採用の手段について


なかなかエンジニアの採用が難しいご時世ですね。採用の手段を各種まとめてみました。

●求人広告媒体
 Wantedlyやマイナビ・リクナビ等の媒体に求人広告を打つ。一番ノーマルで、どこの会社もまずはこれを考えると思います。昔と違って媒体が増えているので、とりあえずリクナビに出しとけ、という時代ではありません。しかし共通して言えるのは、結局こちらの企業ブランドが弱いと訴求はしないということ。当たり前ですが、同じ媒体に誰もが知ってる有名企業から独自の取り組みで知られるユニークな企業まで、それこそ山ほどの求人情報が一覧でズラッと並ぶわけです。その中から自分の会社が選ばれる理由がなければ応募はありません。とがったサービスやブランドを持ち合わせない普通の企業ではひと目を引くのは困難です。なにか目を引くキャッチーな広告を智恵を絞って作るしかありませんが、難易度の高い試みであるのは事実です。企業ブランドは一日にしてならず。自社のブランドの弱さを痛感します。

●人材紹介会社
 次はやっぱり紹介会社にオファーを出すことでしょうね。アデコ、マイナビ、パーソルあたりにお声を掛けますが、正直彼らも良い人材は大手に採られるので中小向けにタマを用意することは難しく、なかなか成果に結びつきません。ここでもブランドの強弱は結果に直結するのです。

●人の紹介
 リファラル採用なんて言いますが、要するに誰かに紹介してもらうことです。実はこれが一番堅い。社員であれば社風や実際の仕事内容をよく分かった上で、しかも相手の気心も知れている人にアプローチするわけですから、上手くタイミングが合えば成立する確率が高い。勿論日頃から社員を大事にしていなければ人を紹介しようなんて思ってくれないわけですから普段の行いが大事ですが、これが重視されるのは遅いようで早い一番の王道の手段であることが見直されたということですね。私は今まで身内を会社に入れるのは避けてきましたが、実は縁故採用も悪くないのかもと思い出しています。普通では採れないレベルの人材を獲得できるいいチャンスなのかもしれません。

●新卒採用
 これは私が過去に失敗した経験があるので、ちょっと避けています。教育体制がないとせっかく採れても定着が難しいかもしれませんね。

●副業
 これ、意外と狙い目なのかも。最近は副業OKの会社も増えつつあり、社会的に容認される方向です。何より、少なくとも現時点では副業をしようという気のある人は優秀な人が多い印象。本人が転職にどこまで前向きかはケースバイケースですが、双方のお見合い期間としては悪くない取り組みだと思います。実は副業を割と専門に扱う紹介会社というのもあるらしく、今アプローチしています。(どういう会社があるかはご自身で探してみてくださいw)

●インターン&学生アルバイト
 これも上記の副業志向の人と同じく、学生という気楽な立場で会社を生で観察できるいいお見合い期間なのです。殆どの場合はだからといって新卒採用に結びつくわけでもありませんが、ウチでは学生アルバイト時代の関係が10年経ってから大きな花が咲きました。例外かもしれませんが、可能な限りタネをまいておくことは大事だと思います。

●業務委託
 どうしても人が採れない、でもリソースはほしい。こうなると業務委託の形で開発者を外から連れてくるしかありません。常駐形態で請けてくれるかどうかは受託する会社次第ですが、結果的にこちらを気に入ってくれれば流れで転職という可能性もあります。ただし、その場合は受託会社との関係が悪くなると思われるので、何度も使えない裏技に近い手段なのかもしれません。

●M&A
 同列で語るのも憚られる本物の裏技ですが、人を抱えたいなら会社ごと丸呑みする手もあります。これは相手方の経営者とのリレーションや、経営マインドの変化など、タイミングが大きな影響を及ぼします。お互いに意気投合して合流して大きな目標に向かう、なんてのが理想形ですね。買収する場合は勿論資金力も求められますので、小さな会社には現実的とは言えません。

こうして列挙してみましたが、恐らくこんなにエンジニアが採れないのは史上初の状況だと思います。そしてこの状況は当面変わらない。それどころか、この先もっと求人市場は逼迫するのかもしれません。それは世の中の全ての仕事でITエンジニアの果たす役割が重要になっていくからです。ハードウェアのコストは年々下がっていきますが、サービスを実装するのが人手による手づくり対応である限り未来永劫エンジニアは取り合いなんじゃないでしょうか。よほど教育環境が変わるか、海外から思い切って人材を大量輸入しない限り抜本的には変わりそうにありません。その意味では、今いるエンジニアを大事しないと、もう同じレベルの人は採れないのかもしれませんよ。人を大事する社会になるという意味では良いことですが。