「メルカリはなぜうまくいっているのか?」

QREATOR INTERVIEW! by MEGUMI 「メルカリはなぜうまくいっているのか?」

CARZYのビジネスモデルを考える上ではメルカリに多大な影響を受けているので、ずっと気になっています。少し古い記事ですが、参考になるポイントが沢山あります。私が気になったところをご紹介します。
スマートフォンを誰でも使うようになって、誰でもインターネットが手の中に入ってきたというところで、それらを見ると、より今までパソコンベースでプロしかやれなかったものが、個人の方でもできるのではないかという、大きなパラダイムシフトが起きる予見から始まりました。

インターネットはやっぱり個人をエンパワーメントするもの、個人が強くなる、個人がなにかアクションをするときにインターネットのパワーでレバレッジが利くというのが価値だと思っているので。

僕らでいうと「別にヤフオクあるじゃん」と言われるのですよ、当時。「別にヤフオクで売れるじゃん」と。ミクシィのときも「誰が日記書くの?」と言われました。だから、そうしたコメントはかなりあるわけですよ。
それはもう半分は信じるしかない。エゴでなんとか押し通せるというか、やり続けられるのです。

意外と大企業と戦うときには、僕自身はそんなに難しく考えてないです。
大企業には2つ理由があって、1つは新規事業に大きな予算をかけられないんですよ。要は大企業の論理としては、成長している既存サービスにお金をぶっこんだほうがより成長するので、「新規事業にお金を使います」と言っても、実際はそんなに使わないのですよね。プラス、そこにエースなんて入らないんですよ。結局エースは一番儲かっている事業にしか張らない。
そうすると、大企業の新規事業がどうして失敗するかというと、エースもお金も張らないからなのですよ。しかも上場していたら、急に「10億円使います」なんて絶対できませんから。

みなさんが使っているサービス、全員が使っているサービスというのは、本当にそのWinner Takes Allのwinnerなサービスですね。ここになれるかどうかというのが極めて大事です。ですから僕らは、最初の1年半ぐらいは売上が0なんですよ(笑)。一方でどんどんたまっていくと、どこかで自分たちだけが伸びるような、2次曲線のようなカーブに入っていくんですよね。急に。勝手に人や情報が回り始めるんです。最初は僕らが無理してトラクションを高めていかないといけないのですが、どこからか急に自走し始める。
でもそこまで僕ら、会社は10億円以上の赤字なんですよ。

僕らは先ほど言ったように、売上が立つのがちょうど1年半頃です。それまではもう本当に赤字でしたね。最終的に僕らは手数料10パーセントで売上を取るモデルになるのですが、最初は手数料ももらっていないのですよ。だから、ずっと赤字なのですね。売上0でずっと赤字、さらにテレビCMもやっていた。テレビCMは1回数億円なので。手数料を有料化し始めるときに、「ユーザーが『10パーセントなんて高い』と言って使わなくなったらどうしよう?」というのは、一番ヒリヒリしたタイミングでした。

MEGUMI それはどうしたんですか? そこで変える決断をしたときにお客さんが離れていったというのはなかったのですか?

小泉 幸いそれはなくて。さっき言った自走するタイミングでなにが起きているかというと「メルカリが一番売れる」、これですね。これがあれば、ユーザーさんはたとえ10パーセントの手数料でもなにも言わない。それは、「売れるのならここで出そう」と言ってもらえるところまで持っていけるかどうかなんです。

基本的な考え方は「誰でも簡単に利用できるサービス」なのですが、初期のマーケティングの考え方はやっぱり20代女性ですね。これはミクシィの時もある程度同じなのですが、やっぱりトレンドを作るのは若い女性ですよね。ネットサービスをやっているとつい男性にいっちゃいますが。

しかし、男性からではメジャーサービスは出にくいと思っています。なぜかというと、男性はそんなにクチコミをしないからです。

自分が納得すれば、まあいいという。極論、別に友達なんかに共感してもらわなくてもいい。

女性というのは共感の生き物なので、共感されたい、自分も共感したい。

テレビ局からよくあるのが「メルカリで売れた一番高い品物をフィーチャーしたいです」「メルカリで100万円以上売った人をフィーチャーしたいです」といった、いわゆる“メルカリ長者”みたいなことを言われますが、うちではそれを全部断っているのですよ。
どうしてかというと、先ほどの共感の話もそうですが、今の消費者を見ていると、やっぱり自分事(じぶんごと)化していないものに対してはまったく反応しないのです。
では今の若い子たちの共感度合いはどのぐらいかというと、ちょっと売れて、自分の承認欲求がちょっと満たされる。そして翌日のランチがちょっと豪華になるくらいの、いわゆる「日常の延長線上にあるちょっとした楽しさ」なのです。
それをまたインスタなどのソーシャルメディアにあげたりすることで、いろんなところで自分が少しハッピーになれればいいのです。「それをみんなに共感してほしい」といった流れなので、100万円稼いでいる人を見ても「別に私関係ない」という感じなのですよ。

最初は車などはやめていたのですが、今だと出品できますし。
しかも売れているんですよ。写真4枚で車が売れているんですよ。

これまでの社会というのは、先ほど言った資本主義がかなり社会を保証していたと思うのですよ。なんとなく「イトーヨーカドーで売っているものは間違いなくいいものだ」といった、そうした資本主義がある程度そこの社会の信用を担保していたと思いますが。
これからはどんどん、個人がインターネット上の活動で自分の評価がたまっていく。そうするとどんどん個人で社会に出ていって活躍できる人や、そうやってものを売れるであるとか、個人の信用がためやすい世の中になっていっているのではないかと思っています。

立ち上げの頃の重要性でいうと、1つはプロダクトの完成度の高さがあると思うのですよ。使い勝手が悪いもの……例えばレストランで言うと味が悪い店です。こういうのはやっぱり長続きしないので、当たり前なのですが、使い勝手のいいサービスを作る。
そのときに、先ほど言った男性目線で作っちゃうと意外と「これぐらいみんな使うでしょ?」といった感じなのですが、けっこう使わないんですよ。
僕はいつも女子高生や女子大生が不自由なく使えるかどうかはすごく大事だと思っています。なるべく難しくせずに、そういう方々が使えるかどうか。いわゆる大衆層が本当に使えるかどうか。
もう1つは、それに対していいものを作ったら、やっぱりいいプロモーションをするというところだと思っています。

SNSなどを見ていても半分は読めていないのですよ、みなさん。もう脳の処理量を超えているので。
そうなると「いいね!」ボタンはなにかというと、「MEGUMIさんがあげてるから『いいね!』ボタンを押しておこう」など、書いてある内容よりも誰が書いているかのほうが大事になってきて、どんどんそっち側にみんな反応していっているのですね。
それで徐々に文字が辛くなっていって、今はインスタのように映像や画像になっていっているわけですよ。どんどんそのように軽いほう軽いほうへ人間というのはいくわけですね。軽くて情報量が多いほうに。
そうした中でいうと、手で打って文字というのは、たぶん遅いとなってきていて。

僕らでいうとやっぱりモノを売るので、物を売る系は音声というよりはどちらかというと映像です。いわゆる動画コマースっぽい方向は、一部、今メルカリチャンネルというタブをひとつ作ってテスト的に始めたのですが、動画などはそっち側にいくだろうと思っています。
ただ、一般的な検索などのもろもろは、音声のほうにサポートしていくのではないかと思っていますね。

小泉 ネットとリアルの境目がなくなってきているのですよ。今まで「インターネットはインターネットの中のもの。リアルとは交わりません」といった感じだったと思うのですが、これからはどんどんその境目がなくなってきていて。
いわゆる物の買い物でいうと、ショールーミングと言われている、物を買いに行くのだけど、その場で見てネットで注文するといった感じです。むしろ今、中国はその店舗ばかりなのですよ。ほとんど。中国は最近在庫がない店がすごく多くて。もう在庫を置いておくのは無駄だから、ショールーミングしちゃう。
MEGUMI サンプルだけ?
小泉 うん。その場で頼んでもらって、あとは配送するといった。
MEGUMI へえ、すごい。
小泉 たぶんどんどんその境目はなくなっていくのですね。あと5年、10年のスパンでいうと、「えっ、そのネットやリアルといったその議論はなんですか?」という議論になっていくと思うんですよね。「前時代的な議論をしてます」みたいな。

アメリカやヨーロッパに行くと、圧倒的に日本の食材のクオリティの低さ、オーガニックスーパーやホールフーズ・マーケットもないし、やっぱりそのあたりが意外とまだまだだなという感じはしますよね。

その一方でコミュニケーション系はちょっと難しい。物というのはループしやすいのですが、人はループしにくいのですよ。

SNSはなにが起きるかというと、人間関係じゃないですか。縮図としては。これはループしにくいというのは、入れ替わりしにくいのですね。なぜかというと、友達としてもう5年会わないけど、この人を切るのはちょっとやだなという。

そうなってくると、古い……最近よくSNSが若い子に使われなくなったなどいろいろありますが、SNSの初期の頃は自分が本当に仲の良い人たちが友達だったのに、最近は仕事関係の人など、なんだかいろいろ入ってきたからどんどんつながっちゃったのだけど居づらくなってきている。

そうした中で、若者が最近インスタでもう1回とか、Twitterのほうで鍵をつけて自分が本当に仲が良い人だけでやるなど、どんどん人間関係は再構築したがっている。プラットフォームを変えたがる。大きくなってしまうと面倒くさいから。

ということが起きるので、僕は5年10年スパンでいうと、どこかでコミュニケーションサービスは変わる可能性はあるんじゃないかと思っています。

もしくはFacebookはもっと社会性のあるプラットフォームになっていって、本当のトレンドを作るようなSNSはまた別で生まれてくるというのは普通にあるのではないかと思っていますね。とくに若い人からすると、たぶんあの構造は「ちょっとめんどくさいな」となってきていると思いますね。
というわけで引用だらけになっちゃいましたがw、いいこと一杯書いてありますね。後発の人間はこうやって先人の経験と智恵に学べるのがいいところ。勿論個別に状況もビジネスモデルも異なりますけど、本質的な議論のポイントは共通のことも多いと思います。CARZYにはCARZYの最適解があるはずなので、そこを見極めたい。乞うご期待、です。

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