WYSIWYG編集の呪縛

実家の農業のウェブサイトを作ろうと、おちゃのこさいさいを使っています。いわゆるCMSツールなのですが、競合サービスとしてはJimdoWixWordPress、国産サービスだとグーペペライチなんてサービスもあります。

サービスの特色は大きく二つに分かれるのですが、一つはWYSIWYG編集タイプのサービス、もう一つは独立編集タイプのサービスです。触って頂くとすぐに分かるのですが、先の例だとJimdo、Wix、ペライチはWYSIWYG編集タイプのサービスです。編集モードに切り替えると、表に見えるサイトの状態から必要箇所をそのまま編集できる作りになっています。これは直感的に対象を触れるので、分かりやすいですね。ただ、少し使い込んでみるとたちまち袋小路に嵌まる感じが出てきます。それはWYSIWYG編集の罠と呼びたくなるところなのですが、用意されている編集機能を超えてカスタマイズしたいと思った時に途端にハードルが上がるのです。WYSIWYG編集も万能ではなく限界がありますから、画面上の編集で対応しきれない領域が必ず出てくるのです。その時にどこから触ったらいいのか途方に暮れる、というのはよくあるパターンだと思います。

おちゃのこさいさいやグーペのような独立編集タイプのサービスは、最初は表示箇所と編集領域との紐付けを理解するのに時間がかかりますが、いったんそこをクリアしてしまうとそこさえ触っていればできるというメリットがあります。どちらがいいのかは難しいところですね。

ビジネスとして評価してみると、この手のCMSツールはマネタイズのカベが高いという難点があります。つまり、ショッピングカートのように商売に必ずしも直結していないために、お金を出して有料のサービスを使おうというモチベーションが高くないのです。現状は無料のサービスがこれだけ沢山出回ってしまっていますので、ユーザーとしてはまずはお金を掛けずにサイトを作ろうと思ってしまいますよね。これはビジネスの落としどころとしてはよくよく考えてサービス設計しないとツラいです。

ショッピングカートとモールのビジネスモデルの違いと同様の構図がCMSの世界にもあると思います。サービス提供型ビジネスの世界における、単体CMSとモール、つまりマーケットプレイスの構図ですね。マーケットプレイス型の代表例がEPARKなのでしょう。飲食はそれだけで大きなカテゴリーなので、食べログやぐるなびが鎬を削っていますね。ここに面白いビジネスモデルの提案余地があるのか、レッドオーシャン化していて幸せになれない領域なのか、見極めが大事です。

CMSツールの世界も奥が深いですね。