私は違います。

徹底的にオープン志向なのが私のスタイルです。過去を振り返って、殆どの意志決定を事前に社内でオープンしています。勿論必ずしも全員の同意を取っているわけではありません。そんなことをしていたら意志決定が進みませんから、最終的にはトップダウンで決めるべきだと思っています。でも、ある程度の情報収集は必ずするし、その時その時のキーマンに相談はしています。そして、意志決定をしたら、その決定に至る背景と狙い、今後の予定、進捗状況の報告、などをかなり細かく日常的にオープンに報告しています。概ね社内の日報に書くことが多いですが、急ぎの連絡は都度SlackやMessengerでしますし、24時間以内には何らかのカタチで共有しています。私的には今まで普通のことと思っていましたが、実はこれはレアな手法かもしれません。社内でオープンにしていない情報って、多分社員個別の給与額だけだと思います。他は基本的に全部オープン。社内に隠しごとはなんて無いし、あってはいけないと思っています。

このやり方でどの人数規模まで通用するのかは分かりません。ただ、楽らクラウド社を経営するようになって一気に社員が20名程増えました。それも神戸から離れた東京で、現場に散らばって仕事をしているメンバーです。従来のおちゃのこネットとCARZYの開発だって社外の協力エンジニアさんたちが結構な数いらっしゃいますから、オフィスでフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションだけで用が足りる状況では既にないんですけどね。顔を合わせて一対一の面談を重視している私ですが、やはり東京のメンバーと個別に時間を取るのはなかなか厳しい。そこはオンラインのコミュニケーションで補っていくしかないと思うのです。つまり、情報こそが第四の経営資源として重要ということなのです。

オープン型とクローズ型、これは経営者のタイプにもよると思います。私みたいに開けっぴろげな性格の人は少ないのかもしれません。それでも、多くの経営者さんにオープンであることのメリットをお伝えしていきたいと思っています。だって、逆の立場なら、色んなことを知っていたいと思うから。メッキはいつか必ず剥げます。地金を鍛えるしかないんですよ。

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