自動車の安全機能

最近のクルマが進歩しているとは聞いていましたが、これほどとは…。

Mercedes-Benz Intelligent Drive

恐らく世界で一番進んでいるのはメルセデスでしょうね。上記の機能一覧を見ても、現時点で考えられる安全機能がほぼ全部網羅されています。もちろんその先には完全無人自動運転が待っているんですが、95%を99%にするのは至難ですから完全自動運転の実現には意外と時間がかかるのではと思っています。導入の要件として100%を求めれば、それはもう無理筋というもの。ドライバーの運転責任を前提にしないとシステムの設計はできないでしょうね。

Toyota Safety Sense

トヨタも安全技術の開発は重要テーマとして取り組んでいます。新車の販売にあたっては安全機能を重視する消費者がますます増えていくでしょうから、ここの優劣が経営に直結します。手を抜けない領域なんですね。クルマはこうやって電装品のカタマリとなり、各種センサーと制御ユニットが多数搭載されていきます。そしてその使い勝手を左右するのはソフトウェア技術です。日本企業はハードウェアの開発にはまだ優位性がありますが、ソフトウェアに関しては苦手。製造業の筆頭であるトヨタがこの分野でリーダーシップを取っていくことが果たしてできるでしょうか。何となく日本企業が優秀なパーツ下請けメーカーのポジションに収斂していくような気がして、心配です。最終製品の提供者としてトータルサービスのクオリティで勝てないと、世界マーケットで生き残れない。その意味では、トヨタでさえも存亡の危機にあると言えます。

いわんや、他の中小日本企業をや。トータルのユーザー体験、いわゆるUXを第一に考えていく必要がありますよね。ハードルは年々高くなるなと気を引き締めています。

輸入車マーケット

VW復調、5年ぶりのプラスで2位浮上…2018年度上半期輸入車販売
1位[1位]:メルセデスベンツ 3万0944台(7.1%減、4年ぶり減)
2位[3位]:フォルクスワーゲン 2万5292台(9.4%増、5年ぶり増)
3位[2位]:BMW 2万4460台(4.9%減、4年連続減)
4位[4位]:アウディ 1万3575台(2.8%減、3年連続減)
5位[5位]:BMW MINI 1万2671台(3.8%増、4年連続増)
6位[6位]:ボルボ 8725台(12.0%増、4年連続増)
7位[7位]:ジープ 5701台(13.7%増、5年連続増)
8位[8位]:プジョー 4852台(24.4%増、4年連続増)
9位[11位]:ポルシェ 3338台(11.7%増、2年ぶり増)
10位[9位]:ルノー 3331台(2.7%減、2年ぶり減)
ドイツのプレミアム御三家が揃って販売を落としているのが意外ですが、総じて輸入車マーケットは好調と言えますね。売れ筋の変化を見てみると、明らかにセダンが減ってSUVが売れています。各社ラインナップの拡充を進めていて、やたら細分化しつつありますよね。SUVなのにクーペスタイルとか、クロスオーバーとか。最近はベントレー・ロールスロイス・ランボルギーニといったハイブランドもSUVを投入していて、各社の屋台骨を支える存在になりつつあります。ポルシェのカイエン/マカンシリーズの成功が各社の背中を後押ししました。この流れを受けて、いよいよフェラーリも2021年あたりにSUVをリリースするらしいです。4枚ドアは作らないポリシーのはずでしたが、商売勘定抜きには成り立たないのかな。

私は国産車こそ先進の電装技術で世界をリードしているのかと思っていましたが、実はそこでも後追いらしく、新しい技術を採用するのは海外メーカーの方が早いのだとか。トヨタのテレマティクス技術なんて本当に古いですし、国内販売に胡座をかいていられる状態ではないはずなのに進歩のスピードが遅いですね。章男社長の危機感って大袈裟ではなく、正しい皮膚感なのかもしれません。日本が自動車産業でも勝てなくなったら、どこで勝負すればいいのでしょうか。本気でこの国の将来が心配になります。いつの世も時代を切り拓くのは若い人のパワーなんですが、そこを引き出せているとは言えませんものね。若い人に思い切って任せるか、さもなければアグレッシヴな目標を設定して組織を引っ張るか。私はドライブする道を選びます。