イケてる関西を作る!

最近、関西が博多にボロ負けという話を聞きます。東京じゃないですよ、博多ですよ。これ、ことIT業界に限定すると紛れもない事実なんですよね。関西在住の人っていまだにプライドは高くて、「東京に負けたくない」って気持ちがどこかにあるんですけど、実態はそんな段階はとうに過ぎて博多に追い抜かれてしまっているのです。この自覚がないのが更に問題です。

実例を挙げます。IT業界ならだれもが知ってる著名な求人サイトが関西では全くクライアントを獲得できずに苦戦しています。エンドユーザーはみんな使ってるのに、企業側の認知がビックリするくらい低いのだそうです。東京からはもっとやれるはずとプレッシャーを掛けられて大変と。お察しします。こんな話をあちこちで聞くのです。どうしてなんでしょうか?

一つは、関西が伝統的にモノづくりの風土に染まっているのが原因かもしれません。良いものを安く、という価値観からはITって得体のしれないいかがわしいものにしか見えないのかもしれませんね。昔の強みがレガシーになってしまっている気がします。

もう一つは、イケてる成功例が少ないこと。これは鶏と卵の話なのですが、身近にイケてる企業、起業家が少ないから、刺激を求めてみんなすぐに東京に行っちゃうんですよね。だから東京で活躍している人で関西出身者は結構多いのですが、地元は空洞化してしまっています。これではメンター役がいなくて若い人が相談できる環境にありませんし、なにより気の利いたVCがなくてお金が回りません。ではどうすればいいのか?

私はまず誰かがイケてる成功例を作るところがスタートだと思っています。そこそこじゃなくて、圧倒的な成果。今ならメルカリやZOZOクラスの成功例を関西に作る。それができれば、後追いでベンチャーのエコシステムが出来上がっていくと思うのです。

私は関西に拘りたいし、関西にはそのポテンシャルが間違いなくあります。同じ志を持つ起業家も潜在的には沢山いるはず。大きなゴールを目指したいですね!

地方はクルマ社会

若者のクルマ離れ、とよく言われます。ある意味事実なのでしょう。少子化の影響もありますし、長く続くデフレ経済の下ではこれだけ維持費がかかるクルマの所有コストが割高に感じられるのは当然です。しかし、都市部と地方の視点の違いも意識する必要があります。メディアは全て東京発信ですから、地方の実態と生活感を正しく反映しているとは言えないからです。

私の実家は三重県津市。今でこそ県庁所在地ですが、これは市町村合併で津市に併合されただけで、元々は一志郡一志町というド田舎です。最寄りの電車は近鉄ですが、もう何年も前に無人駅になってしまいました。電車を使うのは離れた学校に通う高校生と一部のお年寄りだけで、基本的には日々の移動手段はクルマです。だから各家に大人の頭数だけクルマがあります。殆どは軽自動車ですけどね。歩いて行ける範囲にコンビニもなく、一軒あったスーパーも潰れてしまいました。こうなると食品の買い出しだけでも大変です。役所が買い出しバスを無料運行してくれてはいますが、それも週に二便だけ。それではとても間に合わないので、年寄り世帯にはクルマがないと本気で生活がなりたたないのです。ウチの親父も少々危なっかしいのですが、やっぱりクルマは手放せません。ネットショッピングなんて現実的じゃありませんからね。

クルマの免許がないと、仕事もない。それでは家計が成り立たない。免許の取り消し、イコール、生活の危機。これは地方にいないとそこまでの切迫感を感じられないのではないでしょうか。

この大雨で、公共交通機関はマヒ状態に陥ってしまいました。JR・私鉄は全部ダメ、高速道路もダメ、でも唯一動いているのは地道です。都市部はともかく、地方の場合は最後の交通インフラのキモはクルマなのです。

ここで問題なのは、高齢者の運転です。80代も中盤以降に差し掛かると確かに危なっかしいのですよね。ご本人はまだまだ大丈夫とお思いでしょうが、家族はヒヤヒヤです。実際問題として先に挙げた生活に支障が出るので、クルマを使うなとも言いづらいところがあります。こういうのを見ると、本気で自動運転車が普及して欲しい。ただねぇ、世間の期待ほど早くは実現しないのではないかとも思えます。結局のところ、イレギュラーケースをどこまで許容するかという問題ですよね。確率98%を99.5%に上げるとか、そこに膨大なコストが生じる。現状でも90点のシステムはできていると思います。でも路上駐車や道路工事や子どもの飛び出しなど、想定外のケースって一杯あります。全てに完璧な対応を求めると、たぶん永遠に自動運転車なんて提供できないと思うのです。せめてバスレーンを設けて、自動運転バスだけでも導入したいですよね。それで地方の生活インフラは随分助かりますから。一日も早く社会のコンセンサスが成立することを願っています。

災害とリモートワーク

近年希に見る豪雨で、関西地方の交通も麻痺状態です。JR・私鉄は運休、道路も山岳部を中心に通行止め。こうなると、物理的な人の移動はハードルが非常に高くなってしまいます。こんな状況で出社をしなければならない会社と、リモートワークで済む会社。この差は大きいのです。ウチでは遅ればせながらですが、少しずつリモートワーク体制を導入しつつありまして、エンジニアの開発チームはほぼ導入完了。サポートチームは前準備段階。ショップ担当は体制が取れていない。そんな状況です。エンジニアチームは、ここぞとばかりにリモートワークしてアピール(笑)。実は私も年中リモートワークしてるようなものなので、オフィス環境に縛られる愚は重々承知。その時その時、最適な場所で、最適な仕事環境を柔軟に選べた方がいいに決まってます。

ここは企業のカルチャーが問われる場面だと思うのです。何をするにも決裁や手順だらけで柔軟性に欠ける大企業、小さくても新しい価値観を受け入れられない古い体質のオーナー企業。色んなケースがあるでしょうが、働き方改革は掛け声ほど簡単なものではありません。21世紀型の企業として適応できるかできないか、まさにその踏み絵なのです。決して流行に乗っかっているだけとか、IT企業だからできるんだ、とか思ってはダメなんです。このカベを乗り越えられないと、これからまともな人材の採用ができなくなると思います。既にその傾向はじわじわと現れていると思いますが、どれだけの企業がそれに気付いているか。逆に言えば、中小零細企業にとってはチャンスです。どうせ来る波なのなら、先んじて乗っかってしまいましょう。経営者の考え方を切り替えるだけで、大きな飛躍のチャンスがそこに隠されていると感じます。ピンチはチャンス。良い機会の到来なのです。

話を聞くスキル

週末にとある方との出会いがありました。初対面なので詳しいことは存じ上げませんが、介護関係のお仕事をされている方と伺っています。美味しい焼肉を食べながら、話はいつしかカウンセリング方面に。それは、相手の話をちゃんと聞く、ということ。お話しを伺いながら、「あー、私は聞いてるつもりでちゃんと聞けてなかったんだな。結局口を挟んで自分の意見を押し付けてただけだったのかも」と思いました。それは薄々感じていたことではあったのですが…。「特に男の人って必ず口を挟みたくなるんです」とも仰ってたので、習性みたいなものもあるのかもしれません。本当は話したいことがまだあるのに、途中で話を打ち切られて、分かったような顔をされると逆にストレスが溜まる、と言われてギクッとしました。会社でOne on Oneの面談をしているのですが、実は3割りくらいしか吐き出せてなかったのかも知れませんね。これじゃイカンな、と反省しました。

ラポールとは|1分でわかるラポールの意味と目的

”ラポール”とは心理学やカウンセリングでよく使われる用語で、お互いの信頼関係を表します。これがないと、そもそも本音を出そうという気になりません。その信頼関係をどうやって作るのか? 傾聴力というスキルがあるそうです。

傾聴力HP|傾聴・カウンセリングの力をつける
人の根源的な欲求が満たされる「傾聴の効果」

場数を踏んで経験を積むことで養われていくのでしょうが、根源的には相手の話を聞こうという気持ちを持つことが一番大事なのだと思います。よくよく意識して、このスキルを身に付けたいと思っています。

ZOZOSUITの延長に

ZOZOのラインナップにビジネススーツが追加、体型データに合わせた完全オーダーメイド

今でこそファッションアイテムをネットで購入することも当たり前になりましたが、ECが始まった当初はもっとも親和性の低い領域と言われたものでした。その理由は、風合いなどの微妙な情報を得られないことと、サイズ合わせの問題でした。ここを様々な工夫で乗り越えてきたから今日のファッションECの隆盛があるのですが、ZOZOはそこに新しいソリューションを持ち込んできましたね。

本当に自分の不見識を恥じるのですが、ZOZOTOWNの凄さが私には分かりませんでした。メジャーなファッションブランドが自前でECをやり出したら存在意義はないよね、としか思っていなかったのです。ZOZOの当事者感覚溢れるECビジネスセンスはホンモノでした。在庫を持ち、自分たちで写真撮影をし、決してメーカーの情報に頼らずに、自分たちで必要なコンテンツとリソースを提供する姿勢は見習うべきです。そして彼らはついにサイズの問題を解決しようとしています。自社で(外部調達したとはいえ)サイズ測定を内製化し、個人の体にぴったりフィッティングしたアイテムを選択出来るというのは画期的ですよね。そしてついに、彼らはメーカーへの道を歩もうとしています。まずビジネススーツから参入というのがまた的確なチョイスですね。

これはユニクロにも通じるところがあるのですが、ZARAのようにファッション性を追わずに、機能性で勝負しています。流行廃りが少なく、ある意味消耗品的な機能と価格で勝負できる領域。ひょっとしたらZOZOはユニクロと競合していくのかもしれませんね。いや、前澤さんならファッション性を追求するかな。どちらにしろ、このビジネスモデルは世界に通用するはず。ぜひ、驚かせてやって欲しいものです。21世紀の日本発世界企業が見てみたいのです!

移民を受け入れるべきか?

サッカーの試合を見ながら、高校生の息子と「日本は移民を受け入れるべきか?」なんて話になりました。こんなことを話せるようになったんだな、と感慨深くなりましたね(笑) なかなかディープなテーマなんですが、息子の意見は「このままでえんとちゃうん」でした。奇しくも、私と同意見です。

確かに単一の価値観で硬直化した社会になると、柔軟性が失われ、変革が遅れて劣化します。もちろんその危険性はよくよく分かっておかなければなりませんが、しかし今は21世紀。情報のシャワーをシャットアウトできるわけもなし、勝手に色んなインフォメーションは入ってきます。であれば、少々人材の流動性が低くても変革のプレッシャーはありますよね。それならば、徒に拙速な移民政策を進めてせっかくの日本社会の良さが失われることの方を危惧します。今さらアメリカのマネをしても追いつけないのですから、日本人の価値観や行動様式を残してそこをストロングポイントとして活かす戦略を採った方が得策だと思うのです。人口減と多様性の確保は最低限度でいいんじゃないでしょうか。純日本人チームでも予選リーグを突破できることは証明できたので、この路線キープでいいと思っています。