過剰コンプライアンス

具体的には書きにくいんですが、日本の現状を見ているとあちこちで過剰コンプライアンス問題が足を引っ張っているなと感じます。日本の良さは治安に象徴されるのでそこは日本の強みなのでしょうが、必要以上にトラブルを回避しようと考えてリスクを取らなさすぎる面があります。

例えば、民泊、白タク。両方共にAirbnbとUberという二大新興サービス領域なんですが、共に大騒ぎした上で法律の網をかぶせて、新しい芽を摘んでしまっています。そりゃサービス本場のアメリカにだって州単位でUber禁止のところもありますから一枚岩ではありませんが、そのぶんアグレッシヴに試す州もあるから全体としてはバランスが取れていますよね。日本はとかく安全第一で試さない。これでは新しいものが伸びるわけがない。

直近ではクルマのオートローンの取り扱いで壁に当たりました。私からすれば、買い主の与信さえ審査してくれればそれでいいじゃん、と思うのですが、クルマの保証や修理体制とかに口出ししてくる。金融庁の指導がと言いますが、消費者保護の観点は理解できるにしろ、事業会社の裁量を大きく歪めていると感じます。

中国なんて、ここを国ごとリスクを取って新しいことを試してくるから、ある意味アメリカ以上にアグレッシヴ。これで日本が勝てるわけないですよね。

私は日本が好きで、日本人としてこの国に生まれたことを誇りに思っています。それでもビジネスの世界で成果を出そうと思えば、この国の保守的な制度や体質は足枷です。

日本という守られた特殊なマーケットでサービスの根を育て、早期に海外に出る。これが日本企業にとって大切なロードマップだと思います。

問題は、日本国内でそこそこの成功を収めるとそれで満足する経営者が多いこと。問われるのは志ですよね。その意味で、ZOZOの前澤さんや孫さんは凄い。見習うべきは、スケールの大きさです。小さくまとまってる場合じゃないね。