Y Combinatorへの応募

シリコンバレーというメジャーリーグ

こちらで宣言したY Combinatorへの応募ですが、ちゃんと実行しました。Summer 2018へのApplyボタンが生きていたので信用したのですが、実は締め切りは3月でとっくに過ぎていたので実際の応募はWeb上からはできませんでした。それならそうと書いておけよ、と毒づいたのですが、ここであきらめては起業家の名がすたります。YCのトップであるPaul Grahamの連絡先を探して、直接連絡を取ってみました。正直、毎日一杯訳分からんヤツから連絡あるんだろうし無視だろうな、と期待していなかったのですが、なんとPaul本人から返事がありました! この時点で既に感動。だって、あのPaul Grahamですよ。シリコンバレーの良心、レジェンドですから、IT業界で知らない人はいない雲の上の存在。忙しい中を手間を割いてくれたのは、それなりにCARZYのビジネスモデルに関心を持ってくれた証拠なのかなと勝手な想像をしています。

その返事の文面は、Taroに相談しろ、というもの。私にはどの”Taro”さんかすぐにピンときました。そう、日本人としてただ一人YCを卒業したあの福山太郎さんのことです。そして返事のメールにはご丁寧に太郎さんのメールアドレスがccで付いていました! これでもう福山さんも無視するわけにはいきませんよね。だって、あのPaul Grahamの紹介ですもの。というわけでやり取りが繋がり、アドバイスも頂きました。内容はシンプル。
Batchに入るかどうかはYC次第なので、私はなんともですが、何社か現バッチの会社に会うと、すでにサービスローンチは前提のもと、顧客や売上がついている会社がほとんどのようです。ですので、今はβ版のローンチに専念され、最初のトラクションがでた際に再度ご応募されるのを個人的にはおすすめします。
サービスがローンチされる前にYCに行ったとしても、早く開発をすすめる、こと以外の助言がYCも出来ないからです。
至極ごもっともですね。確かにそうなので、まずはサービスのトラクションを上げることに専念します。

一つ気になっていることは、YCのスキームがアメリカ在住ベンチャーの育成に限定されていること。彼らの考えるベストプラクティスが、シリコンバレーでチームを編成して、シリコンバレーのエコシステムの中で成長を目指すこと、にある以上は仕方ないのですが、CARZYのようにまずは日本でトラクションを作ってから世界展開を目指すビジネスには都合が悪いところがあります。仮にBatchに受かったとして、本当にチームをシリコンバレーに移すのか? 我々の強みは日本国内のコレクタブルカー人脈にあるのですから、今すぐアメリカに行ってもビジネスのローンチは難しい。しかし、本気で世界を狙うなら、どのタイミングであれ、ビジネスのHeadquartersをアメリカに移すことは必要かも知れない。何だか日本企業としてのアイデンティティを問われているようで悩ましいですね。SONYもホンダも日本にありながら世界企業に成長したしな。でもIT業界で日本出身でホンモノの世界企業になった例はまだないんですよね。メルカリはその突破口になるのかどうか。

しかしながら考えることのレベルが数段階上がった気がして、凄い高揚感があります。この楽しみを一人でも多くの日本人起業家に味わって頂きたいなと思っています。