M&Aの成否

Facebookの企業買収がまずいことになっている

Facebookは成果を出す企業です。株式市場はその姿勢を高く評価しており、Facebookの株価がそれを実証しています。世に、買収したもののその価値を自社の既存事業とうまくマージできず腐らせている企業は山ほどあります。それらに比べると、Facebook経営陣の手腕は見事と言えます。

しかしながらこの事実は、買収された側の企業からの視点では、印象が全く異なります。元々のサービスの価値が毀損され、ユーザーとのエンゲージメントが損なわれる。これは創業者には耐えられない仕打ちですよね。

幸せなバイアウトってどんなカタチなんだろうと考えます。単独で事業活動を継続するよりも大きな相乗効果が得られ、かつ個別の価値観を尊重する良い距離感がキープされる。そんな絶妙なバランス感覚を維持できるものでしょうか? お金は出すけど、口は出さない関係? そんなの幻想だよな、と思ってしまいます。結局のところは、資本の論理が優先されるのが当然です。その結果、買収したサービスの価値が毀損されてマズいと判断すれば、一定の許せる範囲の中で元々の価値観を尊重するだけの自由度を与える。そこは買収元企業の忖度です。

最後は経営者の器が試されるんでしょうね。